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近日上映予定

  • 蓮實重彦セレクション　二十一世紀のジョン・フォードPartⅢ

  • 2023/04/22 ～ 2023/05/26

『ジョン・フォード論』刊行記念特集
「フォードを、断乎、観るのだ」蓮實重彦

◆特別上映『捜索者』『リバティ・バランスを射った男』『荒野の女たち』『香も高きケンタッキー』は均一料金1,600円（ポイント鑑賞不可）
※『果てなき船路』のみ35mm 他作品デジタル上映

チケットは上映当日の10：30より、劇場受付で販売いたします。
お支払いは現金のみの取り扱い、ご予約・オンラインチケットの販売はございません。
混雑時はチケット販売開始時間が早まる場合がございますので、ご了承ください。

  • 上映予定作品一覧（全53本）

『黒時計連隊』
『最後の一人』
『河上の別荘』
『人類の戦士』
『世界は動く』
『虎鮫島脱出』
『鍬と星（北斗七星）』
『四人の復讐』
『ウィリーが凱旋するとき』
『栄光何するものぞ』
『誉の名手』
『砂に埋れて』
『アイアン・ホース』
『四人の息子』
『血涙の志士』
『最敬礼』
『大空の闘士』
『戦争と母性』
『プリースト判事』
『俺は善人だ』
『ハリケーン』
『若き日のリンカーン』
『モホークの太鼓』
『怒りの葡萄』
『果てなき船路』
『タバコ・ロード』
『荒野の決闘』
『アパッチ砦』
『静かなる男』
『太陽は光り輝く』
『モガンボ』
『鄙より都会へ』
『野人の勇』
『誉れの一番乗』
『三悪人』
『肉体』
『ドクター・ブル』
『肉弾鬼中隊』
『男の敵』
『周遊する蒸気船』
『メアリー・オブ・スコットランド』
『サブマリン爆撃隊』
『駅馬車』
『わが谷は緑なりき』
『コレヒドール戦記』
『逃亡者』
『三人の名付親』
『黄色いリボン』
『リオ・グランデの砦』
『捜索者』
『リバティ・バランスを射った男』
『荒野の女たち』
『香も高きケンタッキー』

  • 『黒時計連隊 The Black Watch（92分）』

  • 黒時計連隊 The Black Watch（92分） 上映スケジュール
  • 公開：1929年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヴィクター・マクラグレン、マーナ・ロイ、デイヴィッド・トレンス、デイヴィッド・ロインズ、シリル・チャドウィック、ロイ・ダーシィ、パット・サマーセット
    スコットランドの「黒時計連隊」がフランス戦線に向かう中、大尉のヴィクター・マクラグレンはインドへ向かうよう命令される。インドでは土俗宗教の教祖が反乱を企てており、大尉は英国軍から裏切者扱いされながら敵組織に潜入するが…。手をつないで歌い、キルトにバグパイプで出兵するスコットランド部隊、謎の教祖マーナ・ロイとの恋模様など、トンデモな設定満載。

  • 『最後の一人 Men Without Women（74分）』

  • 最後の一人 Men Without Women（74分） 上映スケジュール
  • 公開：1930年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ケネス・マッケンナ、フランク・アルバートソン、ポール・ペイジ、ウォーレン・ハイマー、Ｊ・ファーレル・マクドナルド、スチュアート・アーウィン
    上海租界で愉快に飲み騒ぐ米海海軍の潜水艦の乗組員たち。その中にバークという謎の男が…。その後、船舶と接触した潜水艦が沈没し、無線は通じず、刻一刻と酸素が薄くなっていく。一人、また一人と倒れていく後半の緊迫感が凄い。現存する唯一のサウンド・ヴァージョンはワークプリントから復元されたものだが、聞き取れないセリフは字幕で補っている。

