近日上映予定
役を生きる 女優・渡辺美佐子
2022/02/05 ~ 2022/02/25
渡辺美佐子
1932年、東京生まれ。実践女子学園高等学校卒業後に俳優座養成所を経て劇団新人会に入る。初舞台はブレヒトの『家庭教師』。82年初演の井上ひさし作の一人芝居『化粧』はライフワークになり、全国のみならずフランス、アメリカなど海外公演も行われ、83年には芸術選奨文部大臣賞を受賞した。
映画デビューは53年『ひめゆりの塔』。その後に日活と契約し、様々な作品で印象的な役柄を演じた。鈴木清順、今村昌平、加藤泰などの作品にも出演、58年『果しなき欲望』でブルーリボン助演女優賞を受賞した。また、テレビドラマでも活躍した。
太平洋戦争で被災した子供たちの手記を朗読する女優たちによる公演「夏の会」のメンバーであるが、会は2019年夏公演を最後に活動を終了した。また『ひとり旅一人芝居』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。
上映予定作品一覧(全21本)
『青い乳房』
『破れかぶれ』
『野獣の青春』
『アリバイ』
『競輪上人行状記』
『人間に賭けるな』
『肉体の密輸』
『第三の死角』
『絞首台の下』
『大出世物語』
『人間狩り』
『東京アンタッチャブル』
『解散式』
『逆光線』
『哀愁の園』
『女子寮祭』
『十代の罠』
『果しなき欲望』
『「十三号待避線」より その護送車を狙え』
『真田風雲録』
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『殺したのは誰だ(91分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1957年
監督:中平康
出演:菅井一郎、山根寿子、殿山泰司、小林旭、西村晃、青山恭二、渡辺美佐子、筑波久子、清水将夫、高野由美、武藤章生、浜村純、相原巨典、大森義夫
貧乏ゆえ交通事故の保険金詐欺に加担した菅井一郎だが、小心者でうまくいかない。キャバレー勤めの娘・渡辺美佐子と息子の小林旭も荒れ…。札束で詐欺に加担させる西村晃と、その犠牲になる殿山泰司の凄みを観よ!中平のキレキレの演出と姫田のカメラ、伊福部の音楽が最高な日活ノワール。
©日活
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『青い乳房(90分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1958年
監督:鈴木清順
出演:小林旭、稲垣美穂子、渡辺美佐子、二谷英明、高友子、小沢昭一、野呂圭介
『踏みはずした春』に続く、清順の日活無軌道青春映画第二弾。若き小林旭の焦燥や苛立ちが物語をグルーブさせる。小林の継母で妖艶な渡辺美佐子、誠実な二谷英明、曲者の小沢昭一など脇も素晴らしい。後の清順を思わせるカット割りが斬新。
©日活
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『破れかぶれ(68分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:藏原惟繕
出演:川地民夫、郷鍈治、渡辺美佐子、内藤武敏、和田悦子、深江章喜、江幡高志、山田禅二、伊藤寿章、萩四郎、市村博、福田トヨ、田中筆子、河上信夫、久松晃、須藤孝
チンピラの川地はバーのマダム・渡辺と暮らしていた。ボスの金を使いこみ追い詰められた川地は、代わりに借りたバイクを渡すが…。外国に行くことを夢見ながら刹那的に生きるチンピラと、彼に惚れて尽くす年上の女の物語を蔵原惟繕が描く。
©日活
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『野獣の青春(92分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:鈴木清順
出演:宍戸錠、渡辺美佐子、川地民夫、金子信雄、小林昭二、江角英明、木島一郎、鈴木瑞穂
警官とコールガールの無理心中が起きる。そんなとき現れた宍戸錠は、街で対立する2つのギャング団に取り入り…。モノクロからカラーへの変化、原色のセット、マジックミラー越しや透明な床下からのショットなど清順美学が開花した傑作。ギャングのボス・小林昭二と川地民生の変態ブラザーズのキャラが立っており、特に小林が情婦を鞭打ちするシーンがヤバい。悪女・渡辺の最期も凄い清順版ハードボイルド。
©日活
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『アリバイ(92分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:牛原陽一
出演:二谷英明、小高雄二、渡辺美佐子、宮口精二、郷鍈治、鈴木瑞穂、高品格、松下達夫、下元勉、上野山功一、武智豊子、安田千永子、木浦佑三、堀恭子
米軍から盗まれた銃で電機会社の社員が殺され…。二谷英明と宮口精二の刑事コンビの犯罪捜査をドキュメンタリータッチで描く警視庁全面協力作。冒頭のパトカーの車載カメラ映像、60年代の盛り場ロケがスタイリッシュで、事件のカギを握る女・渡辺の着物にサングラス姿がキマッている。刑事ドラマの傑作!
