近日上映予定
ウィスコンシン派
2022/02/26 ~ 2022/03/25
ウィスコンシン生まれの名監督、ジョセフ・ロージー、ニコラス・レイ、オーソン・ウェルズを特集!
ジョセフ・ロージー(Joseph Losey 1909-1984)
ウィスコンシン生まれ。ニコラス・レイとは高等学校の同級生。ハーバード大学卒業後、35年にソ連へ短期留学し、そこでエイゼンシュテインの講義を受ける。帰国後はNYで演劇に参加。
48年にRKOから『緑色の髪の少年』で監督デビューするが、共産党員ロージーには赤狩りの手が迫っていた。偽名による『拳銃を売る男』(53年)は全編イタリアで撮影された。撮影後は一旦アメリカへ戻るが仕事はなく、同年イギリスへ亡命。57年『非情の時』以降は本名での監督が許され、英仏で独創的な作品を撮り続け名声を獲得。71年『恋』でカンヌのパルムドール、77年『パリの灯は遠く』でセザール賞を受賞した。
ニコラス・レイ(Nicholas Ray 1911-1979)
ウィスコンシン生まれ。学生時代より地元で劇団を作り活動。フランク・ロイド・ライトの下での共同生活を経て、ロージーと同じくNY演劇に参加する。
エリア・カザン監督『ブルックリン横丁』の助監督を経て、48年『夜の人々』で監督デビュー。赤狩りをきっかけに51年『危険な場所で』を最後にフリーになり、『大砂塵』『理由なき反抗』など話題作を連発。58年『暗黒街の女』を最後にハリウッドを離れ欧州で活動。監督のキャリアは長くないが、作品はゴダール(「映画とはニコラス・レイのことである」)を始めヌーヴェルヴァーグの監督たちから熱狂的に愛された。
晩年はNYで後進の育成にあたり『We Can’t Go Home Again』を学生達と制作。このころ助手だったのがジャームッシュである。1980年、ヴィム・ヴェンダースと『ニックス・ムービー/水上の稲妻』を共同監督した。
オーソン・ウェルズ(Orson Welles 1915-1985)
ウィスコンシン生まれ。16歳で舞台デビュー。21歳で『マクベス』を演出して注目され、劇団「マーキュリー劇場」を主宰。実験的な公演を行って高く評価された。
ラジオ番組にも進出し、1938年『宇宙戦争』が本物のニュースと間違われパニックを引き起こした。RKOに誘われハリウッドで撮った初監督作『市民ケーン』は新聞王ハーストの人間性を暴く内容が物議を醸し、新聞による全面攻撃を受け興行的には惨敗。しかし天才ウェルズの才能が遺憾なく発揮された傑作である。
一方で企画が中々実現できず、テレビに拠点を移すかたわら個性的俳優として活躍するようになる。その際も、自分の台詞は自ら書いたといい『第三の男』ハリー・ライムの名台詞は有名。映画製作への情熱は生涯失わなかったが、製作費捻出のためB級映画への出演を続けていた。
※すべてデジタル上映です。
上映予定作品一覧(全27本)
『偉大なるアンバーソン家の人々』
『恐怖への旅』
『ジェーン・エア』
『離愁』
『謎のストレンジャー』
『上海から来た女』
『マクベス』
『夜の人々』
『緑色の髪の少年』
『暗黒への転落』
『女の秘密』
『第三の男』
『黒魔術』
『狐の王子』
『暴力の街』
『黒ばら』
『孤独な場所で』
『生まれながらの悪女』
『危険な場所で』
『ラケット』
『太平洋航空作戦』
『不審者』
『M』
『ラスティ・メン』
『オセロ』
『拳銃を売る男』
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『市民ケーン Citizen Kane(119分)』
- 上映スケジュール
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公開:1941年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン、ドロシー・カミンゴア、エヴェレット・スローン、アグネス・ムーアヘッド、ルース・ウォリック
新聞王ケーンの死に際の言葉「薔薇の蕾」の謎を追ううち、人々に嫌われ恐れられた男の孤独な生涯が浮かび上がる。オーソン・ウェルズが製作、監督、脚本、主演を手がけた処女作で、撮影・構成・音響などあらゆる面で技術革新をもたらした。映画史上屈指の傑作とされる本作だが、公開時にはケーンのモデル新聞王ハーストの妨害に遭い、興行的には大失敗した。
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『偉大なるアンバーソン家の人々 The Magnificent Ambersons(88分)』
- 上映スケジュール
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公開:1942年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:ティム・ホルト、ジョセフ・コットン、ドロレス・コステロ、アグネス・ムーアヘッド、アン・バクスター
古き良き時代の貴族的な名門一家が時代の波に飲み込まれ没落していく悲劇を、明暗を強調した映像と見事な長回しで表現。スタジオ側の意向で40分も短くされ、ラストも変えられたにもかかわらず、その芸術性は色あせることはない。若きウェルズによる傑作!
