近日上映予定
ATGの光芒
2011/07/02 ~ 2011/07/22
70年代を駆け抜けた数々の問題作を上映。『原子力戦争 Lost Love』も上映します!
上映予定作品一覧(全18本)
『曽根崎心中』
『心中天網島 (R-18指定)』
『書を捨てよ町へ出よう』
『哥 (R-18指定)』
『夏の妹』
『股旅』
『竜馬暗殺』
『田園に死す』
『吶喊』
『本陣殺人事件』
『祭りの準備』
『変奏曲』
『任侠外伝 玄界灘』
『聖母観音大菩薩 (R-18指定)』
『サード』
『海潮音』
『風の歌を聴け』
-
『原子力戦争 Lost Love』
- 上映スケジュール
-
公開:1978年
監督:黒木和雄
出演:原田芳雄、山口小夜子、風吹ジュン、佐藤慶、岡田英次、石山雄大、浜村純、戸浦六宏、和田周
原発を抱えた東北のある港町での心中事件をきっかけに、次々と不審な出来事が起こる。真相を追う新聞記者の野上は事件の裏に原発の存在があることを嗅ぎ付けるが、いたるところから邪魔が入り…。地元の娘や原発の技師、警察、ヤクザも巻き込んで展開する原発事故を巡るミステリー。田原総一郎原作の映画化であり、撮影されたのは福島原発だという。
-
『曽根崎心中』
- 上映スケジュール
-
公開:1978年
監督:増村保造
出演:梶芽衣子:宇崎竜童:井川比佐志、左幸子、橋本功、木村元、灰地順、目黒幸子、青木和代、大西加代子、渡部真美子、野崎明美、千葉裕子、大島久美子、加藤茂雄、伊庭隆、山本廉、伊藤正博、麻生亮、弾忠司、飯塚和也
醤油屋の手代・徳兵衛と遊女・お初の心中にいたる悲恋を描いた有名な近松の原作を、舞台がかった大仰な台詞まわしと過剰な演技という増村ならではの演出で、見事に蘇らせた傑作!朝靄の中、手を取り合って血まみれで息絶えた二人の姿は、恋を貫いたカタルシスに満ちている。あの世であっても結ばれてみせるという覚悟を表すような梶芽衣子の視線の強度、橋本功の徹底的な悪役ぶりを見よ!
-
『心中天網島 (R-18指定)』
- 上映スケジュール
-
公開:1969年
監督:篠田正浩
出演:岩下志麻、中村吉右衛門、小松方正、滝田裕介、藤原釜足、加藤嘉、河原崎しづ江、左時枝、日高澄子、浜村純
女房・おさんからの懇願で、治兵衛との心中の約束を違えた女郎・小春。小春は一人で死ぬに違いないと思った治兵衛は苦悶し、おさんと二人で身請けの金を用意するのだが…。舞台裏のようなセットを走り回る黒子、脚本の富岡多恵子と監督が映画について話す声をかぶせる冒頭シーンなど、斬新な演出が光る。第一線の芸術家たちをスタッフに迎えた、監督自身も最高傑作のひとつと自負する一作。
-
『書を捨てよ町へ出よう』
- 上映スケジュール
-
公開:1971年
監督:寺山修司
出演:佐々木英明、平泉征、斎藤正治、丸山明宏、新高恵子、浅川マキ、鈴木いづみ、川村郁、クニ河内 、蘭妖子、桂千穂、天井桟敷、東京キッド・ブラザーズ
寺山修司長編映画デビュー作。高校生・北村の性への嫌悪や大人への反抗を、現実と夢想が入り混じったコラージュのような形式で描く。役者が観客に向かって「映画の中には何もないんだよ!」と叫ぶ冒頭シーンからも判るように、商業映画への批判と映画の虚構性への告発に満ちた、70年代カウンター・カルチャーの金字塔。美輪明宏が娼婦“毛皮のマリー”を演じる娼館の美術や、歌謡曲、ジャズ、ロック、フォークが入り乱れる音楽が印象的。
-
『哥 (R-18指定)』
- 上映スケジュール
-
公開:1972年
監督:実相寺昭雄
出演:篠田三郎、岸田森、八並映子、田村亮、桜井浩子、嵐寛寿郎、毛利菊枝、東野孝彦、荒木雅子
地方の大地主・森山家の3人の息子たちのうち、山林を売ろうとする弁護士の長男と遊び人の次男に対し、実の母が召使である三男の淳だけは家を存続させようとするのだが…。滅んでいく地方の旧家の姿を通して、戦後の変わりゆく日本を浮き彫りにする『無常』『曼陀羅』に続く実相寺監督の観念的3部作完結編。長男の康を演じる岸田森の怪演が光る。
-
『夏の妹』
- 上映スケジュール
-
公開:1972年
監督:大島渚
出演:栗田ひろみ、小松方正、りりィ、小山明子、石橋正次、佐藤慶、殿山泰司、戸浦六宏
生き別れた兄・鶴男を探すため、本土復帰にわく沖縄を訪れた少女・素直子の一夏の経験を描く。父の許嫁と鶴男、父と鶴男の母の複雑に絡まり合う関係から、戦中戦後史を貫く沖縄と本土の愛と憎しみと怨念の歴史が浮彫りになる。本作品後、大島渚は創造社を解散し国際的な映画製作へと向かうことになる。