©日活
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『競輪上人行状記(99分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:西村昭五郎
出演:小沢昭一、伊藤アイコ、南田洋子、加藤嘉、渡辺美佐子、高原駿雄、高橋昌也
犬の葬式と肉の転売で稼ぐ実家の寺を継いだ世間知らずの中学教師・小沢昭一が、悲惨な現実から逃避するように競輪にハマったあげく辿りついた境地とは!? 救いのない人間の業と底なしの無常観、そこからの力業の反転が観る者を圧倒する西村昭五郎の処女作にして最高傑作。
©日活
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『人間に賭けるな(84分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1964年
監督:前田満州夫
出演:渡辺美佐子、川地民夫、藤村有弘、上月左知子、結城美栄子、二本柳寛、上月左知子、木浦佑三、河上信夫、糸賀靖雄、須田喜久代、上野山功一、岩手征四郎、吉田毅
組長の妻と姪が競輪選手を挟んで繰り広げる三角関係に、ギャンブル依存のサラリーマンが絡む人間ドラマ。惚れた男に地獄の底まで賭け続ける渡辺美佐子が圧巻。カッコいい構図と緊張感溢れる演出による傑作であり、ミステリアスな渡辺に魅せられるサラリーマンを演じた藤村有弘の代表作でもある。
©日活
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『肉体の密輸(77分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1956年
監督:阿部豊
出演:水島道太郎、渡辺美佐子、美多川光子、二本柳寛、河野秋武、三崎千恵子、山岡久乃、近藤宏、佐野浅夫、松下達夫
外国船から若い女の暴行死体が発見され、国際的売春組織の存在が浮かびあがる。そんなとき、外国船に物資を運ぶ小船の船長の一人娘・渡辺が帰ってくるが…。風来坊の水島道太郎と共に生き生きと働く渡辺。その哀しい過去が明かされるシーンに胸が痛む。セミドキュメンタリー・タッチで描かれる横浜の裏の顔に、恋愛を絡ませた一本。
©日活
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『第三の死角(96分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1959年
監督:蔵原惟繕
出演:葉山良二、長門裕之、稲垣美穂子、東野英治郎、渡辺美佐子、森雅之、芦田伸介、深江章喜
かつての同級生二人が会社乗っ取りを巡って攻防を繰り広げる。経済成長の真っただ中、道具のように人を利用する企業社会の酷薄さが胸に突き刺さる。シャープなモノクロ映像、大胆なカメラワークで企業犯罪をドライに描くクライム・サスペンスの佳作。出世欲に目が眩んだ長門の子を妊娠した渡辺の運命が哀しい。
©日活
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『絞首台の下(91分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1959年
監督:西河克己
出演:長門裕之、稲垣美穂子、清水まゆみ、渡辺美佐子、芦田伸介、永井智雄、赤木圭一郎、内藤武敏、信欣三、高品格、木浦佑三、松本染升、楠侑子、深水吉衛、加原武門、浜村純、河野弘、山之辺潤、鴨田喜由
行方不明になった許婚が刑務所にいることを知った女性は、記者の長門と助手の渡辺から事件について聞く。数日後、許婚の男は脱獄し姿を消すが…。長門と渡辺が真相究明に身体を張る推理サスペンス。リケジョでバイリンガルで泳ぎも得意な渡辺がスマートで最高!
