上映作品
デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ
2024/12/28 ~ 2025/01/31
ダグラス・サーク(Douglas Sirk, 本名:Hans Detlef Sierck, 1897- 1987)
ハンブルク生まれ。両親がデンマーク人のためドイツとデンマークで育つ。ハンブルク大学時代から舞台演出家として活動。1934年にはウーファに雇われ、3本の短編を経て初長編『エイプリル・フール』を発表。『第九交響楽』(1936)で名を上げ、スタジオがスターにしたかったツァラー・レアンダーの2作品を監督することになる。
1937年にナチスを嫌ってドイツを離れ、スイスとオランダを経てアメリカへ亡命。ダグラス・サークに改名する。コロンビアと契約するも冷遇され、米国初監督作『ヒトラーの狂人』の公開は1943年だった。コロンビアとの契約に縛られ、赤狩りの嵐が吹き荒れる中、ドイツでの製作の道を探るが諦めて米国に帰国。その後にユニヴァーサルと契約し10年に渡る豊饒な期間が始まる。多彩な作品を撮った後、サークのイメージを決定づけたメロドラマを連作。ユニヴァーサルのトップ監督の一人となるが、契約を打ち切りスイスに移住。その後は舞台の演出に携わっていた。
■特別上映 1/3(金)、1/26(日) 『いつも明日はある』均一料金1500円(ポイント鑑賞不可)
■トーク付き上映 1/11(土)16:25~『いつも明日はある』上映後 ※完売しました
ゲスト:蓮實重彦氏 均一料金2500円(ポイント鑑賞不可/加算不可)
※全作品デジタル上映
上映予定作品一覧(全29本)
『沼の家の娘 Das Mädchen vom Moorhof(81分)』
『社会の柱 Stützen der Gesellschaft(83分)』
『第九交響楽 Schlussakkord(100分)』
『思ひ出の曲 Das Hofkonzert(80分)』
『世界の涯に Zu neuen Ufern(103分)』
『南の誘惑 La Habanera(98分)』
『小悪党 Boefje(88分)』
『ヒトラーの狂人 Hitler’s Madman(84分)』
『夏の嵐 Summer Storm(107分)』
『パリのスキャンダル A Scandal in Paris(100分)』
『奇妙な女 The Strange Woman(100分)』
『誘拐魔 Lured(103分)』
『眠りの館 Sleep, My Love(98分)』
『ちょっとフランス風 Slightly French(81分)』
『ショックプルーフ Shockproof(80分)』
『奇蹟 The First Legion(80分)』
『丘の雷鳴 Thunder on the Hill(85分)』
『ステキなパパの作り方 Week-End with Father(84分)』
『わが望みのすべて All I Desire(80分)』
『突然の花婿 No Room for the Groom(82分)』
『僕の彼女はどこ? Has Anybody Seen My Gal?(89分)』
『私を町まで連れてって Take Me to Town(78分)』
『僕と祭りで会わないかい? Meet Me at the Fair(88分)』
『アパッチの怒り Taza, Son of Cochise(79分)』
『心のともしび Magnificent Obsession(108分)』
『いつも明日はある There's Always Tomorrow(85分)』
『模倣の人生 Imitation of Life(111分)』
『罠 Pièges(113分)』
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『エイプリル・フール April, April!(81分)』
- 上映スケジュール
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公開:1935年
監督:デトレフ・ジールク
出演:カローラ・へ―ン、アルベルヒト・シェーンハルス、エアハルト・ザイデル、シャーウッド・ダウダード
パン職人からパスタ工場主に成り上がったランペ氏。一家の上流気取りに嫌気がさした友人が皇太子からの手紙をでっちあげるが…。エイプリル・フールの悪戯に右往左往する成金一家と、それをバカにする周辺という構図のコメディだが、それが2つの恋につながっていく。未だ洗練されてはいないがチャーミングなサーク初長編。
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『沼の家の娘 Das Mädchen vom Moorhof(81分)』
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公開:1935年
監督:デトレフ・ジールク
出演:ハンジ・クノーテク、クルト・フィッシャー=フェーリング、フリードリヒ・カイフリー
ヒトラー統治下で撮られたサーク第2作。犯されて妊娠した女中のヘルガが主人を訴えた裁判を傍聴し、彼女の純粋さに打たれたカーステンが新たな雇い主になる。ついに自分の居場所を見出すヘルガだが、カーステンの婚約者に嫌われ…。“美しさは女性を不幸にする”典型的物語で、ヒロインの可憐さとカーステンの一途さはボーゼージの作品を思わせる。