-
『股旅』
- 上映スケジュール
-
公開:1973年
監督:市川崑
出演:萩原健一、小倉一郎、尾藤イサオ、井上れい子、常田富士男、夏木章、伊藤修一、吉田精一、加藤嘉
貧しい百姓暮らしを嫌い、ヤクザの世界で名を売ろうとする三人の股旅者の姿を描く。現代口調で話す主人公たちや不条理な展開が笑いを誘う、市川崑監督らしい異色のアウトロー青春時代劇。社会の底辺で無様にもがく3人の姿に、70年代当時の閉塞した時代と若者像が反映されている。見事なロケーション撮影と素晴らしい美術が見所。
-
『竜馬暗殺』
- 上映スケジュール
-
公開:1974年
監督:黒木和雄
出演:原田芳雄、石橋蓮司、中川梨絵、松田優作、桃井かおり、粟津號、野呂圭介、田村亮、外波山文明、山谷初男、天坊準、田中春男
攘夷派にも勤皇派にも命を狙われる竜馬は、とある土蔵に身を隠すが、次々に刺客が現れ…。革命を夢見た幕末の志士たちによる抗争や内紛を、74年当時の学生運動の動向と重ねながら描いた青春群像劇。出演陣のぎらついた顔つき、16ミリからブロウアップされたモノクロ画面、松村偵三による乾いた劇伴が最高にカッコイイ!
-
『田園に死す』
- 上映スケジュール
-
公開:1974年
監督:寺山修司
出演:菅貫太郎、高野浩幸、八千草薫、斎藤正治、春川ますみ、新高恵子、三上寛、原泉、蘭妖子、木村功、原田芳雄、粟津潔
寺山修司自身の少年時代にフォーカスを当てた物語の舞台は、外の世界から閉鎖されたような青森の北端。少年は大人になってなお、母という存在の呪縛、故郷への愛憎から逃れられず、過去に振り戻される。現実なのか空想なのか分からない奇妙な空間で映し出される、少年時代の憧れ、性の目覚めと、サ―カス団の奇人たち。本人によるナレーションも印象的。
-
『吶喊』
- 上映スケジュール
-
公開:1975年
監督:岡本喜八
出演:伊藤敏孝、岡田裕介、高橋悦史、伊佐山ひろ子、千波恵美子、坂本九、岩崎智江、田中邦衛、仲代達矢、木村博人
戊辰戦争最中の奥州。貧乏百姓の千太は童貞を捨てようと旅の女を押し倒すが、官軍の密偵見習・万次郎に奪われてしまう。その後、仙台藩の下級武士・細谷が劣勢を跳ね返さんと組織したゲリラ部隊、名付けてカラス隊に入った千太は…。金が全ての万次郎と好奇心剥き出しの千太という2人の若者が、動乱の世を欲望の赴くままに突っ走る、痛快青春時代劇。千太の「オッモシレー!」の叫びに胸が高鳴る、岡本喜八監督の傑作!
-
『本陣殺人事件』
- 上映スケジュール
-
公開:1975年
監督:高林陽一
出演:中尾彬、田村高廣、新田章、高沢順子、東竜子、伴勇太郎、山本織江、水原ゆう紀、三戸部スエ、小林加奈枝、石山雄大、中村章、花岡秀樹、服部絹子、沖時男、原聖四郎、海老江寛、加賀邦男、東野孝彦、常田富士男、村松英子
一柳家当主の婚礼の夜、新郎新婦が無残な惨殺死体となって発見されるが…。地方の旧家で起こる密室殺人の謎から、人間の心の綾が浮かび上がる。原作の時代設定を戦前から現代に置きかえ、中尾彬の金田一もヒッピー風のGパン姿で登場する。監督の高林陽一の耽美嗜好が冴えわたる、横溝モノの佳作。
-
『祭りの準備』
- 上映スケジュール
-
公開:1975年
監督:黒木和雄
出演:江藤潤、馬渕晴子、ハナ肇、浜村純、竹下景子、原田芳雄、石山雄大、杉本美樹、桂木梨江、三戸部スエ
昭和30年代、小さな町の信用金庫に勤める楯男が、地縁・血縁のしがらみの中でもがき苦しみながらも、夢を追って東京に旅立つまでを描く。脚本家・中島丈博の半自伝的作品。楯男を溺愛する母親を馬渕晴子、父親をハナ肇、憧れのインテリ女性を竹下景子、そして幼馴染のワルを原田芳雄と、豪華な俳優陣の競演による、鬱屈した地方の青春を描いた傑作。
-
『変奏曲』
- 上映スケジュール
-
公開:1976年
監督:中平康
出演:麻生れい子、佐藤亜土、松橋登、パトリシア・ブールドレル、ギイ・デュラン、キャロリーヌ・ガブリエル
1972年のパリ、学生運動の闘士だったかつての恋人と10数年ぶりに再会した女。二人はふたたび燃え上がるが、裏組織の手が男に伸び…。主役を演じるのは、モデルだった麻生れい子とパリ在住の画家・佐藤亜土。二人が繰り広げるアンニュイな会話と、浅井慎平による華麗なヨーロッパの映像がちょっぴりこそばゆい、70年代の香り漂う中平康監督の遺作。
