近日上映予定
「酔わせる映画」刊行記念 楽しくて怖い酒映画傑作選
2025/02/01 ~ 2025/02/14
■特別上映 『WANDA/ワンダ』均一料金1300円(ポイント鑑賞不可)
■トーク付き上映 料金:1500円均一(ポイント鑑賞不可)
①2月1日(土)14:35『のんき大将』上映後 ゲスト:大久明子(映画監督)
②2月8日(土)13:00『フィラデルフィア物語』上映後 ゲスト:山崎まどか(コラムニスト)
③2月11日(火・祝)14:55『紐育の波止場』上映後 ゲスト:鈴木史(映画監督、文筆家)
*聞き手は全て月永理絵(ライター、編集者)
上映予定作品一覧(全19本)
『民衆の敵』
『フィメール』
『周遊する蒸気船』
『彼奴(きゃつ)は顔役だ!』
『果てなき船路』
『フィラデルフィア物語』
『夜霧の港』
『脱出』
『失われた週末』
『汚名』
『キー・ラーゴ』
『のんき大将』
『ウィリーが凱旋するとき』
『都会の牙』
『ブルー・ガーディニア』
『現金(げんなま)に手を出すな』
『喝采』
『WANDA/ワンダ』
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『紐育の波止場 The Docks of New York(76分/サイレント/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1928年
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演:ジョージ・バンクロフト、ベティ・コンプソン、オルガ・バクラノヴァ
紐育の波止場に一晩停泊した貨物船。火夫のビルは港に身投げした酒場の女メイを助け、酔った勢いで結婚式を挙げたのだが…。社会の底辺で刹那的に生きる男女が、微かに残る純情に突き動かされる姿に胸を打たれる。カメラと照明が素晴らしく、船の窯焚き、夜の霧など忘れられないシーンに満ちたサイレント終期の名作。
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『民衆の敵 The Public Enemy(73分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1931年
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
出演:ジェームズ・キャグニー、ジーン・ハーロウ、エドワード・ウッズ、ジョーン・ブロンデル
禁酒法時代にビールを密売するギャングの抗争劇を背景に、悪ガキからギャングに成り上がったキャグニーの栄光と転落を描く。弟分が死んでも自分が助かれば良いと笑い、殺しは日常業務というキャグニーだが、出来のいい兄とママの愛を奪いあっていただけの子どもであることが最後にはっきりとわかる。車上や死体が投げ込まれるショットもキマッていて、殴り込みの晩に降る豪雨も素晴らしい。
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『フィメール Female(60分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1933年
監督:マイケル・カーティス、ウィリアム・ディターレ (ノンクレジット)、ウィリアム・A・ウェルマン(ノンクレジット)
出演:ルース・チャタートン、ジョージ・ブレント、ロイス・ウィルソン
イケメン社員を家に呼んでは酔わせてモノにする自動車会社のやり手社長アリソンは、正体を隠して男をナンパするが…。権力者のセクハラを男女反転させたセックス・ウォー・コメディ。部下はヤリ捨てる一方、自分をフッた男にストーキングするなど所業は完全にアウトだが、仕事もでき性欲もあるという女性像が新しい。肉食女子の迷い道の行く先は!?
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『周遊する蒸気船 Steamboat Round the Bend(82分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1935年
監督:ジョン・フォード
出演:ウィル・ロジャース、アン・シャーリー、ユージン・パレット、ジョン・マクガイア、アーヴィン・S・コッブ
ミシシッピー河をオンボロ蒸気船で周遊するドクと甥のデューク。ところが、フリーティという娘を救うため殺人を犯したデュークは死刑を宣告される。彼の窮地を救うべくドクとフリーティの奔走が始まる。クライマックスの蒸気船レースのスラップスティックな魅力は筆舌に尽くしがたい。事件の鍵を握る偽予言者“ニュー・モーゼ”の活躍もお見逃しなく!
