近日上映予定
生誕百年記念 シネアスト安部公房
2024/08/17 ~ 2024/08/23
勅使河原宏監督作はもちろん、演劇『仔象は死んだ』の映像作品、アニメーション『詩人の生涯』、安部公房が監督した『時の崖』等々。
安部公房が関わった映画作品をほぼ網羅したプログラムです。
■料金案内
8/17、18、21、22のトーク付上映:1800円均一(ポイント鑑賞不可)
『おとし穴』『砂の女』『他人の顔』
(2本立て)『白い朝』『1日240時間』
(2本立て)『詩人の生涯』『時の崖』
一般1500円/シニア1300円/会員1100円/学生900円(ポイント鑑賞不可)
『燃えつきた地図』『壁あつき部屋』『億万長者』は通常料金
※チケットは、当館受付にて当日券のみの販売です
上映予定作品一覧(全11本)
『壁あつき部屋』
『おとし穴』
『砂の女』
『他人の顔』
『燃えつきた地図』
『詩人の生涯』
『時の崖』
『白い朝』
『1日240時間』
『仔象は死んだ』
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『億万長者(83分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:市川崑/脚本協力:安部公房ほか
出演:木村功、久我美子、山田五十鈴、伊藤雄之助、信欣三、高橋豊子、岡田英次、松山省次、加藤嘉、左幸子、多々良純、北林谷栄
税務署員が作成した脱税メモが大騒動を巻き起こす風刺コメディ。第五福竜丸事件や大規模贈収賄が起きた年の製作で、原爆と不正への痛烈な批判が込められた作品。原爆作りに燃える少女や、原爆マグロで心中しようとする一家など、市川監督らしいシュールな笑いも満載!
©国際放映
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『壁あつき部屋(110分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1956年
監督:小林正樹/脚本:安部公房
出演:浜田寅彦、三島耕、信欣三、三井弘次、伊藤雄之助、岸恵子、小林トシ子、下元勉、小沢栄、望月優子
巣鴨プリズンのBC級戦犯の手記を元に、不条理に戦犯にされた同房の6人の運命を描く。過酷な彼らの運命をよそに、A級戦犯はアメリカとの取引で釈放され要職に就く者も出る。BC級全員釈放まで13年という年月の間に、5700人中920人が処刑されたのみならず、自殺者や精神を病む者もいた。回想と現実が入り混じる安部公房の脚本を小林正樹が撮った執念の1作だが、アメリカへの配慮により公開は製作3年後となった。
©1956松竹株式会社
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『おとし穴(95分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1962年
監督:勅使河原宏/原作・脚本:安部公房
出演:井川比佐志、宮原カズオ、大宮貫一、田中邦衛、矢野宣、佐々木すみ江、松尾茂、観世栄夫、佐藤慶、金内喜久夫、松本平九郎、奈良あけみ、袋正、島田屯
安部公房と初めて組んだ勅使河原宏初長編。炭鉱、貧困、瓜二つの男、白いスーツの殺し屋、見捨てられた集落にひとり残る女、それらを眺めている幽霊。粟津潔によるカッコいいタイトルと前衛的でシュールな映像に加え、武満徹、高橋悠治、一柳慧によるプリペアドピアノとチェンバロの不協和音と音色が不穏な空気を醸し出し、映画全体がまるで悪夢のような様相を見せる亡霊の映画。
©1962草月会
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『砂の女(147分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1964年
監督:勅使河原宏/原作・脚本:安部公房
出演:岡田英次、三井弘次、岸田今日子、伊藤弘子、矢野宣、関口銀三、市原清彦
砂丘に昆虫採集に来た教師自身が砂に囚われ逃げられなくなる。安部公房の個人主義や近代社会への疑いを、脱出を諦め砂の男に変わっていく教師の存在で表現している。寄生する生物のような砂の恐さと美しさ、肌に汗と砂がまとわりつく岸田今日子の官能、素晴らしい音楽。国内のみならずカンヌで審査員特別賞受賞、アカデミー賞監督賞&外国語映画賞にノミネート、さらにゴダールやスコセッシを熱狂させた勅使河原宏の最高傑作。
©1964草月会
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『他人の顔(122分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1966年
監督:勅使河原宏/原作・脚本:安部公房
出演:仲代達矢、京マチ子、平幹二朗、岸田今日子、入江美樹、岡田英次、市原悦子、矢野宣
安部公房・武満徹・粟津潔に加え美術に磯崎新を迎え日本のアートが結集。ベルイマン『ペルソナ』やフランジュ『顔のない眼』に並ぶ顔と自己同一性をめぐる物語。病院の造形のカッコよさと看護師の岸田今日子の存在感、顔半分をケロイドで覆われた美少女(入江美樹)と無垢な少女(市原悦子)。そして、終盤のっぺらぼう人間の大群が押し寄せてくるシーンの強烈なインパクトを見よ。