-
『任侠外伝 玄界灘』
- 上映スケジュール
-
公開:1976年
監督:唐十郎
出演:安藤昇、根津甚八、李礼仙、宍戸錠、真山知子、小松方正、天津敏、石橋蓮司、常田富士男、唐十郎
玄界灘の一匹狼・近藤は、今は組の親分となった腐れ縁の友人・沢木から、韓国の女たちを不法入国させ売り飛ばす仕事を請け負っていた。ところが、そんな女たちの一人に近藤の舎弟・田口が惚れ…。唐十郎唯一の劇場映画監督作であり、状況劇場メンバーが総出演している。安藤昇は撮影中に本物の拳銃を使い、唐十郎とともに逮捕されたというエピソードも。
-
『聖母観音大菩薩 (R-18指定)』
- 上映スケジュール
-
公開:1977年
監督:若松孝二
出演:松田英子、佐久田修、浅野温子、蟹江敬三、鹿沼えり、石橋蓮司、殿山泰司、阿部寿美子、北上弥太郎
神社で奉仕の日々を過ごす謎の女。死ねない体を持つという、伝説の八百比丘尼のようなその女は、病や犯罪や民族など様々な問題を抱える男たちに惜しげもなく肉体を捧げながら、自分は死ぬことを望んでいた。生と死を鋭く見つめた若松孝二入魂の一作。若干16歳の浅野温子のヌードも話題になった。
-
『サード』
- 上映スケジュール
-
公開:1978年
監督:東陽一
出演:永島敏行、吉田次昭、森下愛子、志方亜紀子、内藤武敏、峰岸徹、片桐夕子、角間進、穂高稔、市原清彦
野球部の三塁手・サードと数学が得意な IIB、新聞部とテニス部の女子の四人は街を出るための資金稼ぎに売春を始めるが、ヤクザとの傷害事件に巻き込まれたサードが少年院に入れられ…。少年院での少年たちの焦りや苛立ち、そして成長を生き生きと描いた青春映画の秀作。脚本は家出少年の面倒を見ながら劇団を作った寺山修司。永島敏行のデビュー作でもある。
-
『海潮音』
- 上映スケジュール
-
公開:1980年
監督:橋浦方人
出演:荻野目慶子、池部良、浦辺粂子、山口果林、泉谷しげる、上月左知子、烏丸せつこ、近藤宏、ひし美ゆり子、弓恵子
さびれた海沿いの町にたたずむ旧家。町の実力者である主人の理一郎は、妻を亡くした後、娘と実母と静かに暮らしていた。しかし、理一郎が海辺で記憶喪失の女を見つけて同居させたことをきっかけに家族たちの生活は変化し、隠れていた忌まわしい記憶が蘇っていく…。思春期の少女を演じた荻野目慶子は、本作が映画デビュー作。
-
『風の歌を聴け』
- 上映スケジュール
-
公開:1981年
監督:大森一樹
出演:小林薫、真行寺君枝、坂田明、巻上公一、蕭淑美、阿藤海、黒木和雄、古尾谷雅人
故郷に帰省した大学生の僕。馴染みのバーでは、古い友人の鼠が僕を待っていて…。言わずとしれた村上春樹の処女作に、同世代の大森一樹が挑戦したともいえる作品。しゃれた都会的雰囲気の原作に対し、70年代の時代状況を意識した青臭い青春映画になっている。鼠役の巻上公一、マスター役の坂田明、そして小指のない女の子を演じた真行寺君枝が印象的。
新着情報
一覧を見る- 2024/12/28
- 特集「デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ」の上映素材について
- 2024/12/27
- 特集「デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ」記事掲載のお知らせ②
- 2024/12/26
- 特集「デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ」記事掲載のお知らせ①
- 2024/12/20
- 特集「脚本家で観るロマンポルノ」トークショーのお知らせ
- 2024/12/16
- 当館の偽アカウントにご注意ください
- 2024/12/02
- 特集「『酔わせる映画』刊行記念 楽しくて怖い酒映画傑作選」トークショーのお知らせ
- 2024/11/25
- 特集「生誕100年の人々」記事掲載のお知らせ
- 2024/11/25
- 特集「生誕100年の人々」のフィルム状態について
- 2024/11/06
- 「デトレフ・ジールクからダグラス・サークへ」トークショーのお知らせ
アクセス
〒150-0044
東京都渋谷区円山町1‐5
KINOHAUS(キノハウス) 4F
03-3461-7703
東京都渋谷区円山町1‐5
KINOHAUS(キノハウス) 4F
03-3461-7703