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『彼奴(きゃつ)は顔役だ! The Roaring Twenties(107分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1939年
監督:ラオール・ウォルシュ
出演:ジェームズ・キャグニー、ハンフリー・ボガート、プリシラ・レイン
戦争から戻っても職がなく密造酒製造で裏社会の顔役になったキャグニーは、戦時中の文通相手プリシラ・レインに資金援助をするが…。戦友のボギーのせいで殺人に手を染め、レインも去り、大恐慌で地位も金も失うキャグニーの最期が痛ましく哀れ。 30年代ギャング映画を総括した傑作。
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『果てなき船路 The Long Voyage Home(105分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1940年
監督:ジョン・フォード
出演:ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル、アイアン・ハンター、ワード・ボンド
第二次大戦下、貨物船グレンケアンの水夫たちが船内や寄港地で引き起こす騒動や友情を描く。白黒の陰影、島影を映す暗い海など、グレッグ・トーランドによる映像は息を呑む美しさ。薬を飲まされ“地獄船”に囚われた若い船員(ジョン・ウェイン)を救出せんと駆け付けるベテラン船員たち。彼らから保護され悪い習慣から遠ざけられ、命懸けで救出される若きウェインの初々しさもまた貴重である。
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『フィラデルフィア物語 The Philadelphia Story(112分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1940年
監督:ジョージ・キューカー
出演:ケーリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン、ジェームズ・スチュワート、ルース・ハッセイ
元妻のトレイシーに未練があるデクスターは、彼女の再婚を阻止せんと三流雑誌記者を結婚前夜パーティーに送り込み…。キャサリン・ヘップバーン、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュワートの豪華な三角関係の結末は!? ジェームズ・スチュワートがアカデミー主演男優賞を受賞したロマコメの傑作。
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『夜霧の港 Moontide(95分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1942年
監督:アーチー・L・メイヨ
出演:ジャン・ギャバン、アイダ・ルピノ、トーマス・ミッチェル、クロード・レインズ
大酒飲みの造船職人ギャバンは、海に身を投げたルピノを助け…。酒を飲む理由も自殺の原因も語られず、ただ互いのために変わり強くなることが愛だと宣言される。華奢で賢いルピノと無骨で人のいいギャバン、2人を見守るクロード・レインズ、そして忠実な犬!弱さを克服できない人間が滅び、殺人事件が解決し、2人の明日がくる。フリッツ・ラングが途中降板した作品。
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『脱出 To Have and Have Not(100分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1944年
監督:ハワード・ホークス
出演:ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール、マルセル・ダリオ、ウォルター・ブレナン、ホーギー・カーマイケル
ヴィシー政権下の仏領マルティニーク島。レジスタンスの密航を依頼された米人船長のハリーは…。ヘミングウェイとフォークナー、そしてホークスという贅沢なスタッフによる傑作ハードボイルド。「私に用があったら口笛を吹いて」というバコールの名台詞も忘れがたい。
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『失われた週末 The Lost Weekend(101分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1945年
監督:ビリー・ワイルダー
出演:レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン、フィリップ・テリー、ドリス・ダウリング、ハワード・ダ・シルヴァ
酒浸りの毎日を送る売れない作家・ドン。兄や恋人は必至で立ち直らせようとするが、どん底まで堕ち…。ひとりのアルコール依存者の苦悩を真っ向から描き、アカデミー作品・監督・脚色・主演男優賞に輝いた傑作。レイ・ミランドは本作で大根役者の汚名を返上した。
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『汚名 Notorious(101分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1946年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ケーリー・グラント、イングリッド・バーグマン、クロード・レインズ、ルイス・カルハーン
国家反逆罪で投獄され自殺した父を持つアリシアは、FBI捜査官のデブリンに協力し父の相棒だった男に近づいてナチ残党の内情を探るが…。スパイ・サスペンスとラブロマンスが絶妙に絡み合う傑作。2分半にも及ぶバーグマンとグラントのキス・シーンはあまりにも有名。
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『キー・ラーゴ Key Largo(100分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール、クレア・トレヴァー、エドワード・G・ロビンソン、ライオネル・バリモア、モンテ・ブルー
フロリダ半島のキー・ラーゴのホテルを舞台に、復員将校と戦友の未亡人がギャング一味と対決する。ホテルという限定された空間で高まる緊張感、ボギー&バコールvs.エドワード・G・ロビンソンの駆け引きがスリリングな傑作ハードボイルド。
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『のんき大将 El Gran Galavera(92分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:ルイス・ブニュエル
出演:フェルナンド・ソレル、ロサリオ・グラナドス、アンドレス・ソレル
妻を亡くし酒に溺れる富豪のドン・ラミロ。彼を立ち直らせようと家族は一芝居打つことにするが…。ボロ家で目覚めたラミロと、寄生虫のような家族がしだいに生きる喜びを知る過程が滑稽にして感動的。ブルジョワと貧困、女の脚、家族が手をつなぐシーンなど、ブニュエルらしさの萌芽が見える隠れた佳作。ラストも最高!