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『社会の柱 Stützen der Gesellschaft(83分)』
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公開:1935年
監督:デトレフ・ジールク
出演:ハインリヒ・ゲオルゲ、マリーア・クラーン、ジークフリート・ホルスト・テーツマン、アルブレヒト・シェーンヘルス
ノルウェイの港湾都市で領事を務める男の欺瞞と虚飾の人生を描く。隠し子も横領も、アメリカに移住した義弟のせいにしてのし上った男の人生が、義弟の帰国によって崩壊する。唯一愛する息子が乗った船を襲う嵐が、庶民を顧みない領事の価値観の破壊を象徴するようだ。ヒトラー時代のドイツで製作されたイプセンの戯曲を原作とした一作。
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『第九交響楽 Schlussakkord(100分)』
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公開:1936年
監督:デトレフ・ジールク
出演:ヴィリー・ビルゲル、リル・ダーゴヴァー、マリーア・フォン・タスナーディ
息子を置いてNYに逃げた夫婦。夫が自殺し生きる意欲をなくした妻はラジオから流れる“第九”を聴き…。捨てた息子を養子にした指揮者夫婦と、息子を取り戻そうとする母の関係が緊張感を保って展開する。白雪姫の物語と2つの自殺が不穏な影を落とす異色メロドラマ。音楽への愛が重要な役割を果たしている。
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『思ひ出の曲 Das Hofkonzert(80分)』
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公開:1936年
監督:デトレフ・ジールク
出演:マルタ・エガート、ヨハネス・ヘースタース、オットー・トレスラー、ヘルベルト・ヒューブナー、ルドルフ・クライン=ロゲ、アルフレート・アーベル
ある公国で毎年開かれる音楽会でミュンヘンから歌手を呼ぶことになるが、彼女は父探しのために公国に来ており…。歌手と恋に落ちる大尉、父探しを妨害する大臣、かつて音楽会で歌った歌手の母。複雑に交錯する人間関係が最後の音楽会で収斂し、全てが明らかになる構成は見ごと。決め手となる曲が哀しすぎるミュージカル・メロドラマ。
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『世界の涯に Zu neuen Ufern(103分)』
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公開:1937年
監督:デトレフ・ジールク
出演:ツァラー・レアンダー、ヴィリー・ビルゲル、カローラ・ヘーン、ヴィクトル・シュタール
シドニーに転任した恋人の罪を被り、同地に流刑になった歌姫のツァラー・レアンダー。男は昇進し将軍の娘と婚約。レアンダーは現地男性と結婚して釈放されるが…。サーク初期の傑作として名高いメロドラマ。世界の涯での再会、すれ違い、全てを祝福する歌声。感情を揺さぶるサークの巧みな演出は完成の域にある。
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『南の誘惑 La Habanera(98分)』
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公開:1937年
監督:デトレフ・ジールク
出演:ツァラー・レアンダー、ユリア・セルダ、フェルディナンド・マリアン、カール・マルテル
熱帯の島で地元名士と恋に落ち衝動的に結婚したスウェーデン人の娘。やがて嫉妬深い夫への愛も消える。そんなとき、熱病の調査のため医師が島を訪れ…。短いカットで夫婦の10年間を表現する大胆な飛躍!さすがの演出が冴えるサーク独時代最後の作品。ツァラー・レアンダーが地獄に落ちるヒロインを熱演。
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『小悪党 Boefje(88分)』
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公開:1939年
監督:デトレフ・ジールク
出演:アニー・ファン・エース、ヒュース・ブロックス、エニー・エイマンス=スネイダース、ピート・ブロン
街で盗みを働く12歳のヤンと不良友達はギャングに憧れてアメリカに渡航しようとするが…。人に影響されやすいナイーブなヤンが、悪にも善にもなりうることを見抜く牧師の存在が重要。独特な顔つきと動作が印象的なヤンを演じたのは何と45歳の女優!サークがオランダで撮った2本のうちの1本で、撮影後すぐオランダを去ったサークは本作を観ることはなかった。
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『ヒトラーの狂人 Hitler’s Madman(84分)』
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公開:1943年
監督:ダグラス・サーク
