シネマヴェーラ渋谷

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近日上映予定

加藤泰傑作選
2011/06/04 ～ 2011/07/01

多くの任侠映画・時代劇を手掛け、カメラワークや構図などの画面づくりにおいてひときわ異彩を放った加藤泰作品の数々。シネマヴェーラ開館以来二度目となる回顧上映です。ニュープリントでよみがえる『男の顔は履歴書』もお楽しみに！

※毎週月・木曜日は一本立て上映です。最終回割引はございません。

上映予定作品一覧（全20本）

『男の顔は履歴書（ニュープリント）』

『炎のごとく』

『源氏九郎颯爽記白狐二刀流』

『浪人八景』

『炎の城』

『怪談お岩の亡霊』

『瞼の母』

『風の武士』

『車夫遊侠伝喧嘩辰』

『幕末残酷物語』

『沓掛時次郎遊侠一匹』

『みな殺しの霊歌』

『緋牡丹博徒花札勝負』

『緋牡丹博徒お竜参上』

『緋牡丹博徒お命戴きます』

『昭和おんな博徒』

『人生劇場青春篇・愛欲篇・残侠篇』

『宮本武蔵』

『日本侠花伝　第一部野あざみ　第二部青い牡丹』

『江戸川乱歩の陰獣』

『男の顔は履歴書（ニュープリント）』
上映スケジュール
公開：1966年
監督：加藤泰
出演：安藤昇、伊丹一三、中原早苗、中谷一郎、真理明美、浜田寅彦、柳沢真一、若宮忠三郎、川辺健三、田中春男、角梨枝子、沢淑子、石井トミコ、志賀真津子、内田良平
ある夜担ぎ込まれた重症患者を見た医師の雨宮は、彼が沖縄戦線での部下であり、18年前に闇市を巡る戦いで生死を共にした崔だと気付くが…。現在と過去を交差させながら、人間のエゴと民族差別を真正面から取り上げた一作。狂犬のような三国人やくざを演じた菅原文太は、本作でイメージチェンジし東映に移籍した。本物の頬の傷跡を晒して雨宮を演じた安藤昇を見よ！まさに「男の顔は履歴書」。

『炎のごとく』
上映スケジュール
公開：1981年
監督：加藤泰
出演：菅原文太、倍賞美津子、若山富三郎、中村玉緒、藤山寛美、きたむらあきこ、国広富之、豊田充里、桜町弘子、佐藤允、伊吹吾郎、琢磨一生、岡八郎、川合伸旺、平井昌一
人殺しの罪を犯して大阪を追われた博打打の仙吉は、放浪中に出会ったはなれ瞽女おりんと結ばれる。おりんのため賭場を開こうと、京都の親分と盃を交わした仙吉だったが…。幕末の京都という激動の時代に、惚れた女をまっすぐに思い生き抜いた男の姿を描いた、加藤泰最後の傑作。

『源氏九郎颯爽記白狐二刀流』
上映スケジュール
公開：1958年
監督：加藤泰
出演：中村錦之助、大川恵子、里見浩太郎、丘さとみ、ヘレン・ヒギンズ、河野秋武、中村歌昇、上田吉二郎、岡譲司、清川荘司、柳永二郎
源義経を先祖に持つ白装束の剣士・源氏九郎の活躍を描いたシリーズ第二弾。兵庫のとある港町にやってきた九郎は、道中で人助けをしたのがきっかけで同心長屋にしばらく住まうことに。時代が尊王攘夷で揺れるなか、無人島に隠された義経の秘宝を狙う者たちが九郎に次々と襲い掛かり…。

『浪人八景』
上映スケジュール
公開：1958年
監督：加藤泰
出演：市川右太衛門、長谷川裕見子、藤田進、千秋実、堺駿二、里見浩太郎、雪代敬子、勝浦千浪、加賀邦男、石井一雄、徳大寺伸、阿部九州男、宇佐美諄、志村喬、進藤英太郎
主家の姫君との惚れた腫れたで藩を飛び出し浪人になった雪太郎。辿りついた江戸で、当の姫君が輿入れした郡山藩のお家騒動に巻き込まれ…。腕も男っぷりもさえた浪人・雪太郎が悪人退治に奮闘する、剣と恋と笑いの痛快時代劇。佐々木康のピンチヒッターで担ぎ出された加藤泰だったが、自身も結核を患った身体でメガホンを取ったという。

