近日上映予定
知られざるサッシャ・ギトリの世界へⅡ Bonjour, monsieur Sacha Guitry
2024/03/02 ~ 2024/03/22
トーク付上映▶3/2『トア』、3/9『ある正直者の人生』は1300円均一(ポイント鑑賞不可)
解説付上映▶通常料金
特別上映▶『祖国の人々』各料金200円引き
上映予定作品一覧(全19本)
『幸運を!』
『新しい遺言』
『とらんぷ譚』
『夢を見ましょう』
『私の父は正しかった』
『王冠の真珠』
『デジレ』
『カドリーユ』
『シャンゼリゼをさかのぼろう』
『彼らは9人の独身男だった』
『あなたの目になりたい』
『役者』
『二羽の鳩』
『トア』
『カントナックの財宝』
『毒薬』
『これで三度目』
『ある正直者の人生』
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『祖国の人々 Ceux de chez nous(45分)』
- 上映スケジュール
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公開:1914年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:オーギュスト・ロダン、エドモン・ロスタン、クロード・モネ、アナトール・フランス、エドガー・ドガ、サラ・ベルナール、カミーユ・サン=サーンス、オーギュスト・ルノワール
ギトリの初監督作。1915年の初版から何度か改定が加えられ1952年最終版ではギトリがナレーターを務めている。息子ジャンに支えられて絵を描くルノワールをはじめ、フランス人芸術家の仕事中の姿をとらえた貴重な作品。ギトリがドキュメンタリー作家として第一歩を踏み出したという意味でも重要。
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『幸運を! Bonne chance!(77分)』
- 上映スケジュール
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公開:1935年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、ポーリーヌ・カルトン、ポール・デュラック、アンドレ・ニュメス・フィス、ロベール・セレル
画家の「幸運を!」の言葉のおかげか、洗濯屋の娘が買った宝くじが大当たり。娘の婚約者を置き去りに、2人は豪華旅行に出かけるが…。旅行のロケや、『勝手にしやがれ』を思わせるドライブのシーンが、ギトリがいかに映画を意識的に撮っていたかを物語る。ドゥリュバックとギトリは常に同じ画面に映り続ける。それが幸運だから!
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『新しい遺言 Le nouveau testament(99分)』
- 上映スケジュール
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公開:1936年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ベティ・ドースモン、ジャクリーヌ・ドリュバック、クリスチャン・ジェラール、シャルル・デシャン
医師のジャンが書き直した遺言をきっかけに、過去から現在に至る浮気が芋づる式に明らかになる展開に思わず苦笑。ジャンと妻、その親友夫妻と息子、そして新しい秘書。今にも崩壊しそうな人間関係を「なにが起こってもハッピーということにしておく」とまとめる手際も鮮やかな、フランス式恋愛術をとくとご覧あれ。
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『とらんぷ譚 Le Roman d'un tricheur(81分)』
- 上映スケジュール
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公開:1936年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、マルグリット・モレノ、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、ロジェ・デュシェーヌ、ロジーヌ・ドゥレアンほか
カフェのテラスでその自伝を執筆するペテン師が、自らの声で約50年にわたる紆余曲折を語る。主人公の半生の回想を台詞もほとんどない一人称で語る試みを、監督、脚本、主演でやってのけた唯一無二の作品。洒落たオープニングやキノコ・エピソードのブラックなユーモアが冴えている。
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『夢を見ましょう Faisons un rêve…(80分)』
- 上映スケジュール
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公開:1936年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、レミュ、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、マルセル・レヴェック、マルグリット・モレノほか
ギトリの代表的な戯曲を自身で映画化。独身男が人妻と浮気をするというだけの話を、ギトリの妄想と喋りで最後までもたせてしまう。相手に返事をする隙を作らせまいと愛を伝え続け、愛人が自分の家に来るまでの道のりを詳細に妄想するギトリ。15分以上に及ぶモノローグの声の力に圧倒される作品。
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『私の父は正しかった Mon père avait raison(99分)』
- 上映スケジュール
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公開:1936年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ガストン・デュボスク、セルジュ・グラーヴ、ポール・ベルナール、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、ベティ・ドースモン、ロベール・セレル、ポーリーヌ・カルトン