出演:パトリシア・モリソン、ジョン・キャラダイン、アラン・カーティス、ハワード・フリーマン、ラルフ・モーガン、エドガー・ケネディ、ルドウィッグ・ストッセル、アル・シーン、エリザベス・ラッセル、ジミー・コンリン
ナチス支配下のチェコで起きたハイドリッヒ暗殺とナチスによる報復を描く。本人そっくりというジョン・キャラダイン扮するハイドリッヒの冷酷非情さに加え、村を殲滅させる凄惨な報復描写も凄い。同事件を題材にした『死刑執行人もまた死す』と見比べるのも一興。無名時代のエヴァ・ガードナーも出演している。
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『夏の嵐 Summer Storm(107分)』
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公開:1944年
監督:ダグラス・サーク
出演:ジョージ・サンダース、リンダ・ダーネル、エドワード・エヴェレット・ホートン、シグ・ルーマン、アンナ・リーサラ・パッデンフランク・オース
帝政ロシア末期。判事のジョージ・サンダースは愛する人がいながら木こりの娘にのめり込むが…。男を踏み台にするリンダ・ダーネルと破滅してゆく貴族階級の男たちが、激変する時代を象徴するようだ。果てしない野心を秘めた娘を演じるリンダ・ダーネルの圧倒的魅力を堪能する1本。
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『パリのスキャンダル A Scandal in Paris(100分)』
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公開:1946年
監督:ダグラス・サーク
出演:ジョージ・サンダース、シグニ・ハッソ、キャロル・ランディス、エイキム・タミロフ
犯罪者から警視総監になった実在のヴィドックをモデルに、ジョージ・サンダースがモテモテ知能犯を演じるクライム・ラブコメ。純情な令嬢と計算高い元歌姫のダブルヒロインも魅力的。ご都合主義ながらラストに向けて盛り上がる展開はさすがサーク!影を使った演出やお猿さんも最高。
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『奇妙な女 The Strange Woman(100分)』
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公開:1946年
監督:エドガー・G・ウルマー
出演:ヘディ・ラマー、ジョージ・サンダース、ルイス・ヘイワード、ジーン・ロックハート、ヒラリー・ブルック
貧しい家庭で父親に虐待されて育ったジェニーは、美貌を武器に富と地位を手に入れるが…。冷酷かつ衝動的な悪女でありながら、経営手腕や社会性も持つというヒロインの複雑な人格が、物語に魅力と深みを与えている。絶世の美女ヘディ・ラマーがジェニーを魂の熱演。サークが一部演出を担当したファム・ファタールものの傑作。
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『誘拐魔 Lured(103分)』
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公開:1947年
監督:ダグラス・サーク
出演:ジョージ・サンダース、ルシル・ボール、チャールズ・コバーン、ボリス・カーロフ、セドリック・ハードウィック
ロバート・シオドマク『罠』のリメイク作品。連続女性誘拐魔vs女探偵! ブレイク直前のルシル・ボールとジョージ・サンダース、そしてボリス・カーロフという曲者役者を巧みに捌くダグラス・サークの手腕も見事なロマンチック・サスペンス。
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『眠りの館 Sleep, My Love(98分)』
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公開:1948年
監督:ダグラス・サーク
出演:クローデット・コルベール、ロバート・カミングス、ドン・アメチー、ヘイゼル・ブルックス、リタ・ジョンソン、ジョージ・カラリス、レイモンド・バー
クローデット・コルベールは乗った覚えのない夜行列車のベッドの上で目覚める。彼女は夢遊病か、精神病か、それとも!? 人妻が精神的に追い詰められていく『ガス燈』的テーマにダグラス・サークが挑む。高まっていくサスペンス、コルベールとドン・アメチーのキャラの対比など演出が冴える。
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『ちょっとフランス風 Slightly French(81分)』
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公開:1949年
監督:ダグラス・サーク
出演:ドロシー・ラムーア、ドン・アメチー、ジャニス・カーター、ウィラード・パーカー、アデル・ジャーゲンス
完璧主義が行き過ぎて主演のフランス人女優が逃げだし、監督を下ろされたドン・アメチー。見せ物小屋で見つけた女の子を“フランス風”に仕立てて撮影続行を企てるが…。映画内映画のダンスシーンの凄さで度肝を抜かれ、その後は片思いの連鎖に胸キュンの一本。ドロシー・ラムーアが魅力的なラブコメの傑作!