『炎の城』
上映スケジュール
公開：1960年
監督：加藤泰
出演：大川橋蔵、大河内傳次郎、高峰三枝子、明石潮、薄田研二、伊沢一郎、三田佳子、黒川弥太郎、坂東吉弥、香川良介、河野秋武、水野浩、岡島芝子、五里兵太郎、鈴木金哉
舞台は戦国期の瀬戸内の小国。城主の息子・正人が留学先の明から帰国すると、父は既に亡く、母と結婚した叔父の師景が新城主になっていた。正人は父の死の真相を暴くため狂人を装うが…。『ハムレット』の翻案でありながら、大スターの橋蔵を死なせるなとの会社命令で、和製ハムレットは生き延び、結末は東映時代劇的な大団円、という作品となった。

『怪談お岩の亡霊』
上映スケジュール
公開：1961年
監督：加藤泰
出演：若山富三郎、藤代佳子、桜町弘子、三原有美子、沢村訥升、尾上鯉之助、伏見扇太郎、渡辺篤、明石潮、坂東好太郎、林彰太郎、伊沢一郎、和崎隆太郎、沢村宗之助
貧乏御家人の伊右衛門は、家を出た女房のお岩を連れ戻すため義父を斬殺。その後、金貸しの娘・お梅と結婚するためお岩に毒薬を盛り、顔面のただれたお岩を亡き者にするが…。辻斬り、強盗、女衒に人殺しと悪行のかぎりをつくす伊右衛門を若山富三郎が熱演。加藤泰のリアリズム溢れる演出と、立体的なカメラワークが冴え渡る傑作！

『瞼の母』
上映スケジュール
公開：1962年
監督：加藤泰
出演：萬屋錦之介、松方弘樹、木暮実千代、沢村貞子、大川恵子、中原ひとみ、夏川静江、瀬川路三郎、徳大寺伸、阿部九洲男、原健策、山形勲明石潮、河原崎長一郎、松浦築枝
幼いころ生き別れた母を探して江戸に出た渡世人、番場の忠太郎。やっとの思いで探し当てた母親は立派な料理屋の女将で…。言わずと知れた長谷川伸の股旅物だが、クライマックスの母子再会のくだりは、何度観ても胸が詰まり目頭が熱くなる。浪花千栄子演じる盲目の三味線弾きとの出会いの場面でのローアングル、長回し撮影は映画史上に残る素晴らしさ！

『風の武士』
上映スケジュール
公開：1964年
監督：加藤泰
出演：大川橋蔵、久保菜穂子、桜町弘子、中原早苗、大木実、南原宏治、北村和夫、野際陽子、宮口精二、進藤英太郎、西村晃
町道場に通う旗本の次男坊・信蔵と彼を慕う道場主の娘・ちのが、砂金の産地「安羅井の里」を狙う幕府と紀州藩、里を守る忍びの者たちの三つ巴の闘いに巻き込まれ…。信蔵とちのの恋物語を中心に、黄金郷の地図を巡る争いがスピーディーに展開する娯楽時代劇。ちのに横恋慕する道場の師範代役を演じる大木実の不気味な敵役ぶりは見もの。

『車夫遊侠伝喧嘩辰』
上映スケジュール
公開：1964年
監督：加藤泰
出演：内田良平、桜町弘子、河原崎長一郎、吉川満子、曽我廼家明蝶、千原しのぶ、富司純子、曽根晴美、那須伸太朗、汐路章、北島三郎、徳大寺伸、近衛十四郎、大木実
東京から大阪にやってきた、喧嘩っ早く頑固一徹な車夫の辰五郎。西川組の弥三郎親分に世話になっている芸者・喜美奴に一目ぼれし、結婚を申し込むが…。辰五郎と喜美奴の三度に渡る結婚式の顛末を軸に、大阪やくざと東京やくざの意気の張り合いを描いた痛快任侠時代劇。全編にただようコミカルな味わいは脚本を担当した鈴木則文ならでは。