  • 『河上の別荘 Up the River（85分）』

  • 河上の別荘 Up the River（85分） 上映スケジュール
  • 公開：1930年
    監督：ジョン・フォード
    出演：スペンサー・トレイシー、ウォーレン・ハイマー、クレア・ルース、ハンフリー・ボガート、ウィリアム・コリアー・シニア、ジョージ・マクファーレーン
    2度の脱獄、受刑者同士の恋愛、詐欺師の暗躍、刑務所対抗野球大会と、怒涛の展開を85分に詰め込んだスピード感！無駄な説明を一切せずに。友情と恋を笑いと歌にのせて描き切るフォードの手腕が素晴らしい。スペンサー・トレイシーとハンフリー・ボガートの長編デビュー作でもある。ごく短いトビが多く現存するフィルムの劣化が伺われるが、それでも観るに値する傑作。

  • 『人類の戦士 Arrowsmith（99分）』

  • 人類の戦士 Arrowsmith（99分） 上映スケジュール
  • 公開：1931年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ロナルド・コールマン、ヘレン・ヘイズ、リチャード・ベネット、A・E・アンソン、クロード・キング、ビューラ・ボンディ
    シンクレア・ルイスの原作の映画化で、幼くして医学を志し細菌学の大家の愛弟子となったアロウスミスの人生を描く。ロナルド・コールマンが危険を顧みず黒死病（ペスト）が蔓延する西印度諸島に赴く科学の戦士を演じる。ひとつの伝染病を克服したが、妻を失い、恩師も亡くなり、再び新たな病との闘いに向かうアロウスミスが感動的。若きマーナ・ロイも顔を見せる。

  • 『世界は動く The World Moves On（105分）』

  • 世界は動く The World Moves On（105分） 上映スケジュール
  • 公開：1934年
    監督：ジョン・フォード
    出演：マデリーン・キャロル、フランチョット・トーン、レジナルド・デニー、シグ・ルーマン、ルイーズ・ドレッサー
    1825年から大恐慌時代後に至る欧米を舞台に、米の綿花富豪と英独仏のファミリー企業の栄枯盛衰を描く。第一次大戦がはじまり家族同様の者たちが敵味方に分かれて戦うが、人間の絆は消えることはない。戦闘シーンが素晴らしく、二代に渡る恋愛模様も見もの。マデリーン・キャロルのアメリカ映画デビュー作で、この後ヒッチコックの『三十九夜』に出演することになる。

  • 『虎鮫島脱出 The Prisoner of Shark Island（97分）』

  • 虎鮫島脱出 The Prisoner of Shark Island（97分） 上映スケジュール
  • 公開：1936年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ワーナー・バクスター、グロリア・スチュアート、クロード・ギリングウォーター、アーサー・バイロン、O・P・ヘギー、ハリー・ケリー
    リンカーン暗殺者を治療したため虎鮫島送りにされたマッド医師。監獄の周りには鮫がウヨウヨ、脱獄のため忍び込んだ使用人と地下独房に捕まり…。実在の医師の伝記映画だが、映画はサスペンスフル。アッと驚く展開で活躍するマッド医師に、鬼のようなジョン・キャラダインの目にも涙。リンカーンの演説と暗殺のシーンも冴えている。

  • 『鍬と星（北斗七星） The Plough and the Stars（68分）』

  • 鍬と星（北斗七星） The Plough and the Stars（68分） 上映スケジュール
  • 公開：1936年
    監督：ジョン・フォード
    出演：バーバラ・スタンウィック、プレストン・フォスター、バリー・フィッツジェラルド、デニス・オディア、F. J.マコーミック、アイリーン・クロウ
    アイルランド共和国設立を目指したイースター蜂起で、市街戦から屋根に追いつめらた者たちの戦闘など緊迫の活劇が繰り広げられる。だが作品の中心は夫を戦いに行かせまいとするバーバラ・スタンウィックにあり、市民たちもこぞって火事場泥棒したり、老人たちがバーを襲ったりと、大儀に命をかける独立派と英雄になりえない者たちへの眼差しが交錯する。戦いは前線だけではない。