©日活
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『大出世物語(65分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:阿部豊
出演:小沢昭一、吉永小百合、浜田光昿、渡辺美佐子、高原駿雄、山田禅二、神山勝、木島一郎、河上信夫、浜村純、紀原耕
高度経済成長途上の昭和36年。やもめの小沢昭一は娘と息子3人の5人暮らしを印刷会社の屑拾いで支えてきた。無遅刻無欠席で誠実な小沢は社長や社員に好かれているが、会社が不渡りを出し…。キャプラを思わせる温かい人情喜劇。娘役の吉永小百合の明るさも際立つが、歩くデパート女社長こと闇屋の渡辺の存在感が素晴らしい。
©日活
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『人間狩り(89分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1962年
監督:松尾昭典
出演:長門裕之、小沢栄太郎、渡辺美佐子、大坂志郎、中原早苗、北林谷栄、伊藤孝雄
悪人を憎む余り過剰取り調べも辞さない刑事が、時効目前の殺人犯を追い詰めるが…。長門裕之演じる刑事の葛藤を通して本当の悪とは何かを問う傑作人間ドラマ。罪を逃れる術にたけた常習犯罪者役に小沢栄太郎。長門と恋人・渡辺の関係も気になる一本。
©日活
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『東京アンタッチャブル(93分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1962年
監督:村山新治
出演:三國連太郎、高倉健、渡辺美佐子、三田佳子、丹波哲郎、筑波久子、織本順吉、滝川潤、潮健児、滝謙太郎、須藤健、関山耕司、小笠原慶、 浜田格、加藤嘉、伊澤一郎 、北山達也、豊野弥八郎、愛川かおる、相原昇三郎
宝石強盗で三國連太郎に逮捕された丹波哲郎が脱獄。第二の事件が起こり三國は部下の高倉健と共に後を追うが…。追い詰められた丹波が健さんの恋人・三田佳子を人質に取るクライマックスがスリリング。丹波の情夫・渡辺と三國のラブシーンや、階段を活かした演出が冴える。村山監督のセンスが光る一本。
©東映
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『解散式(92分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1967年
監督:深作欣二
出演:鶴田浩二、渡辺美佐子、丹波哲郎、宮園純子、渡辺文雄、小宮康弘、大辻伺郎、桑山正一、 内田朝雄、小松方正、金子信雄 、市川好郎
1967年、コンビナートとバラックが隣合う東京湾の埋立地。組が解散した2年後に出所した鶴田は養鶏場で働く内縁の妻・渡辺と再会する。かつての兄弟分の渡辺文雄と小松方正がコンビナートの利権を狙い、養鶏場も地上げされるが…。深作による任侠映画で、クールな演出と豪華なキャストが素晴らしい。
©東映
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『逆光線(91分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1956年
監督:古川卓巳
出演:北原三枝、渡辺美佐子、香月美奈子、木室郁子、泉桂子、安井昌二、青山恭二、須藤孝、杉幸彦、中原敬七、二本柳寛、高野由美、田中正憲、紅沢葉子、信欣三、金子信雄、須田喜久代、谷和子、大森暁美、重盛輝江、谷川玲子、林茂朗、谷川徹三
「愛のない貞節は無意味」を信条とし、勉強やボランティアに精を出す一方、家庭教師先の父親を誘惑する女子大生の生き方を描く。肉食系女子・北原三枝に恋人を奪われる友人役・渡辺が印象的。女版太陽族映画と称されるが、そのクールさにおいて元祖をはるかに凌駕する一本。
©日活
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『哀愁の園(80分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1957年
監督:吉村廉
出演:南田洋子、芦川いづみ、葉山良二、清水将夫、渡辺美佐子、内藤武敏、高野由美、相原巨典、下條正巳、天本英世、鈴木三右衛門
日東毛織を辞め郷里に帰ることにした葉山良二。そんなとき、葉山の恋人・南田洋子の父が、日毛の副社長と愛人・渡辺美佐子の乗った車にはねられる。病院に駆け付けた南田の美貌に目を付ける女好きの副社長。一方の渡辺は葉山に惚れているが冷たくされ…。典型的なメロドラマだが、悪女役の渡辺の演技が光る!
