近日上映予定
オーソン・ウェルズ特集
2019/02/23 ~ 2019/03/08
オーソン・ウェルズ Orson Welles(1915年5月6日 - 1985年10月10日)
ウィスコンシン州生まれ。幸福とはいえない子供時代を送ったのち、16歳でアイルランドの劇場で脇役として舞台デビュー。1934年に帰国し、21歳で19世紀ハイチを舞台とした『マクベス』を演出して注目され、労働者の戦いを描くミュージカル『ゆりかごは揺れる』で成功を収めたのち、劇団「マーキュリー劇場」を主宰。実験的な公演を行って高く評価された。
ラジオ番組にも進出。1938年にH.G.ウェルズの『宇宙戦争』をドキュメンタリー形式で放映し、本物のニュースと間違われパニックを引き起こした。事件の話題性を買ったRKOがウェルズをハリウッドに招いた。初監督作『市民ケーン』は、新聞王ハーストの人間性を暴く内容が物議を醸して新聞による全面攻撃を受け、興行的には惨敗。しかし天才ウェルズの才能が遺憾なく発揮された傑作であり、今もオールタイム・ベストの常連であり続けている。
一方でハリウッドでの発言力は低下。企画がなかなか実現できず、テレビなどに拠点を移すかたわら、個性的俳優として活躍するようになる。その際も、自分の台詞は自分で書いたといわれ、中でも『第三の男』で演じたハリー・ライムの名台詞は有名。映画製作への情熱は生涯失わなかったが、製作費捻出のためB級映画への出演を続けてやりくりしていた。1985年、ハリウッドの自宅で糖尿病と心臓発作のため70歳で死去した。
※全作品デジタル上映です。
上映予定作品一覧(全14本)
『市民ケーン』
『偉大なるアンバーソン家の人々』
『恐怖への旅』
『ジェーン・エア』
『離愁』
『謎のストレンジャー』
『上海から来た女』
『マクベス』
『第三の男』
『黒魔術』
『狐の王子』
『黒ばら』
『オセロ』
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『ジョンソンにはうんざり Too Much Johnson』
- 上映スケジュール
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公開:1938年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:ジョセフ・コットン、ヴァージニア・ニコルソン、エドガー・バリア、アルレーン・フランシス
間男のジョセフ・コットンと寝取られ夫がニューヨーク中を追っかけっこするサイレント映画。演劇と組み合わせて上映するため撮影したものの、未編集のまま放置されていたフィルムが2013年に発見された。ウェルズ初の映像作品という意味で重要。
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『市民ケーン Citizen Kane』
- 上映スケジュール
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公開:1941年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン、ドロシー・カミンゴア、エヴェレット・スローン、アグネス・ムーアヘッド、ルース・ウォリック
新聞王ケーンの死に際の言葉「薔薇の蕾」の謎をさぐるうち、人々に忌み嫌われ恐れられた男の孤独な生涯が浮かび上がる。オーソン・ウェルズが製作、監督、脚本、主演を手がけた処女作で、撮影・構成・音響などあらゆる面で技術革新をもたらした。現在では映画史上屈指の傑作とされる本作だが、公開時にはケーンのモデルである新聞王ハーストの妨害に遭い、興行的には大失敗であった。
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『偉大なるアンバーソン家の人々 The Magnificent Ambersons』
- 上映スケジュール
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公開:1942年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:ティム・ホルト、ジョゼフ・コットン、ドロレス・コステロ、アグネス・ムーアヘッド、アン・バクスター
古き良き時代の貴族的な名門一家が時代の波に飲み込まれ没落していく悲劇を、明暗を強調した映像と見事な長回しで表現。スタジオ側の意向で40分も短くされ、ラストも変えられたにも関わらず、その芸術性は色あせることはない。若きウェルズによる傑作!
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『恐怖への旅 Journey into Fear』
- 上映スケジュール
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公開:1942年
監督:ノーマン・フォスター
出演:オーソン・ウェルズ、ドロレス・デル・リオ、ジョセフ・コットン、ルース・ウォリック、エヴェレット・スローン、ジャック・モス、アグネス・ムーアヘッド
第2次世界大戦下のトルコで、軍事兵器会社のアメリカ人エンジニアがナチスから命を狙われる。オープニングのアパートの場面、ホテルの窓外での追跡劇など迫真のショット満載。ウェルズがRKOと揉めて演出を降り、製作と出演、脚本を担当したジョセフ・コットンの補助に回ったという作品だが、その素晴らしい緊張感はウェルズそのもの!
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『ジェーン・エア Jane Eyre』
- 上映スケジュール
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公開:1943年
監督:ロバート・スティーヴンソン
出演:ジェーン・フォンテイン、オーソン・ウェルズ、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラー、アグネス・ムーアヘッド
家庭教師として雇われた孤児院育ちのジェーンは、邸の主人・ロチェスターと運命の出逢いをするが…。『ジェーン・エア』の三度目の映画化。表面的な偏屈さの下に繊細な心を隠したロチェスター役のウェルズは、まさに適役。エリザベス・テイラー演じるジェーンの親友・ヘレンの哀しいエピソードも忘れ難い。
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『離愁 Tomorrow is Forever』
- 上映スケジュール
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公開:1946年
監督:アーヴィング・ピシェル
出演:オーソン・ウェルズ、クローデット・コルベール、ナタリー・ウッド、ジョージ・ブレント、ルシル・ワトソン、リチャード・ロング
負傷により顔が変わり別人として生きてきた夫・オーソン・ウェルズと、夫を愛しながら新たな家庭を築いた妻クローデット・コルベール。第一次大戦に翻弄された夫婦の20年に渡る愛の彷徨を描いたメロドラマで、やがて次の世代も戦争に巻き込まれていくという展開に。メロドラマらしからぬウェルズの格調高い演技と驚愕のラストに注目!
