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近日上映予定

  • ネオレアリズモ II

  • 2023/07/08 ~ 2023/07/28

第2次大戦中のイタリア。降伏後も国内にはびこるファシストやナチスに抵抗するため結成された国民戦線には、多くの映画人たちが参加。終戦後、彼らは戦争の悲惨にあえぐ社会を徹底したリアリズムとドキュメンタリー手法で描き、ロケーション撮影、アフレコ、素人俳優の起用を特徴とするスタイルを確立した。それがネオレアリズモである。代表的監督は、ロベルト・ロッセリーニ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ルキノ・ヴィスコンティ、フェデリコ・フェリーニなど。

※上映作品が差し替えとなりました
上映中止作品『神の道化師、フランチェスコ』『ストロンボリ』
⇒ 差し替え作品『ミラノの奇蹟』(デジタル/日本語字幕版)『白い船』

  • 上映予定作品一覧(全18本)

白い船
十字架の男
子供たちは見ている
無防備都市
戦火のかなた
靴みがき
欲望
自転車泥棒
ドイツ零年
アモーレ
越境者
寄席の脚光
ミラノの奇蹟
白い酋長
ベリッシマ
ウンベルトD
ヨーロッパ一九五一年
殺人カメラ
  • 『白い船 La nave bianca(69分/デジタル)』

  • 白い船 La nave bianca(69分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1941年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:アウグスト・バッソ、エレナ・フォンディ
    病院船アルノ号での傷病兵と看護師との交流を軸に第二次大戦での海軍の闘いを描く。現場の兵士や看護師が出演し、軍艦や医療艇も本物。『戦艦ポチョムキン』を思わせるファーストショット、実際の戦争フィルムを使った戦艦戦闘シーンはリアルかつ迫力満点。ネオレアリズモの萌芽とも言えるロッセリーニ長編デビュー作。

  • 『十字架の男 L'uomo dalla croce(72分/デジタル)』

  • 十字架の男 L'uomo dalla croce(72分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1943年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:アルベルト・タヴァツィ、ロスヴィタ・シュミット、アッティリオ・ドッテジオ、ピエトロ・パストーレ、ドリス・ヒルド
    1942年、ロシア赤軍とイタリアの戦場になっているウクライナ。悲惨な戦闘と逃げまとう人々。そして敵味方の兵士たちと女子供と従軍司祭が民家に取り残される。主人公の司祭の信仰は誰も救えず、仲間を殺した狂信的兵士の魂にのみ安息をもたらす絶望。戦争で死んだ人々への鎮魂歌とも言える恐るべき厭戦映画の傑作で、ウクライナの悲惨という意味でも今観るべき作品。

  • 『子供たちは見ている I Bambini Ci Guardano(84分/デジタル)』

  • 子供たちは見ている I Bambini Ci Guardano(84分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1943年
    監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
    出演:ルチアーノ・デ・アンブロシス、エミリオ・チゴリ、イサ・ポーラ、アドリアーノ・リモルディ、ジョヴァンナ・チゴーリ
    母親が駆け落ちし置き去りにされたプリコは、預けられた祖母にも邪魔者扱いされる。戻ってきた母と父と3人で旅行に出掛けるが…。地獄のような運命にさらされ、最後には大人たちから目を逸らせる子供。『大人は判ってくれない』やキアロスタミへと続く“無垢の喪失”の起点。夜中に彷徨う姿、車窓から眺める景色が走馬灯に溶け込んでいくシーンに心が抉られるデ・シーカの出世作。

  • 『無防備都市 Roma città aperta(103分/デジタル)』

  • 無防備都市 Roma città aperta(103分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1945年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ、マルチェロ・パリエーロ、マリア・ミーキ
    第二次大戦末期、無条件降伏したイタリアにドイツ軍が侵攻。無防備都市となったローマで、ナチスに抵抗するパルチザンが立ち上がるが…。終戦前後に撮影された荒廃した街、次々にゲシュタポに殺されていく人々、感情を揺さぶる鮮烈なシーンで世界に衝撃を与えた歴史的傑作。イングリッド・バーグマンがロッセリーニに走るきっかけとなったことでも有名な、第一回カンヌグランプリ受賞作。

  • 『戦火のかなた Paisà(126分/デジタル)』

  • 戦火のかなた Paisà(126分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1946年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:マリア・ミーキ、ガール・ムア、ドッツ・ジョンソン、カルメラ・サツィオ、ロバート・ヴァン・ルーン、ハリエット・ホワイト、ジュリエッタ・マシーナ
    6つのエピソードからなるオムニバスで素人を起用したネオレアリズモの代表作。村の娘と米人兵士の交流と悲惨な結末、戦争孤児の少年と黒人兵士の奇妙な出会い、占領軍相手の娼婦と酔っ払い兵士の過去、恋人に会うため市街戦の中を突破する女、僧院を訪れた米国従軍司祭の葛藤、レジスタンスの残酷な最期。本作で男女は結ばれず、レジスタンスは死に、子供の不幸は放置される。全ての人間の心に戦争の無残を刻む一作。