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『恐怖への旅 Journey into Fear(69分)』
- 上映スケジュール
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公開:1943年
監督:ノーマン・フォスター
出演:オーソン・ウェルズ、ドロレス・デル・リオ、ジョセフ・コットン、ルース・ウォリック、エヴェレット・スローン、ジャック・モス、アグネス・ムーアヘッド
第2次大戦下のトルコで、軍事兵器会社のアメリカ人エンジニアがナチスから命を狙われる。オープニングのアパートの場面、ホテルの窓外での追跡劇など迫真のショット満載。ウェルズがRKOと揉めて演出を降り、製作と出演、脚本を担当したジョセフ・コットンの補助に回ったという作品だが、その素晴らしい緊張感はウェルズそのもの!
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『ジェーン・エア Jane Eyre(96分)』
- 上映スケジュール
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公開:1943年
監督:ロバート・スティーヴンソン
出演:ジョーン・フォンテイン、オーソン・ウェルズ、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラー、アグネス・ムーアヘッド
家庭教師として雇われた孤児院育ちのジェーンは、邸の主人・ロチェスターと運命の出逢いをするが…。『ジェーン・エア』の三度目の映画化。表面的な偏屈さの下に繊細な心を隠したロチェスター役のウェルズは、まさに適役。エリザベス・テイラー演じるジェーンの親友・ヘレンの哀しいエピソードも忘れ難い。
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『離愁 Tomorrow is Forever(105分)』
- 上映スケジュール
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公開:1946年
監督:アーヴィング・ピシェル
出演:オーソン・ウェルズ、クローデット・コルベール、ナタリー・ウッド、ジョージ・ブレント、ルシル・ワトソン、リチャード・ロング
負傷により顔が変わり別人として生きてきた夫・オーソン・ウェルズと、夫を愛しながら新たな家庭を築いた妻クローデット・コルベール。第一次大戦に翻弄された夫婦の20年に渡る愛の彷徨を描いたメロドラマで、やがて次の世代も戦争に巻き込まれていくという展開に。メロドラマらしからぬウェルズの格調高い演技と驚愕のラストに注目!
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『謎のストレンジャー The Stranger(94分)』
- 上映スケジュール
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公開:1946年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、エドワード・G・ロビンソン、ビリー・ハウス、ロレッタ・ヤング、フィリップ・メリヴェイル
ナチの残党を追う戦犯聴聞会は、元収容所所長を餌に収容所の考案者・キンドラをおびき出そうとする。別人として小さな町で生活するキンドラは、その企てに気づき…。キンドラが元収容所所長と再会し殺害するまでの4分を越えるワンシーン・ワンカット撮影は圧巻。
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『上海から来た女 The Lady from Shanghai(88分)』
- 上映スケジュール
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公開:1947年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:リタ・ヘイワース、オーソン・ウェルズ、エヴェレット・スローン、グレン・アンダース、テッド・デ・コルシア
オーソン・ウェルズの当時の妻リタ・ヘイワースがファム・ファタールを演じた伝説のフィルム・ノワール。1時間もカットされたため展開には無理があるものの、ギラギラした異様なテンション、何度も模倣されることになった遊園地の鏡シーンなどの魔術的な映像世界は他の追随を許さない。
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『マクベス Macbeth(107分)』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、ジャネット・ノーラン、ダン・オハーリヒー、ロディ・マクドウォール、エドガー・バリア、アラン・ネイピア、アースキン・サンフォード
製作・監督・脚本を手がけたオーソン・ウェルズ独自の解釈によるマクベス。おどろおどろしい雰囲気と、紙の王冠を付け毛皮を纏ったマクベス=ウェルズの鬼気迫る演技が見もの。ヌーヴェルヴァーグの批評家たちが絶賛し再評価された作品。