  • 『四人の復讐 Four Men and a Prayer（86分）』

  • 四人の復讐 Four Men and a Prayer（86分） 上映スケジュール
  • 公開：1938年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ロレッタ・ヤング、リチャード・グリーン、ジョージ・サンダース、デヴィッド・ニーヴン、Ｃ・オーブリー・スミス、ウィリアム・ヘンリー、Ｊ・エドワード・ブロムバーグ、アラン・ヘイル、レジナルド・デニー、ジョン・キャラダイン、バリー・フィッツジェラルド、アラン・ヘイル、ジョン・キャラダイン
    冤罪で除隊させられた父親の名誉を挽回しようと四人の息子たちが奮闘する。フォード組ではないジョージ・サンダースやデヴィッド・ニーヴンがユーモラスに息子役を演じるが、主役と言えるのは次男の恋人ロレッタ・ヤング。フォード的ではない作品に見えるが、点呼から始まり、家族の絆、海、奥行きの構図、サスペンス、スピーディーな展開と見どころあり。全体を覆う軽い雰囲気も魅力。

  • 『ウィリーが凱旋するとき When Willie Comes Marching Home（83分）』

  • ウィリーが凱旋するとき When Willie Comes Marching Home（83分） 上映スケジュール
  • 公開：1950年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ダン・デイリー、コリンヌ・カルヴェ、コリーン・タウンゼント、ウィリアム・デマレスト、ジミー・ライドン、ロイド・コリガン、イヴリン・ヴァーデン
    真珠湾攻撃が起こり、田舎町のウィリーは真っ先に志願兵に。最初は英雄扱いされるが、地元基地に足止めされて…。バカにされ家族からも帰ってくるなと言われる哀れなウィリーが怒涛の活躍をする後半のスピードとユーモアたるや！戦争高揚気分にチクッと皮肉を効かせた語り口も素晴らしい。アルトマンが戦争をコケにする『マッシュ』で題名がアナウンスされるのも当然の傑作。

  • 『栄光何するものぞ What Price Glory（110分）』

  • 栄光何するものぞ What Price Glory（110分） 上映スケジュール
  • 公開：1952年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジェームズ・キャグニー、ダン・デイリー、コリンヌ・カルヴェ、ロバート・ワグナー、マリサ・パヴァン、ジェームズ・グリーソン、ウィリアム・デマレスト
    ラオール・ウォルシュの『栄光』のリメイク。第二次大戦中のフランスの町で酒場の娘をめぐって争う米軍大尉と軍曹。だが結局は命がけの戦場で生まれる友情が何より大事。駒のように扱われ「何が栄光だ!!」と激怒するキャグニーだが、命令が下れば前線に戻っていく。酒場での乱痴気騒ぎ、殴り合い、歌などフォードらしさが満載。

  • 『誉の名手 Straight Shooting（62分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1917年
    監督：ジャック・フォード（ジョン・フォード）
    出演：ハリー・ケリー、デューク・リー、ジョージ・ベレル、モリー・マローン、テッド・ブルックス、フート・ギブソン、ミルトン・ブラウン、ヴェスター・ペッグ
    苦労して入植し生活を築いた者たちを追い出そうと企む牧場主たちは、お尋ね者の“シャイアン・ハリー”を雇って汚い仕事をさせようとするが…。ユニヴァーサル時代のフォード作品で現在観ることができる最も古い作品。有名な籠城戦の緊張感、ロングショットでとらえた馬たちの躍動感、そして木の下で寄り添う男女。馬を操る名人であったハリー・ケリーが河を渡って愛する娘の家へ向かうシーンが何とも素晴しい。

  • 『砂に埋れて Hell Bent（53分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1918年
    監督：ジャック・フォード（ジョン・フォード）
    出演：ハリー・ケリー、デューク・リー、ネヴァ・ガーバー、ヴェスター・ペッグ、ジョー・ハリス
    絵の中の人物が動きだす冒頭がオシャレ。流れ者のハリー・ケリーが町を牛耳る強盗団のボスに挑む。ダンスホールやホテルの部屋へ闖入するときも、常に一緒のハリーと馬の相棒ぶりをご覧あれ。ボスに攫われた愛する女性を追って砂漠に足を踏み入れるハリー。銃撃戦と凄まじい砂嵐など見どころ満載。ビルとの友情にも泣ける。