  • 『靴みがき Sciuscià(91分/16mm)』

  • 靴みがき Sciuscià(91分/16mm) 上映スケジュール
  • 公開:1946年
    監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
    出演:フランコ・インテルレンギ、リナルド・スモルドーニ、アニエロ・メレ
    ローマの靴みがきパスクアーレとジュゼッペは、貸馬屋の馬を買うため占領軍のヤミ物資の横流しに手を出し…。自分の力で生きていかざるを得ない少年たちの過酷な運命を通して、最も弱い者が犠牲になる戦争の悲惨と大人たちの欺瞞を真正面から描く。『自転車泥棒』と並ぶデ・シーカの代表作の1本。

  • 『欲望 Desiderio(77分/デジタル)』

  • 欲望 Desiderio(77分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1946年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ、マルチェッロ・パグリエーロ
    出演:マッシモ・ジロッティ、エリ・パルボ、カルロ・ニンキ、ロスウィタ・シュミット、ジョヴァンナ・スコット
    ローマで半ば娼婦のように生きるパオラ。ある男性に出会い更正しようと故郷の村に帰るが…。噂する村人、拒絶する父、肉体関係を強いる元カレ、さらに義兄を誘惑したと姉からも責められる。運命に翻弄され、村の黒い羊になったパオラの短い人生を描く。ロッセリーニの撮影が戦争のため何度か中断されヒロイン役も交代、1944年にパグリエーロが引き継いだ。脚本や舞台が全面的に変更されているが、はロッセリーニが撮影したシーンの一部が含まれている。

  • 『自転車泥棒 Ladri di Biciclette(82分/16mm)』

  • 自転車泥棒 Ladri di Biciclette(82分/16mm) 上映スケジュール
  • 公開:1948年
    監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
    出演:ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタヨーラ、リアネーラ・カレル、ジーノ・サルタマレンダ
    失業し貧困に喘ぐアントニオがやっと得たポスター貼り。しかし、仕事に必要な自転車が盗まれ…。一台の自転車をきっかけに次々に起こる不運の連鎖。貧しさゆえの犯罪と、抗いようのない現実に追い込まれていく人間の姿を、素人の起用と全編ロケーション撮影によって生々しく描く。衝撃のラストシーンがいつまでも澱のように心に残る永遠の名作。

  • 『ドイツ零年 Germania anno zero(73分/デジタル)』

  • ドイツ零年 Germania anno zero(73分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1948年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:エドムント・メシュケ、エルンスト・ピットシャウ、バーバラ・ヒンツ
    第二次大戦直後のベルリン。病気の父と無職の兄に代って働きに出た少年・エドムントは、元担任教師に出会い、彼のナチ思想に感化されるが…。敗戦によって無と帰したドイツ零年。廃墟の中を、忘れられた子どもたちとナチスの亡霊が彷徨い歩く。戦争がもたらす悲惨と絶望を冷徹なドキュメンタリー・タッチで描き、ヌーヴェル・ヴァーグの作家達に甚大な影響を与えた傑作。

  • 『アモーレ L'amore(79分/デジタル)』

  • アモーレ L'amore(79分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1948年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:アンナ・マニャーニ、フェデリコ・フェリーニ
    第1話「人間の声」は女が電話で男をかき口説くだけという野心的作品。電話のベル、上階の喧騒、戸外の車、足音など音の演出も素晴らしい。 第2話「奇蹟」は信心深い女が放浪者を聖ヨゼフと思い込み妊娠するというマリア受胎を暗示する話で、ヘイズコード見直しの契機となったことで有名。脚本と放浪者役はフェリーニ。1話の室内劇、2話の高低差を生かしたロケの使い分けも素晴らしいが、不世出の俳優アンナ・マニャーニを堪能すべき作品。

  • 『越境者 Il Cammino Della Speranza(98分/デジタル)』

  • 越境者 Il Cammino Della Speranza(98分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1950年
    監督:ピエトロ・ジェルミ
    出演:サロ・ウルツィ、ラフ・ヴァローネ、エレナ・ヴァルツィ、フランコ・ナヴァッラ
    炭鉱閉鎖で食い詰めたシチリアの村人がフランスに不法越境しようとする。手配師に騙され故郷を捨てた一行を襲う苦難と、国内ですら存在するシチリア人差別。「死ぬなら故郷で」と途中で諦める仲間も出る中、猛吹雪の中の山越えを支えるのはフランスという希望なのだ。ピエトロ・ジェルミ初期の傑作で、第1回ベルリン国際映画祭銀熊賞。

  • 『寄席の脚光 Luci del Varietà(97分/デジタル)』

  • 寄席の脚光 Luci del Varietà(97分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1950年
    監督:アルベルト・ラトゥアーダ、フェデリコ・フェリーニ
    出演:ペッピノ・デ・フィリッポ、カルラ・デル・ポッジョ、ジュリエッタ・マシーナ、ジョン・キッツミラー
    ドサ回りの寄席芸人一座を舞台に、新人ダンサーに入れ込む座長と内縁の妻、根無し草の芸人たちが織りなす人生模様をほろ苦く描く。フェリーニが担当したといわれるステージシーンが素晴らしく、手品やダンスなど三流ながらも陽気な芸人たちが生き生きと描かれる。共同監督だが、フェリーニが初めてメガホンを握ったバック・ステージものの佳作。