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『夜の人々 They Live by Night(96分)』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:ニコラス・レイ
出演:ファーリー・グレンジャー、キャシー・オドネル、ハワード・ダ・シルヴァ、ジェイ・C・フリッペン、ウィル・ライト、イアン・ウルフ
犯罪仲間と世間の目に追いつめられた男女の逃避行を描いたニコラス・レイ初監督作品。モーテルに身を寄せ、夜中に簡易結婚式場で結ばれる。夜に生きることを宿命づけられた2人の愛と束の間の幸福を描いた切なくも初々しい青春犯罪映画。ゴダールが「精神においてA級」と評価したことでも知られる傑作。
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『緑色の髪の少年 The Boy with Green Hair(82分)』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:ジョセフ・ロージー
出演:ディーン・ストックウェル、ロバート・ライアン、パット・オブライエン、バーバラ・ヘイル、ドウェイン・ヒックマン、サミュエル・S・ハインズ
戦争で親を亡くした“刻印”として髪の毛が緑色になってしまった少年の寓話。悲惨さと歌唱シーンやファンタジー的要素がない交ぜになった、戦闘シーンが一切ない反戦映画で、1年前にトルーマンによって実行された水爆実験への異議申し立てでもある。ジョセフ・ロージーは後に赤狩りでイギリスに亡命することになる。
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『暗黒への転落 Knock on Any Door(100分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:ニコラス・レイ
出演:ハンフリー・ボガート、ジョン・デレク、ジョージ・マクレディ、アレン・ロバーツ、スーザン・ペリー
警官殺害で逮捕されたスラム街出身の青年。彼を担当する弁護士の闘いを描く法廷劇。居場所がない孤独な人々を描いてきたニコラス・レイが、家庭を失い悪事に手を染めることになった青年を通して、環境が犯罪者を作るのかというテーマに挑んだ社会派映画。弁護士役をボギーが熱演。
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『女の秘密 A Woman’s Secret(84分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:ニコラス・レイ
出演:モーリン・オハラ、メルヴィン・ダグラス、グロリア・グレアム、ビル・ウィリアムズ、ヴィクター・ジョリー
美声を失った元歌手のモーリン・オハラはグロリア・グレアムの歌声にかつての自分を聞く。ある夜、二人が口論していた部屋から銃声が聞こえ…。殺人未遂事件に女同士の愛憎が絡むサスペンス。オハラの美しさとグレアムのビッチぶりが際立つ一本で、事件に疑問を抱く刑事と名探偵気取りの妻の推理合戦も楽しい。
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『第三の男 The Third Man(105分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:キャロル・リード
出演:ジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、トレヴァー・ハワード、バーナード・リー、ジェフリー・キーン、エルンスト・ドイッチュ
第二次大戦後のウィーンを訪れた米国人(ジョセフ・コットン)は友人(オーソン・ウェルズ)の死を知り…。犯人捜しを通じてウィーンの暗黒面を浮き彫りにするグレアム・グリーン原作のフィルム・ノワール。光と影、戦争の傷跡、観覧車、去っていく女。カンヌでグランプリを受賞した名作中の名作。
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『黒魔術 Black Magic(105分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:グレゴリー・ラトフ、オーソン・ウェルズ(ノン・クレジット)
出演:オーソン・ウェルズ、ナンシー・ギルド、エイキム・タミロフ、フランク・ラティモア、ヴァレンティナ・コルテーゼ
ジプシーの少年は長じてカリオストロ侯爵を名のり、メスマーから学んだ催眠術を利用してヨーロッパ希代の詐欺師となる。さらに、マリー・アントワネットに瓜二つの少女を利用して、権力を握ろうと企て…。オーソン・ウェルズがノン・クレジットで共同監督を務め自ら主役を演じた、カリオストロ栄枯盛衰の物語。
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『狐の王子 Prince of Foxes(108分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:ヘンリー・キング
出演:タイロン・パワー、ワンダ・ヘンドリックス、オーソン・ウェルズ、マリナ・ベルティ、エヴェレット・スローン、カティーナ・パクシヌー、レオ・G・キャロル