  • 『アイアン・ホース The Iron Horse（150分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1924年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョージ・オブライエン、マッジ・ベラミー、シリル・チャドウィック、フレッド・コーラー、グラディス・ヒューレット、Ｊ・ファレル・マクドナルド
    困難を極めた1860年代の大陸横断鉄道敷設に、父をシャイアン族に殺された青年の復讐と恋愛を絡めて描いた壮大な叙事詩。ネバダの砂漠に人工の町を建設し、膨大な数のエキストラと動物を投入した大迫力の映像は必見。ジョン･フォード自身が最も好きな映画だと語った一本で、本作によって一流監督の仲間入りを果たした。

  • 『四人の息子 Four Sons（96分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1928年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジェームズ・ホール、マーガレット・マン、アール・フォックス、チャールズ・モートン、フランシス・Ｘ・ブッシュマン・Ｊｒ、ジョージ・ミーカー
    バイエルンで四人の息子と幸せに暮らす未亡人。しかし第一次大戦が始まると、息子の一人は自由を求めて渡米し、他の三人は徴兵されてしまう。そして次々に息子の戦死の報せが届き…。フォードのサイレント期の代表作の1本で、ドイツを舞台に描いた反戦色の強い母子ドラマ。戦死の通知を届けに来る郵便配達人と犬のコンビが未亡人の悲しみを思いやる場面も印象的。

  • 『血涙の志士 Hangman’s House（71分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1928年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヴィクター・マクラグレン、ジューン・コリアー、ラリー・ケント、アール・フォックス、ホバート・ボスウォース、ジョセフ・バーク、エリック・メイン
    1920年代、イギリス統治下にあったアイルランド苦難の時代を舞台に描いた仇討ち物語。ジョン・フォードには珍しい特殊合成を使った幻想シーンや、生き生きとした動物たちの描写が楽しめる傑作サイレント。特に競馬シーンはボグダノヴィッチが『静かなる男』を超えると称えた素晴らしさ。

  • 『最敬礼 Salute（84分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1929年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョージ・オブライエン、ヘレン・チャンドラー、ステピン・フェチット、ウィリアム・ジャネイ、フランク・アルバートソン、ジョイス・コンプトン、クリフォード・デンプシー、ラムスデン・ヘイア、デヴィッド・バトラー、レックス・ベル、ウォード・ボンド、ジョン・ブリーデン、ジョン・ウェイン
    兄は陸軍士官学校のヒーローで、弟は海軍兵学校に入学間近。代々軍人という家系に生まれた兄弟の姿を描く。スポーツ万能でフットボールのスターの兄に比べられ、期待される弟の肩身の狭さ。そして思いを寄せる女性もまた兄が攫っていってしまうのか!? クライマックスのフットボール対戦に恋の闘いも絡んだ爽やかな作品。画質が良くないことをご了承の上ご覧ください。

  • 『大空の闘士 Air Mail（85分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1932年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ラルフ・ベラミー、パット・オブライエン、ラッセル・ホプトン、スリム・サマービル、グロリア・スチュアート、リリアン・ボンド、ウィリアム・ダリー、フランク・アルバートソン、レスリー・フェントン、トーマス・カリガン、ハンス・ファーバーグ、デイヴィッド・ランドー
    航空便を届けるために命をかける飛行機乗りたちの話。ホークスの『無限の青空』『コンドル』と同じテーマで、特に『コンドル』とは抜群の腕を持つ流れ者のパイロット、悪天候の中でも飛ぼうとする男を引き留めるヒロインなど構造が似ている。撮影はカール・フロイントで、豪雨のシーンの素晴らしさに魅せられる一作。