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『ウィリーが凱旋するとき When Willie Comes Marching Home(83分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ジョン・フォード
出演:ダン・デイリー、コリンヌ・カルヴェ、コリーン・タウンゼント、ウィリアム・デマレスト
真珠湾攻撃が起こり、田舎町のウィリーは真っ先に志願。最初は英雄扱いされるが、地元基地に足止めされて…。バカにされ家族からも帰ってくるなと言われる哀れなウィリーが、怒涛の活躍をする後半のスピードとユーモアたるや!戦争高揚気分にチクッと皮肉を効かせた語り口も素晴らしい。アルトマンが戦争をコケにした『マッシュ』で題名がアナウンスされるのも当然の傑作。
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『都会の牙 D.O.A.(84分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ルドルフ・マテ
出演:エドモンド・オブライエン、パメラ・ブリットン、ルーサー・アドラー、ネヴィル・ブランド
バーで酒に毒を盛られ余命数日と宣告された男が、犯人を探そうと街を駆け回るタイム・リミット・ノワール。原題の『D.O.A.』はDead on Arrival(到着時すでに死亡)の意味。殺人事件の被害者自身が探偵であり、死を目前に警察に事件の顛末を語るというユニークな作品。
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『ブルー・ガーディニア The Blue Gardenia(89分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1953年
監督:フリッツ・ラング
出演:アン・バクスター、リチャード・コンテ、アン・サザーン、レイモンド・バー、ジェフ・ドネル、ジョージ・リーヴス、ナット・キング・コール
フラれて泥酔したあげく男を殺したと思い込んだノラは…。悩み苦しむアン・バクスターの演技が凄い巻き込まれ型クライム・サスペンス。ルームメイトたちのユーモア溢れる会話、ナット・キング・コールが歌う『ブルー・ガーディニア』も素晴らしい。
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『現金(げんなま)に手を出すな Touchez pas au grisbi(96分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:ジャック・ベッケル
出演:ジャン・ギャバン、ルネ・ダリー、ジャンヌ・モロー、ドラ・ドル
引退を決めたギャングが、マヌケな仲間のせいで“最後のヤマ" の後始末をするはめになる。静かなギャング映画で、ジャン・ギャバンの渋さに痺れる一作。男女かまわずくらわすビンタ、カッコいいテーマ曲、ダブルのスーツ、美しい恋人。ベッケルの美意識が隅々までいきわたったフレンチ・ノワールの傑作。ギャング行きつけのレストラン、一切れのケーキ、ラスクとパテ、マグナムのシャンパン…。食と酒の映画でもある。
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『喝采 The Country Girl(104分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:ジョージ・シートン
出演:ビング・クロスビー、グレース・ケリー、ウィリアム・ホールデン、アンソニー・ロス、ジーン・レイノルズ
元スターでアル中のビング・クロスビー、その妻グレース・ケリー、クロスビーを崇拝する演出家ウィリアム・ホールデン。3人の演技合戦が凄いバックステージもの。現実から逃避し、何もかも妻のせいにするクロスビー。彼の言葉を鵜呑みにしてケリーを責め続けるホールデンが、彼女を愛するようになる。夫の弱さと狡さも、ホールデンの浅はかさも知り抜いているグレース・ケリーは、最後にどちらを選ぶのか。シリアスな名演を披露したグレース・ケリーがアカデミー主演女優賞に輝いた心理劇の傑作。
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『WANDA/ワンダ(102分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1970年
監督:バーバラ・ローデン
出演:バーバラ・ローデン、マイケル・ヒギンズドロシー・シュペネス、ピーター・シュペネス、ジェローム・ティアー
ラストベルトの最底辺で生きるワンダの生を投げ出すように描いたバーバラ・ローデン唯一の監督作。夫から離婚され、無気力に子供たちの親権を放棄し、日雇いの仕事も2日でクビになり、あり金を盗まれ、ビールの対価に関係を持つワンダの現実を一切の感傷なしに描いた伝説の傑作。悪党に拾われ犯罪の片棒を担いで褒められ、初めて見せるはにかんだ笑顔が心を去らない。
©1970 FOUNDATION FOR FILMMAKERS
新着情報
一覧を見る- 2024/12/02
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