勢力拡大を謀るチェーザレ・ボルジアは、冷酷で賢いオルシーニをヴィラノ公の城に遣わすが…。底辺からのし上がった野心家のオルシーニをタイロン・パワーが演じる冒険活劇。美しき貴婦人たちと謀略に生きる男たちのドラマが驚きの結末を引き起こす。妹をも政治の手先に使うチェーザレ役のウェルズはまさにはまり役。
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『暴力の街 The Lawless(83分)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ジョセフ・ロージー
出演:マクドナルド・ケリー、ゲイル・ラッセル、ジョニー・サンズ、ラロ・リオス、リー・パトリック、ジョン・ホイト
ヒスパニックと白人の青年同士のちょっとしたイザコザをきっかけに、隠された嫌悪感が噴出し街を巻き込む暴動に発展。それを追う記者の奮闘を描く。熱にうなされるように暴徒化していく普通の人々のショットが素晴らしく、暴動への反撃の狼煙となる新聞が配られるまでの流れがサスペンスフルな人間ドラマ。
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『黒ばら The Black Rose(121分)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ヘンリー・ハサウェイ
出演:タイロン・パワー、セシル・オーブリー、オーソン・ウェルズ、ジャック・ホーキンス、マイケル・レニー、ハーバート・ロム、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス、フィンレイ・カリー、ボビー・ブレイク、アルフォンソ・ベドヤ
13世紀のイギリス。ノルマン王に反旗を翻して国外逃亡したウォルターは、中国へ向かう隊商に加わるが…。ヘンリー・ハサウェイ監督によるハラハラドキドキの歴史活劇。ヒーロー役にタイロン・パワー、運命の女セシル・オーブリー、そして蒙古兵の大将役にオーソン・ウェルズ。
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『孤独な場所で In a Lonely Place(94分)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ニコラス・レイ
出演:グロリア・グレアム、ハンフリー・ボガート、アート・スミス、マーサ・スチュワート、カール・ベントン・リード
「彼女が私にキスした時、私は生まれ、彼女が去った時、私は死んだ。」殺人容疑をかけられた脚本家と彼を助けた女。2人の愛の始まりから破局に至る過程を綴ったニコラス・レイ魂の傑作ノワール。当時、結婚生活が破綻していたレイとグロリアの関係が色濃く滲む悲痛な一本。
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『生まれながらの悪女 Born to Be Bad(90分)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ニコラス・レイ
出演:ジョーン・フォンテイン、ロバート・ライアン、ジョーン・レスリー、メル・ファーラー、ザカリー・スコット
巧妙な手口と美しさで男たちを手玉に取るジョーン・フォンテイン。富豪を婚約者から奪っただけでなく、肉体関係のある作家もキープしようと…。翻弄される男にザカリー・スコットとロバート・ライアン。ニコラス・レイによる、ユーモアとノワールとメロドラマが渾然一体となった不思議な魅力の一作。
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『危険な場所で On Dangerous Ground(82分)』
- 上映スケジュール
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公開:1951年
監督:ニコラス・レイ
出演:ロバート・ライアン、アイダ・ルピノ、ウォード・ボンド、エド・ベグリー、クレオ・ムーア
強引な捜査のせいで雪国に飛ばされた刑事が少女殺しを追う。脚本が大幅に変更され、製作者や脚本家にも疎まれた呪われたフィルムにもかかわらず、映像と音楽の美しさ、都会で荒んだ男と孤独な女の宿命的な恋の切なさによって、観る者の心に長く残る名作となった。
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『ラケット The Racket(88分)』
- 上映スケジュール
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公開:1951年
監督:ジョン・クロムウェル、ニコラス・レイ(ノン・クレジット)他
出演:ロバート・ミッチャム、リザベス・スコット、ロバート・ライアン、ウィリアム・タルマン、レイ・コリンズ、ジョイス・マッケンジー、ロバート・ハットン
幼馴染の二人がギャング(ロバート・ライアン)と警部(ロバート・ミッチャム)として対決する。腐敗した市政と無法化した街を舞台に描かれた『暴力団』(1928)の現代的なリメイク。途中からニコラス・レイが加わって完成したという。正気を失っていくライアンがはまり役だが、『ヒッチハイカー』で恐怖のヒッチハイカーを演じたウィリアム・タルマンの警官役も渋い。