『幕末残酷物語』
上映スケジュール
公開：1964年
監督：加藤泰
出演：大川橋蔵、河原崎長一郎、富司純子、中村竹弥、西村晃、大友柳太朗、内田良平、木村功、菅貫太郎、那須伸太朗、五里兵太郎、島田秀雄、汐路章、明石潮、穂高稔
念願の新撰組入隊を果たしたものの、剣も血もからきし苦手な小心者の三郎は、裏切りや反目があれば仲間であろうと容赦しない隊の掟によって斬首役を申し付けられる。しぶしぶ引き受けた三郎だったが、その行動は次第に冷酷な色を帯びていき…。屯所を舞台に限定した重苦しく生々しいドラマに、加藤泰の反骨精神が濃縮された必見の一本。

『沓掛時次郎遊侠一匹』
上映スケジュール
公開：1966年
監督：加藤泰
出演：萬屋錦之介、池内淳子、中村錦之助、弓恵子、高松錦之助、那須伸太朗、小山田良樹、松下次郎、志賀勝、結城哲也、中村時之介、小田部通麿、三原葉子、岩尾正隆
一宿一飯の恩義によって討ち入りの助っ人を引き受けた流れ者の時次郎は、それがきっかけで弟分の朝吉を亡くしてしまう。義理に支配された渡世に生きることへの虚しさを感じるものの、時次郎はまたしても仁義のために人を殺め…。色彩、構図だけにとどまらず、台詞や小道具にまで加藤泰のこだわりが行き届いた股旅映画の最高峰！

『みな殺しの霊歌』
上映スケジュール
公開：1968年
監督：加藤泰
出演：佐藤允、倍賞千恵子、應蘭芳、中原早苗、沢淑子、菅井きん、松村達雄、大泉滉、角梨枝子、石井均、須賀不二男、太宰久雄、渡辺篤、吉田義夫、藤田憲子、柳沢真一
有閑マダムばかりを狙った残酷な連続強姦殺人事件と、16歳の少年の飛び降り自殺との関連とは…!?殺人犯・川島による復讐劇と並行して、食堂で働く女・春子との哀しい恋の行方が描かれる。野村芳太郎と山田洋次から松竹に招かれた加藤泰による、モノクロ画面が鮮烈な問題作。公開当時、熱烈支持派の大和屋竺と批判派の斉藤竜鳳が論争を繰り広げたという。

『緋牡丹博徒花札勝負』
上映スケジュール
公開：1969年
監督：加藤泰
出演：藤純子、高倉健、嵐寛寿郎、若山富三郎、待田京介、清川虹子、小池朝雄、天津敏、石山律、南利明、内田朝雄、山本麟一、関山耕司、汐路章、柴田美保子、沢淑子
旅の途中で訪れた名古屋で、自らの通り名である“緋牡丹のお竜”を騙った女博徒の存在を聞きつけたお竜。本名をお時というその女に行方知れずの夫と盲目の娘・お君がいることを知り、彼女を見逃すことにするのだが…。壺を振り、仁義を切り、刀を構える藤純子のひとつひとつの所作に見惚れるばかりのシリーズ第三作。ニセお竜を演じた沢淑子の哀しげな眼差しも忘れがたい。

『緋牡丹博徒お竜参上』
上映スケジュール
公開：1970年
監督：加藤泰
出演：藤純子、菅原文太、若山富三郎、嵐寛寿郎、汐路章、山岸映子、山城新伍、夏珠美、安部徹
渡世人の常次郎から、かつて助けた盲目の少女・お君が浅草の芝居小屋にいると聞き、さっそく芝居小屋を営む鉄砲久の一家に草鞋を脱いだお竜は、おキイと呼ばれるスリの少女に出会い…。『～花札勝負』の後日談的なシリーズ六作目。雪の降る橋の上で菅原文太演じる常次郎にお竜が蜜柑を差し出すシーンは語り草に。

『緋牡丹博徒お命戴きます』
上映スケジュール
公開：1971年
監督：加藤泰
出演：藤純子、鶴田浩二、待田京介、上岡紀美子、関本健、名和宏、若山富三郎、河津清三郎、小松方正、内田朝雄、嵐寛寿郎、諸角啓二郎、沼田曜一、汐路章、沢淑子、石山健二郎
イカサマ賭博に巻き込まれたお竜に救いの手を差し伸べた結城組々長・菊太郎の元に草鞋を脱いだお竜。ところが、軍事用の工場排水が引き起こす公害問題に苦言を呈する菊太郎を、軍上層部は快く思わず…。クライマックスでの立ち回りが圧巻のシリーズ七作目。喪服姿で髪を振り乱し、夜叉のごとく敵を切りつけるお竜の姿は美しくも哀しい。