  • 『戦争と母性 Pilgrimage（96分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1933年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリエッタ・クロスマン、ヘザー・エンジェル、ノーマン・フォスター、マリアン・ニクソン、ヘッダ・ホッパー、モーリス・マーフィー、ルシル・ラ・バーン、チャールズ・グレイプウィン、ロバート・ワーウィック、ルイズ・カーター、ベティ・ブライス、サラ・パッデン、フランシス・フォード、ジェイ・ウォード
    一人息子を溺愛する寡婦。息子の恋人が結婚前に妊娠したことが許せず、孫の姿を見ても苦々しく思うばかり。息子が戦死した後も嫉妬心を隠さない頑迷な母親をヘンリエッタ・クロスマンが見事に演じる。アイルランドの田舎からフランスを訪れた際、青年の自殺を止めたことから変わっていく母親という特異な設定が、この作品をフォードの中でも特別なものにしている。

  • 『プリースト判事 Judge Priest（81分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1934年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ウィル・ロジャース、ハティ・マクダニエル、トム・ブラウン、ヘンリー・Ｂ・ウォルソール、フランシス・フォード
    南北戦争の記憶が残るケンタッキーの町で起こった傷害事件の真相を描く裁判劇。ウィル・ロジャースの当り役であるプリースト判事が見事な手腕を発揮する、言わずと知れた傑作。偉そうな検事の足元の痰ツボに痰を命中させるフランシス・フォードのおかしさ、法廷の窓の外で始まる演奏、それに続く怒涛のパレードの多幸感に満ちたエンディングに圧倒される。

  • 『俺は善人だ The Whole Town’s Talking（93分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1935年
    監督：ジョン・フォード
    出演：エドワード・Ｇ・ロビンソン、ジーン・アーサー、ウォーレス・フォード、アーサー・ホール、エドワード・ブロフィ、アーサー・バイロン、ドナルド・ミーク、フランシス・フォード
    風采はあがらないが心優しい会社員・エドワード・G・ロビンソンは、心を寄せる同僚（ジーン・アーサー）をやっとの思いで昼食に誘うが、その食事中に突然逮捕される。ロビンソンは脱走したギャングのボスに瓜二つだったのだ。ロビンソンの一人二役の見事さはもちろん、きっぷのいいジーン・アーサーが事件を益々混乱させるのも可笑しい軽妙洒脱な一本！

  • 『ハリケーン The Hurricane（104分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1937年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ホール、ドロシー・ラムーア、レイモンド・マッセイ、ジョン・キャラダイン、メアリー・アスター、トーマス・ミッチェル
    南国の島を舞台にした、ラブロマンス＆脱獄劇＆海洋パニック映画。何といっても後半の巨大ハリケーン描写が凄まじく、人や建物を吹き飛ばす暴風、島を飲み込まんばかりの高波の描写は、これが30年代の特撮かと目を疑うような見事さである。現地人の知恵を生かして巨木に身体を縛りつけ生き残った男女は、文明に対する自然の勝利を表しているようだ。

  • 『若き日のリンカーン Young Mr. Lincoln（100分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1939年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリー・フォンダ、アリス・ブラディ、マージョリー・ウィーヴァー、ドナルド・ミーク、リチャード・クロムウェル、エディ・クィラン、ミルバーン・ストーン、ウォード・ボンド、フランシス・フォード
    弁護士として活躍していた若き日のリンカーンの姿を描く。警官殺害事件で逮捕された兄弟をリンチにかけようと怒り狂う群集。法廷は荒れ…。リンカーンの姿かたちに限りなく近づいたヘンリー・フォンダの演技のすばらしさ。木にもたれて本を読むショットから、幼馴染の女性と川沿いを歩き別れた後にフォンダが川に石を投げいれ波紋が広がるまでのシーンが素晴らしい。

  • 『モホークの太鼓 Drums Along the Mohawk（104分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1939年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリー・フォンダ、クローデット・コルベール、エドナ・メイ・オリヴァー、ジョン・キャラダイン
    現在のNY州の北部にあったモホークを舞台に、原住民を利用してアメリカの独立を阻止しようとイギリスの王党派と入植者たちの争いを描く。フォードにとって初めてのカラー作品。俊足を誇るフォンダが援軍を呼びに走り、そえれを原住民たちが追う長い長い逃走シーンが有名。フォンダを見送る妻のクローデット・コルベールの美しさも忘れ難い。