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『ショックプルーフ Shockproof(80分)』
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公開:1949年
監督:ダグラス・サーク
出演:コーネル・ワイルド、パトリシア・ナイト、ジョン・バラグレイ、エスター・ミンチオッティ、ハワード・セント・ジョン、ラッセル・コリンズ、チャールズ・ベイツ
恋人のため殺人を犯した女が仮釈放になり保護観察官と恋に落ちるが…。サミュエル・フラー脚本によるノワール。美しいパトリシア・ナイトが帽子を買うシーン、飛び降り自殺のシーンなど冒頭から観るものをワクワクさせるサークの演出が最高。ラストはスタジオが勝手に脚本を書き換えて撮りなおしたもの。
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『奇蹟 The First Legion(80分)』
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公開:1951年
監督:ダグラス・サーク
出演:シャルル・ボワイエ、ウィリアム・デマレスト、ライル・ベトガー、ウォルター・ハンプデン、バーバラ・ラッシュ、ウェズリー・アディ、H・B・ワーナー、レオ・G・キャロル
田舎のイエズス会。寝たきりの修道士が聖人の夢を見て歩けるようになったから、さあ大変!この“奇蹟”で人々が押し寄せ、会は浮足立つが…。奇跡に懐疑的な修道士(シャルル・ボワイエ)と医師の心理的攻防、脊髄損傷で歩けなくなった少女の葛藤が物語を駆動する。『丘の雷鳴』と並ぶ修道会もので、皮肉屋の教区司祭を演じるウィリアム・デマレスト、少女役のバーバラ・ラッシュが素晴らしい演技を見せる。
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『丘の雷鳴 Thunder on the Hill(85分)』
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公開:1951年
監督:ダグラス・サーク
出演:クローデット・コルベール、アン・ブライス、ロバート・ダグラス、アン・クロフォード、フィリップ・フレンド、グラディス・クーパ
洪水を逃れて丘の上の修道院兼病院に避難した村人たち。そこへ死刑囚の若い女性がやってくるが…。彼女の無罪を信じる修道女(クローデット・コルベール)が、周囲に反対されながら事件の真相を探る。訳あり修道女が大活躍する女性映画。コルベールの唯一の味方の料理番修道女がいい味を出している。修道院のセットも凄い!
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『ステキなパパの作り方 Week-End with Father(84分)』
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公開:1951年
監督:ダグラス・サーク
出演:ヴァン・ヘフリン、パトリシア・ニール、ジジ・ペルー、ジャニーン・ペロー、ジミー・ハント、リチャード・デニング
男の子2人を持つ未亡人と、女の子2人を持つやもめが、キャンプに出掛ける子どもを見送りに行き…。鬼ならぬ子どもの居ぬ間に熱烈な恋に落ちた2人の運命は如何に!? 真面目なヴァン・ヘフリンがとにかくヒドイ目に合う爆笑コメディ。生意気で難しい年ごろの子どもたちと犬たちの活躍も見もの!
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『わが望みのすべて All I Desire(80分)』
- 上映スケジュール
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公開:1953年
監督:ダグラス・サーク
出演:バーバラ・スタンウィック、リチャード・カールソン、ライル・ベトガー、マーシャ・ハンダーソン、ローリー・ネルソン
“家庭を顧みないタレントママ像”をバーバラ・スタンウィックが熟演! 鏡や窓などを使ったきめ細やかさ&エモーショナルなサークの演出によって、繊細かつダイレクトに感情を揺さぶってくる。多くの登場人物と複雑な人間関係を80分でさばいてしまう50年代ハリウッドの底力が凄い。
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『突然の花婿 No Room for the Groom(82分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:ダグラス・サーク
出演:トニー・カーティス、パイパー・ローリー、ドン・デフォー、スプリング・バイイントン、スティーヴン・チェイス
従軍前にベガスでスピード婚したパイパー・ローリーとトニー・カーティス。初夜に水疱瘡になったカーティスが「今度こそ」と意気込んで家に帰ると…。ローリーを操る母と15人の居候のせいで居場所がない夫。全員がカップルを邪魔しまくり、物事は中断しまくる。毒親と拝金主義という今日的テーマをはらみつつ、快調なテンポと動きでみせる新婚コメディ。
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『僕の彼女はどこ? Has Anybody Seen My Gal?(89分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:ダグラス・サーク
出演:パイパー・ローリー、ロック・ハドソン、チャールズ・コバーン、ジジ・ペルー、リン・バリ、ラリー・ゲイツ、ウィリアム・レイノルズ
お洒落なイラストとテーマ曲で始まるコメディ。若き日に愛した女性の遺族に財産を残すかどうか迷う大富豪は、素性を隠して一家に下宿するが…。つつましく生活する一家は金で幸せになれるのか?というテーマを説教臭くなく軽快に描く。ドラッグ・ストアでの突然のミュージカル・シーンや、客として現れる未来の大スターにも注目!
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『私を町まで連れてって Take Me to Town(78分)』
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公開:1953年
監督:ダグラス・サーク
出演:アン・シェリダン、スターリング・ヘイドン、フィリップ・リード、リー・パトリック、リー・アーカー
無実の罪を着せられた歌手のアン・シェリダンが、腐れ縁の男と保安官から逃げて舞台に復帰する。一方、寡の父の花嫁探しをする3人兄弟が彼女を見初める。この2つが平行して猛スピードで展開する胸のすくようなコメディ。シェリダンが教会建設のために興行をうっている最中に起こる捕物アクションの素晴らしさ。悪人は常に高いところに登り落下するのだ!