妻が出奔し男手ひとつで息子を厳格に育てたギトリ。そこへ20年ぶりに妻が訪ねてくるが…。父から息子へと繰り返される男の人生が、窓から出入りする祖父、父、息子の姿を通じて描かれる。ギトリならではの「”中年の危機”転じて福となす」物語だが、そのファザコンぶりもまたギトリらしい。
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『王冠の真珠 Les Perles de la couronne(105分)』
- 上映スケジュール
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公開:1937年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、リン・ハーディング、ルネ・サン=シール、エンリコ・グロリ、レミュ、ジャン=ルイ・バローほか
16世紀から7カ国の持ち主の手から手に渡った真珠。その数奇な運命が、仏歴史家、英王室副官、ローマ法王庁侍従によって語られる。会話にこだわるギトリらしく人は母国語を話し、架空の国の言語まで作ったのは凄い。最後にドゥリュバックが客船で真珠を手に入れるくだりとオチには大笑い。ギトリ初の歴史もので公開時ロングランとなった。
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『デジレ Désiré(94分)』
- 上映スケジュール
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公開:1937年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、ジャック・ボーメル、アルレッティ、ポーリーヌ・カルトン、サチュルナン・ファーブル、アリス・ドロンド、ジュヌヴィエーヴ・ヴィクス
優秀なのにお屋敷を転々とする召使のデジレは、郵政大臣の愛人に仕えることになるが…。デジレが毎晩のように女主人の夢を見ると、女主人も同じ夢を見る。従来の恋愛ものを男女を入れ替えて描くことで、主従や男女の在り方への先入観を露わにする。これが主人と小間使いならハッピーエンドかもしれないが、本作のラストは苦く哀しい。
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『カドリーユ Quadrille(91分)』
- 上映スケジュール
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公開:1937年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ギャビー・モルレー、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、ジョルジュ・グレー、ポーリーヌ・カルトン
男女がパートナーを入れ替えながら踊るダンス”カドリーユ”という題名のとおり、4人の男女による恋の駆け引きが描かれる。4人の相手を入れ替えながらの会話劇がリズミカルに展開されていくが、会話の切り替えしに対し視線は交わらない。登場と退場が繰り返され、ドアや電話が重要な役割を果たす。
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『シャンゼリゼをさかのぼろう Remontons les Champs-Élysées(102分)』
- 上映スケジュール
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公開:1938年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、リュシアン・バルー、ジャン・ペリエ、ジャクリーヌ・ドゥリュバック、ジャンヌ・マルケン、ミラ・パレリ
教師のギトリが子どもたちに語るシャンゼリゼ=フランスの物語。1617年まで遡るシャンゼリゼの歴史と並行して、自らの家系の男たちの生涯が描かれる。『王冠の真珠』と同様、史実とフィクションがない交ぜになり、ルソーやワーグナーまで登場する!
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『彼らは9人の独身男だった Ils étaient neuf célibataires(125分)』
- 上映スケジュール
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公開:1939年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、エルヴィール・ポペスコ、マックス・デアリー、サチュルナン・ファーブル、ジャン・シノエル、ジュヌヴィエーヴ・ギトリ
不法滞在者が国外追放されるという噂で、フランス人との偽装結婚を望む外国人女性が急増。ギトリは結婚相手を集めるため「独身フランス人男性の老人ホーム」を設立するが…。ワラワラと集まってくるホームレスたちを演じるのは戦前のフランス映画を支えた名脇役たち。突飛な設定も楽しく、役者の演技と魅力や個性がはじける一作。
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『あなたの目になりたい Donne-Moi Tes Yeux(90分)』
- 上映スケジュール
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公開:1943年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ジュヌヴィエーヴ・ギトリ、エメ・クラリオン、マルグリット・モレノ、モナ・ゴヤ、マルグリット・ピエリー
突然心変わりした彫刻家に、恋人のモデルは…。エレガントな台詞回しが素晴らしい、芸術と愛をめぐるドラマ。トリュフォーが「(ドイツ占領時代の)灯火管制の現実を忠実に理解できる唯一の作品」と評したように、真っ暗なパリの街を懐中電灯で照らしながら歩く恋人たちのイメージが鮮烈に焼き付く。