©1966草月会
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『燃えつきた地図(119分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1968年
監督:勅使河原宏/原作・脚本:安部公房
出演:勝新太郎、市原悦子、中村玉緒、渥美清、大川修、信欣三、長山藍子、笠原玲子、吉田日出子、小松方正、田中春男
安部公房と勅使河原の組み合わせによる最後の長編作品。疾走した男を探す探偵が次第に自分自身を見失い都会の迷宮に飲み込まれる。勝新は自ら選んだ作品でくたびれた探偵を好演。壊れかけたような女を演じる市原悦子、失踪人の同僚を演じた渥美清も素晴らしい。歪な画面構成に噛み合わない映像、ちぐはぐな会話、さらに実験的映像も魅力的で、突然挿入されるシュールなシーンに引き込まれていく怪作。
©1968草月会
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『詩人の生涯(19分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1974年
監督:川本喜八郎/原作:安部公房
原作安部公房、アニメーション川本喜八郎。搾取されるだけの工場労働者たちの苦しみと解放の物語。煤けた木炭画風切り絵アニメで、共産主義の象徴たる赤いジャケツのみ色がついている。人物の表情はリアルすぎて怖いほど。冒頭の衝撃映像を始め、安部公房のシュールな世界観が表現されている傑作。<併映:『時の崖』>
©チャイルド・フィルム
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『時の崖(32分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1971年
監督:安部公房/原作・脚本:安部公房
出演:井川比佐志、西村文子(条文子)
落ち目のボクサーが試合への不安を紛らわすように、そして不安が的中してノックアウトされてからも、自分に語りかけ続ける。ほとんど井川比佐志の一人芝居で、事態を反芻しては自らを鼓舞し、希望を持っては打ち消す井川の絶え間ない自問自答が音楽のように響く32分間。リング上で倒れてからの10秒間が言葉によって無限に引き延ばされるラストは圧巻。安部公房が監督・原作・脚本を担当した唯一の映画で、インサートされる女性の映像や突然のカラー映像も鮮烈。<併映:『詩人の生涯』>
©Abe Estate 協力:JAPAN UNI Agency Inc., Tokyo
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『白い朝(29分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1965年
監督:勅使河原宏/原作・脚本:安部公房
出演:入江美樹、長谷川照子、松下洋子
四カ国合作映画の日本編監督に選ばれた勅使河原、武満徹、安部公房、写真家の石元泰博、粟津潔と豪華メンバー。パン工場で働くアコをトップモデルの入江美樹が演じる"労働者の休日"映画。休日を楽しむ若者たちの姿にパン工場での労働が挿入され、街のノイズなどもコラージュされる。クローズアップの多様とカット割りの多さ、音楽と音の使い方が前衛的。<併映:『1日240時間』>
©1965草月会
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『1日240時間(31分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1970年
監督:勅使河原宏/脚本:安部公房
1970年大阪万博の自動車館で上映された短編作品。生き物の動きを10倍速にするアクセレチン発明が巻き起こす悲喜劇を特殊技術や色彩技術を駆使して描いたSFミュージカル。激しいスピードで変貌をとげる社会と拡大される時空間を風刺、ユーモアとエスプリに溢れたセンス抜群の一本。4面スクリーンで上映されていたものを1画面に構成したヴァージョンで上映。<併映:『白い朝』>
©1970草月会 協力・素材提供:甲南大学 友田義行
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『仔象は死んだ(53分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1980年
監督:安部公房/原作・脚本・音楽:安部公房
出演:山口果林、条文子、寺田純子、八幡いずみ、平野雅子、塩田映湖、伊藤裕平、岩浅豊明、綾城明
淀川長治が「無限の流動美」と大絶賛し、アメリカ公演でも好評だった安部公房スタジオ最後の演劇『仔象は死んだ』を映像作品として再構成した作品。最小限の言葉しか使われず、体操のようなダンスのような身体表現によって作り上げられた不条理劇。映画らしくカメラが外へ飛び出したりもする。衣装、セット、照明、そして安部自身のシンセによる音楽。前衛芸術が隆盛を誇った時代の貴重な遺産。
©Abe Estate 協力:JAPAN UNI Agency Inc., Tokyo
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