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『僕と祭りで会わないかい? Meet Me at the Fair(88分)』
- 上映スケジュール
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公開:1953年
監督:ダグラス・サーク
出演:ダン・デイリー、ダイアナ・リン、チェット・アレン、スキャットマン・クローザース、ヒュー・オブライエン
インチキ精力剤を売り歩くドクが偶然助けたのは孤児院から脱走してきた少年と犬だった。孤児院のための資金を選挙資金に流用する政治家と地方検事は、劣悪な孤児院の実情を知られまいと汚い手を使うが…。ドクと相棒のイーノック、ドクに惚れているクラブの歌姫、地方検事の婚約者。彼らは悪徳政治家から少年を守れるか!?大人も子供も歌う痛快コメディ。
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『アパッチの怒り Taza, Son of Cochise(79分)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:ダグラス・サーク
出演:ロック・ハドソン、バーバラ・ラッシュ、グレッグ・パーマー、バート・ロバーツ、モリス・アンクラム、ジーン・イグレシアス、リチャード・カッティング、アイアン・マクドナルド
先住民を主人公にしたサーク唯一の西部劇。白人共存派のアパッチ族のターザ(何とロック・ハドソン)と徹底抗戦派の弟は、同じ女性をめぐって対立するが…。掟を破る同胞を自ら罰するため、騎馬隊の制服まで着るターザにびっくり。居住区に定住し農耕を営むことは民族としての敗北なのか!?今も連綿と続くアイデンティティをテーマにしている。
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『心のともしび Magnificent Obsession(108分)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:ダグラス・サーク
出演:ジェーン・ワイマン、ロック・ハドソン、バーバラ・ラッシュ、アグネス・ムーアヘッド、オットー・クルーガー
ご都合主義すぎる展開でラストまで突っ走る「おぞましく狂ったストーリー」(サーク談)。それを音楽と色彩と陰影によって「夫の命を奪った男を許し愛することはできるのか」というテーマの圧倒的メロドラマに仕上げるサークの剛腕演出が凄い。希望を失ったワイマンが手探りで室内を彷徨い死を考えた瞬間、扉が開きハドソンが駆け寄り抱きしめる!
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『いつも明日はある There's Always Tomorrow(85分)』
- 上映スケジュール
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公開:1956年
監督:ダグラス・サーク
出演:バーバラ・スタンウィック、フレッド・マクマレイ、ジョーン・ベネット、ウィリアム・レイノルズ、パット・クローリー
50年代アメリカ中流家庭で起こる波風をドラマチックな出来事の連鎖で描く。ママを子どもたちに取られた寂しいパパが不倫に走るという世界共通現象を、スタンウィックの存在によって特別な愛の物語に昇華してみせた傑作。渇望や情熱が強いからといって長続きしない、という事実を直視するスタンウィックの潔さ!始まりも別れも、画面は雨に濡れている。
© Courtesy of Park Circus/Universal
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『模倣の人生 Imitation of Life(111分)』
- 上映スケジュール
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公開:1934年
監督:ジョン・M・スタール
出演:クローデット・コルベール、ウォーレン・ウィリアム、ネッド・スパークス、ルイーズ・ビーヴァーズ、ベビー・ジェーン、ヘンリー・コルカー、ヘンリー・アーメッタ
『悲しみは空の彼方に』のリメイク元。白人母娘の家で住み込み家政婦として働く娘連れの黒人女性。夫のいない2人の母はパンケーキ店を始めて大成功するが…。女性の自立問題に加え、母娘の葛藤や人種問題を真正面から扱った30年代としては画期的な作品。サークのエモーションに比して終始落ち着いた演出が印象的な人間ドラマ。
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『罠 Pièges(113分)』
- 上映スケジュール
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公開:1939年
監督:ロバート・シオドマク
出演:モーリス・シュヴァリエ、マリー・デア、ピエール・ルノワール、アンドレ・ブリュノ、エリック・フォン・シュトロハイム、ジャン・テメルソン
シオドマクがナチス占領前に亡命先のパリで撮った作品。パリで連続行方不明事件が発生、警察は囮捜査を進めるが…。囮になった娘が容疑者の一人と恋に落ちるというロマンチック・フレンチ・ノワール。シュトロハイムも一瞬登場。後にサークが『誘拐魔』のタイトルでリメイクした。
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〒150-0044
東京都渋谷区円山町1‐5
KINOHAUS(キノハウス) 4F
03-3461-7703
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