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『役者 Le Comédien(92分)』
- 上映スケジュール
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公開:1947年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ラナ・マルコーニ、ジャック・ボーメル、ポーリーヌ・カルトン、ロベール・セレル、ジョゼ・ノゲロ、モーリス・テナック
高名な舞台俳優だった父リュシアン・ギトリの伝記。ギトリが父と自分自身を演じているが、つなぎと演技によって二人が対面しているように見せている。リュシアンの楽屋の狭い空間に人が出入りする演劇的なシークエンスもある。「舞台の上にしか私生活も実人生も存在しない」人生を歩んだギトリの名作。
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『二羽の鳩 Aux deux colombes(89分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、シュザンヌ・ダンテス、マルグリット・ピエリー、ラナ・マルコーニ、ポーリーヌ・カルトン、ロベール・セレル
妻が渡航先で消息を絶って22年。妻の妹と結婚したギトリの家に消えたはずの妻が現れる。姉妹が妻の座をめぐって争う中、第三の女が参入して事態はますます混迷を極める。あり得ない偶然の連鎖の中、頭がおかしい登場人物たちが約束されたゴールに向かって突っ走る。
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『トア Toâ(89分)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ラナ・マルコーニ、ミレーユ・ペレ―、ジャンヌ・フュジエ=ジール、ロベール・セレル、ジャック・デルヴィル
恋人と別れたギトリは彼女との関係を芝居に仕立てる。公演初日、ギトリの元に殺人予告が届き…。ギトリ家の居間を模した舞台、役者は本当の友人や使用人、客席から割り込む元恋人。公演は大失敗かと思えば大ウケする。人生が芝居になり、芝居を人生が浸食し、その様子をカメラが撮る多重構造が素晴らしい。これぞ「芝居なくして人生なし!」の一作。
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『カントナックの財宝 Le Trésor de Cantenac(101分)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ラナ・マルコーニ、マルセル・シモン、ルネ・ジェナン、ポーリーヌ・カルトン、ミシェル・ナストール、ジャンヌ・フュジエ=ジール、フェルナン・ルネ
かつて城下町として栄えたカントナックの村も今は寂れ果て、村人は何の希望もなく生きている。城主の子孫も没落し自殺寸前だが、何故か最後に村を訪ねたことから…。主人が使用人に養われ、“愚か者”が実は知恵者で、美女はモテず、128才の長老が最も若々しい。全てが転倒しているコメディ。そして「仕事こそ人を幸せにする」というギトリらしからぬ宣言を驚きとともに聞くことになるだろう。
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『毒薬 La poison(85分)』
- 上映スケジュール
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公開:1951年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:ミシェル・シモン、ジェルメーヌ・ルヴァ、ジャン・ドゥビュクール、ジャック・ヴァレンヌ、ジャンヌ・フュジエ=ジール
会話もなく食卓ではラジオが爆音で流れる家庭。互いに憎みあう夫婦は遂に相手を殺そうと決意するが、さて、どっちが先手を取るか!? 頭悪そうに見えて上手く立ち回る夫ミシェル・シモン。裁判が開かれ、村の子供たちは夫婦の殺人ごっこで遊ぶ。モラル全滅にして法秩序も完全崩壊するラストが最高のブラック・コメディの傑作。
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『これで三度目 Je l'ai été trois fois(81分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:サッシャ・ギトリ、ベルナール・ブリエ、ラナ・マルコーニ、シモーヌ・パリ、メグ・ルモニエ、ソランジュ・ヴァレンヌ、ポーリーヌ・カルトン、ルイ・ド・フュネス
冴えない宝石商が3度の結婚で3度寝とられる経緯がオカシイ。3番目の妻(ギトリの最後の妻ラナ・マルコーニが演じる)の不倫相手が役者のギトリで、現場に踏み込まれたときのゴマカシが凄い!「女性との関係は1度だけ」という哲学に反して関係が続くことを匂わせるラストが意味深な一作。おなじみの冒頭の関係者紹介もいつにもまして楽しい。
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『ある正直者の人生 La Vie d'un honnête homme(94分)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:サッシャ・ギトリ
出演:ミシェル・シモン、マルグリット・ピエリー、ロランス・バディ、フランソワ・ゲラン、ラナ・マルコーニ、ルイ・ド・フュネス、クロード・ジョンサック、マルト・サルベル
弟が目の前で死に、彼に成り代わった兄だったが…。『毒薬』の名コンビ、ギトリとミシェル・シモン再び。独善的な金持ち兄と、放浪の末に食い詰めた弟という双子をシモンが演じる。家族にも使用人にも嫌われ、自由な弟の人生に憧れた兄の姿に重なる歌の哀しさ。♪死ぬことばかり考えて 生きるわけにはいかない♪。作品の根底に流れる人間への共感にシミジミする悲喜劇。
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