©日活
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『女子寮祭(82分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1957年
監督:斎藤武市
出演:轟夕起子、渡辺美佐子、高田敏江、安井昌二、青山恭二、三島耕、桂典子、木室郁子、千葉麗子、谷和子、宮地正美、泉桂子、清水千代子、堤知子、稲垣美穂子、田中筆子
女子大の白百合寮の新しい寮監・轟夕起子の厳しい規則に反発する学生たち。中でも頑強に反抗し放らつな日々を過す渡辺美佐子に手を焼く轟だったが…。優秀なお嬢様の渡辺がグレた原因と、轟との思いがけない関係が徐々に明らかになる。渡辺と対照的な苦学生を配置する演出も冴えている。
©日活
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『十代の罠(86分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1957年
監督:野口博志
出演:長門裕之、大坂志郎、渡辺美佐子、植村謙二郎、香月美奈子、杉幸彦、沢本忠雄、武藤章生、千葉麗子、月玲子、高品格、美川洋一郎、山田禅二
高校生の心中事件が起きた。男生徒の教師・大坂志郎が原因を探るうち、女生徒の教師・渡辺から女生徒が何かにおびえていたという話を聞く。大坂は不良グループに近づき、ある事実を知るが…。辞職してまで真実を追う教師を大坂が熱演。渡辺の教師役も似合っている。
©日活
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『果しなき欲望(100分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1958年
監督:今村昌平
出演:長門裕之、中原早苗、渡辺美佐子、西村晃、小沢昭一、加藤武、菅井一郎、殿山泰司、柳沢真一
高戦時中に埋めた大量のモルヒネを掘り出すため集まった五人の男女。ところが埋蔵場所は商店街の肉屋になっていて…。取り壊しが迫る商店街、仲間を出し抜こうとする奴ら、そして謎の女の正体は!? コメディ要素も満載の今村昌平によるケイパーものの傑作。
©日活
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『「十三号待避線」より その護送車を狙え(79分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:鈴木清順
出演:水島道太郎、渡辺美佐子、小沢昭一、白木マリ、芦田伸介、内田良平、安部徹
何者かに護送車が襲われ、囚人2人が殺されて犯人は逃亡。刑務官・水島道太郎が事件の謎を追うが…。50年代の東京、ラストの線路上の銃撃戦が超カッコいい。ストリッパーを斡旋する組を切り盛りする渡辺美佐子のクールビューティーぶりは見もの。日本のフィルム・ノワールを堪能できる一作。
©日活
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『真田風雲録(100分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:加藤泰
出演:中村錦之助、渡辺美佐子、ジェリー藤尾、ミッキー・カーチス、河原崎長一郎、常田富士男、米倉斉加年、春日俊二、大前鈞、岡村春彦、千秋実
隕石の放射能を浴びて不思議な力を持つようになった浮浪児の佐助が、戦国の世で大暴れ!大阪城を舞台に、忍者同士の合戦を軽快なユーモアで綴る和製ミュージカル・コメディ。加藤泰はこの作品からローアングルに加えフィックスの画面を多用するようになる。渡辺は真田十勇士の一人、お霧こと霧隠才蔵を演じる。
©東映
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アクセス
〒150-0044
東京都渋谷区円山町1‐5
KINOHAUS(キノハウス) 4F
03-3461-7703
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