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『謎のストレンジャー The Stranger』
- 上映スケジュール
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公開:1946年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、エドワード・G・ロビンソン、ビリー・ハウス、ロレッタ・ヤング、フィリップ・メリヴェイル
ナチの残党を追う戦犯聴聞会は、元収容所所長を餌に収容所の考案者・キンドラをおびき出そうとする。別人として小さな町で生活するキンドラは、その企てに気づき…。キンドラが元収容所所長と再会し殺害するまでの4分を越えるワンシーン・ワンカット撮影は圧巻。
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『上海から来た女 The Lady from Shanghai』
- 上映スケジュール
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公開:1947年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:リタ・ヘイワース、オーソン・ウェルズ、エヴェレット・スローン、グレン・アンダース、テッド・デ・コルシア
オーソン・ウェルズの当時の妻リタ・ヘイワースがファム・ファタールを演じた伝説のフィルム・ノワール。1時間もカットされたため展開には無理があるものの、ギラギラした異様なテンション、何度も模倣されることになった遊園地の鏡シーンなどの魔術的な映像世界は他の追随を許さない。
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『マクベス Macbeth』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、ジャネット・ノーラン、ダン・オハーリヒー、ロディ・マクドウォール、エドガー・バリア、アラン・ネイピア、アースキン・サンフォード
製作・監督・脚本を手がけたオーソン・ウェルズ独自の解釈によるマクベス。おどろおどろしい雰囲気と、紙の王冠を付け毛皮を纏ったマクベス=ウェルズの鬼気迫る演技が見もの。ヌーヴェルヴァーグの批評家たちが絶賛し再評価された作品。
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『第三の男 The Third Man』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:キャロル・リード
出演:ジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、トレヴァー・ハワード、バーナード・リー、ジェフリー・キーン、エルンスト・ドイッチュ
第二次大戦後のウィーンを訪れた米国人(ジョセフ・コットン)は友人(オーソン・ウェルズ)の死を知り…。犯人捜しを通じてウィーンの暗黒面を浮き彫りにするグレアム・グリーン原作のフィルム・ノワール。光と影、戦争の傷跡、観覧車、去っていく女。カンヌでグランプリを受賞した名作中の名作。
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『黒魔術 Black Magic』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:グレゴリー・ラトフ
出演:オーソン・ウェルズ、ナンシー・ギルド、エイキム・タミロフ、フランク・ラティモア、ヴァレンティナ・コルテーゼ
ジプシーの少年は長じてカリオストロ侯爵を名のり、メスマーから学んだ催眠術を利用してヨーロッパ希代の詐欺師となる。さらに、マリー・アントワネットに瓜二つの少女を利用して、権力を握ろうと企て…。オーソン・ウェルズがノンクレジットで共同監督を務め自ら主役を演じた、カリオストロ栄枯盛衰の物語。
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『狐の王子 Prince of Foxes』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:ヘンリー・キング
出演:タイロン・パワー、ワンダ・ヘンドリックス、オーソン・ウェルズ、マリナ・ベルティ、エヴェレット・スローン、カティーナ・パクシヌー、レオ・G・キャロル
勢力拡大を謀るチェーザレ・ボルジアは、冷酷で賢い“狐の王子”のようなオルシーニをヴィラノ公の城に遣わすが…。底辺からのし上がった野心家のオルシーニをタイロン・パワーが演じる冒険活劇。美しき貴婦人たちと謀略に生きる男たちのドラマが驚きの結末を引き起こす。妹ルクレツィアをも政治の手先に使うチェーザレ役のウェルズはまさにはまり役。
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『黒ばら The Black Rose』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ヘンリー・ハサウェイ
出演:タイロン・パワー、セシル・オーブリー、オーソン・ウェルズ、ジャック・ホーキンス、マイケル・レニー、ハーバート・ロム、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス、フィンレイ・カリー、ボビー・ブレイク、アルフォンソ・ベドヤ
13世紀のイギリス。ノルマン王に反旗を翻して国外逃亡したウォルターは、中国へ向かう隊商に加わるが…。ヘンリー・ハサウェイ監督によるハラハラドキドキの歴史活劇。ヒーロー役にタイロン・パワー、運命の女にセシル・オーブリー、そして蒙古兵の大将役にオーソン・ウェルズ。
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『オセロ The Tragedy of Othello:The Moor of Venice』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、マイケル・マクラマー、ロバート・クート、シュザンヌ・クルーティエ、フェイ・コンプトン、ドリス・ダウリング、マイケル・ローレンス
アメリカを追われたウェルズが、4年かけてモロッコで撮影。オセロの黒とデズデモーナの白の対比が強調された鮮烈なモノクロ映像と、完ぺきな構図に息を飲む傑作。ウェルズの役者魂を注ぎ込んだ、カンヌグランプリ受賞作。
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