  • 『ミラノの奇蹟 Miracolo a Milano(96分/デジタル)』

  • ミラノの奇蹟 Miracolo a Milano(96分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1951年
    監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
    出演:フランチェスコ・ゴリザーノ、パオロ・ストッパ、エンマ・グラマティカ、ブルネラ・ボーヴォ
    名匠デ・シーカによるメルヘン風刺譚。育ての親が死んで街に放り出された捨て子のトトは、貧しい仲間とバラック部落を作るが、その土地から石油が出たからさあ大変! 貧しいが純粋な人々に訪れる奇跡に感動必至の隠れた名作。『E.T.』に影響を与えたという有名なシーンも!

  • 『白い酋長 Lo Sceicco Bianco(86分/デジタル)』

  • 白い酋長 Lo Sceicco Bianco(86分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1951年
    監督:フェデリコ・フェリーニ
    出演:レオポルド・トリエステ、ブルネラ・ボーヴォ、アルベルト・ソルディ、ジュリエッタ・マシーナ
    連続活劇「白い酋長」の主演スター・リボリに夢中のワンダは、新婚旅行中なのに夫そっちのけでリボリを追いかけ…。子どものような主人公、幻想に溢れた光景、大騒動のすえに訪れる大団円、そして果てしないおしゃべり。後のフェリーニの総てが詰まったような初単独監督作。夜の街で火吹き芸に拍手を送るカリビアという娼婦を演じるはジュリエッタ・マシーナ!

  • 『ベリッシマ Bellissima(114分/デジタル)』

  • ベリッシマ Bellissima(114分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1951年
    監督:ルキノ・ヴィスコンティ
    出演:アンナ・マニャーニ、ワルテル・キアーリ、ティーナ・アピチェラ、アレッサンドロ・ブラゼッティ、ガストーネ・レンツェッリ
    娘を映画スターにしようと、ベリッシマ(美少女)コンテストに出場させるステージ・ママをアンナ・マニャーニが演じる。自分の夢のため、娘が嫌がろうと夫が反対しようと猪突猛進、ひたすら喋り続けるマニャーニが圧巻。万国共通のお受験ママの悲喜劇だが、ラストは感動必至の人情話。貧しき庶民の生き生きとした姿は、まさに“赤い貴族”ヴィスコンティの面目躍如!

  • 『ウンベルトD Umberto D.(89分/16mm)』

  • ウンベルトD Umberto D.(89分/16mm) 上映スケジュール
  • 公開:1952年
    監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
    出演:カルロ・バティスティ、マリア・ピア・カジリオ、リナ・ジェナリ
    家賃を滞納して部屋から追い出された元公務員の年金生活者ウンベルト。物乞いをしようと思い立つがプライドが許さず…。地位、お金、住居、人間関係。これまでの人生の全てを失いながらも、なお人間らしく生きようとするウンベルトの姿を通して魂の尊厳とは何かに迫る。スコセッシが「ネオレアリズモの極致」と絶賛し、キアロスタミやホウシャオシェンも愛してやまない傑作中の傑作。

  • 『ヨーロッパ一九五一年 Europa'51(118分/デジタル)』

  • ヨーロッパ一九五一年 Europa'51(118分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1952年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:イングリッド・バーグマン、アレクサンダー・ノックス、エットレ・ジャンニーニ、ジュリエッタ・マシーナ
    アメリカからイタリアにやってきたブルジョア夫人・アイリーンは、我が子を自殺で失い…。魂の救いを求めて訪ねる工場やスラムの生々しさ、貧しい子どもに初めてパンを与えたアイリーンの雷に撃たれたようなクローズアップが素晴らしい。自責の念から貧しい人々に近づき、やがて愛に目覚めていくアイリーンは“聖人”か“狂人”か!? 信じるもののため地位や家族すら捨てる姿は、バーグマンの実像と重なる。

  • 『殺人カメラ La Macchina Ammazzacattivi(83分/デジタル)』

  • 殺人カメラ La Macchina Ammazzacattivi(83分/デジタル) 上映スケジュール
  • 公開:1952年
    監督:ロベルト・ロッセリーニ
    出演:マリリン・ビュファード、ウィリアム・タッブス、クララ・ビンディ、ジェンナロ・ピサノ
    写真屋が謎の老人から殺人カメラを与えられ…。ホテル建設のため町を訪れた米人一行をめぐって人々の邪な欲望が露わになり、写真屋は正義感から悪人を処刑する。金の力で文化の破壊・略奪を企むアメリカへの不信をブラック・コメディの形を借りて描いており、高低差のある町がアメリカとの経済格差を暗示する。正義と悪の境界が揺らぎ、悪魔と神は信じる者の見方しだいで変わる。

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