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『太平洋航空作戦 Flying Leathernecks(99分)』
- 上映スケジュール
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公開:1951年
監督:ニコラス・レイ
出演:ジョン・ウェイン、ロバート・ライアン、ドン・テイラー、ジェイ・C・フリッペン、ジャニス・カーター
1942年のガダルカナル島での日本軍との戦いを描く。優秀だが非情な少佐にジョン・ウェイン、彼のやり方に反感を持つ副官をロバート・ライアンが演じる。“レザーネック”と呼ばれていた米国海兵隊戦闘機中隊の協力の下、実録映像と撮影映像を編集して作り上げている。また、ハワード・ヒューズが出資したことでも知られている。
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『不審者 The Prowler(92分)』
- 上映スケジュール
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公開:1951年
監督:ジョセフ・ロージー
出演:イヴリン・キース、ヴァン・ヘフリン、ジョン・マクスウェル、キャサリン・ウォーレン、エマーソン・トリーシー、マッジ・ブレイク、ウィートン・チャンバース、ロバート・オステルロッホ、シェリー・ホール、ルイーズ・ロリマー
人妻による深夜の不審者通報から始まるジェットコースター・ノワール。人格破綻者の悪徳警官に運命を狂わされた人妻が辿りついた果ての光景に驚愕必死。ジョセフ・ロージー初期の傑作であり、“赤狩り”で映画界から干されたダルトン・トランボがノン・クレジットで脚本を担当している。
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『M(89分)』
- 上映スケジュール
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公開:1951年
監督:ジョセフ・ロージー
出演:デヴィッド・ウェイン、ハワード・ダ・シルヴァ、マーティン・ガベル、ルーサー・アドラー、スティーヴ・ブロディ、レイモンド・バー、グレン・アンダース、ノーマン・ロイド、ウォルター・バーク、ジョン・ミルジャン、ロイ・エンゲル
ナチスの足音が聞こえるベルリンでの幼女連続殺人を描いたラング版を、ロージーがLAを舞台に忠実にリメイク。犯人役にピーター・ローレのような強烈な個性はないが、普通に見える人間が抱える異常性が恐怖を煽る。坂や有名なブラッドベリービルを活かしたアーネスト・ラズロの撮影がスタイリッシュ。
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『ラスティ・メン The Lusty Men(108分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:ニコラス・レイ
出演:スーザン・ヘイワード、ロバート・ミッチャム、アーサー・ケネディ、アーサー・ハニカット、フランク・フェイレン
元ロデオ・チャンピオンのロバート・ミッチャムが引退後にやってきた牧場。そこには野心家のアーサー・ケネディと妻・スーザン・ヘイワードがいて…。フロンティアが失われた西部で、ロデオという見世物によってヒーローになろうとする男たちと妻たちの物語。ミッチャムが最高の演技を見せる傑作であり、クロエ・ジャオ『ザ・ライダー』へと繋がるアメリカの魂の映画。
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『オセロ The Tragedy of Othello:The Moor of Venice(90分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、マイケル・マクラマー、ロバート・クート、シュザンヌ・クルーティエ、フェイ・コンプトン、ドリス・ダウリング、マイケル・ローレンス
アメリカを追われたウェルズが、4年かけてモロッコで撮影。オセロの黒とデズデモーナの白の対比が強調された鮮烈なモノクロ映像と、完ぺきな構図に息を飲む傑作。ウェルズの役者魂を注ぎ込んだ、カンヌグランプリ受賞作。
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『拳銃を売る男 Imbarco a Mezzanotte(81分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:ジョセフ・ロージー
出演:ポール・ムニ、ジョーン・ロリング、ヴィトリオ・マヌンタ、ルイザ・ロッシ、アルド・シルヴァーニ、アルノルド・フォア、アルフレッド・ヴァレッリ、エレナ・マンソン
何もかもを失った男が、空腹のあまり無銭飲食をしたあげく女店主を殺してしまう。警察に追われる中、牛乳泥棒の少年と出会い共に逃げるが…。ロージー亡命後初の作品で、明らかにネオレアリズモ的な語り口の作品。主演のポール・ムニと撮影のアンリ・アルカンが素晴らしい。資金源のファシストとコミュニストが混在する撮影現場は混乱したという逸話がある。
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