『昭和おんな博徒』
上映スケジュール
公開：1972年
監督：加藤泰
出演：江波杏子、松方弘樹、水島道太郎、遠藤辰雄、丘路千、岡部正純、松田利夫、渡辺文雄、山本麟一、有川正治、女屋実和子、丸平峰子、星野美恵子、嵐寛寿郎、国一太郎
自殺した両親の仇と勘違いしたのをきっかけに、堀川一家の代貸・巽と結ばれたお藤。しかし跡目を巡る抗争から巽が殺され…。愛する男と対になった竜の刺青を彫り、渡世の道に足を踏み入れた女の復讐劇。大映の『女賭博師』シリーズで人気を博した江波杏子をヒロインに招いた、加藤泰最後の東映作品。

『人生劇場青春篇・愛欲篇・残侠篇』
上映スケジュール
公開：1972年
監督：加藤泰
出演：竹脇無我、森繁久彌、津島恵子、田宮二郎、草野大悟、谷村昌彦、石井トミコ、石井均、小田草之助、高畑喜三、伴淳三郎、大泉滉、高木信夫、小峰陽子、笠智衆
出所してきた侠客・吉良常と共に、父を死に追いやったやくざに殴り込みをかけた文学青年の瓢吉。三年後、愛人をめぐって殺人を犯した飛車角をかくまう吉良常と、女流作家との恋に悩む瓢吉は…。複雑に絡み合う男と女の人生を描いた、任侠映画の枠に収まらない骨太のドラマ。本作をきっかけに、加藤泰はプログラム・ピクチャーから松竹の大作路線へと舞台を移す。

『宮本武蔵』
上映スケジュール
公開：1973年
監督：加藤泰
出演：高橋英樹、田宮二郎、松坂慶子、倍賞美津子、フランキー堺、任田順好、笠智衆、細川俊之、佐藤允、木村俊恵、穂積隆信、石山健二郎、田村正勝、明石潮
関ヶ原での負け戦から、巌流島の決闘までを描いた豪華キャストによる加藤泰版宮本武蔵。数ある吉川英治原作映画の中でも、武蔵の人間性に踏み込み、お通との情愛に焦点を当てた異色作。巌流島に向かう小舟を水中から撮影するなど、こだわりぬいたローアングルが光る。

『日本侠花伝　第一部野あざみ　第二部青い牡丹』
上映スケジュール
公開：1973年
監督：加藤泰
出演：真木洋子、藤原釜足、村井国夫、大塚道子、見明凡太朗、波哲也、富田仲次郎、原田君事、榊田敬二、加藤茂雄、小川安三、大木正司、林光子、任田順好、野口元夫
加藤泰による唯一のオリジナル脚本作。駆け落ちした男が家に連れ戻されそうになるや、男を道連れに海に身投げしたミネ。二人は長田組の親分に命を救われ、その後ミネは長田組の姐さんとなるのだが…。世間も義理も捨ててひたすら愛を貫く女の姿が異様な凄みを持って観る者に迫る。清純派女優として人気だった真木洋子の体を張った演技が話題となった。

『江戸川乱歩の陰獣』
上映スケジュール
公開：1977年
監督：加藤泰
出演：あおい輝彦、香山美子、大友柳太朗、川津祐介、中山仁、仲谷昇、野際陽子、田口久美、加賀まりこ、尾藤イサオ、任田順好、若山富三郎、藤岡琢也、菅井きん
本格推理作家の寒川のもとに、かつての恋人・大江春泥からの脅迫に怯える美しい女・静子がやってきた。猟奇趣味で人気の推理作家・春泥へのライバル心もあり、寒川は事件解決に乗り出すが…。碁石を打つ音を鞭のそれと重ねて快楽を得る男女、汲み取り式便所に流れ込んだ死体など、原作ファンも唸る演出で乱歩の世界を映像化した加藤泰の野心作。

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