  • 『怒りの葡萄 The Grapes of Wrath（130分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1940年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル、ジョン・キャラダイン、チャーリー・グレープウィン、ドリス・ボードン、ラッセル・シンプソン、メエ・マーシュ、ウォード・ボンド、フランシス・フォード
    刑務所を出たフォンダは、家族と共に職を求めてカリフォルニアに向かう。しかし800人の募集に2万人が押しかけ…。恐慌の波に翻弄される1930年代のアメリカ社会と資本主義の矛盾、民衆のヴァイタリティを力強く描く。家族を支える母親を圧倒的存在感で演じたジェーン・ダーネルはアカデミー賞を受賞した。

  • 『果てなき船路 The Long Voyage Home（105分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1940年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル、イアン・ハンター、ウォード・ボンド、バリー・フィッツジェラルド、ウィルフリッド・ローソン、ミルドレッド・ナトウィック、ジョン・クォーレン、アーサー・シールズ、ジョー・ソーヤー、Ｊ・Ｍ・ケリガン
    第二次大戦下、貨物船グレンケアンの水夫たちが船内や寄港地で引き起こす騒動や友情を描く。白黒の陰影、島影を映す暗い海など、グレック・トーランドによる映像は息を呑む美しさ。薬を飲まされ“地獄船”に囚われた若い船員（ジョン・ウェイン）を救出せんと駆け付けるベテラン船員たち。男しかいない船員の中で、彼らに保護され悪い習慣から遠ざけられ、命懸けで救出されるというお女性的役割を演じる若きウェインの初々しさもまた貴重である。

  • 『タバコ・ロード Tabacco Road（85分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1941年
    監督：ジョン・フォード
    出演：チャーリー・グレープウィン、ジーン・ティアニー、マージョリー・ランボー、ウィリアム・トレイシー、スリム・サマーヴィル、ワード・ボンド
    種も買えない貧困農家が銀行から土地代を請求されて、読み書きのできない老夫婦と頭の弱い姉弟は困り果てる。一家で盗んだカブを奪いあうわ、バカ息子が宗教オバサンと結婚して買った高級車もアッという間に鉄くずにするわ、オバサンが讃美歌を歌うとその場の全員が唱和しちゃうわ、強烈なキャラクターと凄い展開に驚愕必至の救いのないコメディともいうべき一作。そんな中で姉役のジーン・ティアニーの美しさが別世界。

  • 『荒野の決闘 My Darling Clementine（97分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1946年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリー・フォンダ、リンダ・ダーネル、ヴィクター・マチュア、キャシー・ダウンズ、ウォルター・ブレナン、ウォード・ボンド、ジョン・アイアランド
    弟を殺した犯人を見つけるため保安官を引き付けたワイアット･アープはクラントン一家に目を付ける。そんな中、肺病病みの賭博師ドク･ホリデイと知り合ったアープは、ドクを訪ねて来たクレメンタインに心を奪われ…。誰もが知るOK牧場の決闘がテーマだが、むしろ日常的な床屋やダンスのシーンがとても印象的なのが、静かな西部劇と言われる所以か。

  • 『アパッチ砦 Fort Apache（128分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1948年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、シャーリー・テンプル、ペドロ・アルメンダリス、ジョン・エイガー、アンナ・リー、ヴィクター・マクラグレン、ウォード・ボンド、フランシス・フォード
    アパッチ砦にやってきた新しい司令官は先任大尉の意見を無視し、居留地から逃げ出した原住民を武力で制圧しようとするが…。アパッチの襲撃に追われる騎兵隊の幌馬車が、横転しそうになりつつ物凄いスピードで疾走する実写の迫力に唸らせられる。『黄色いリボン』『リオ・グランデの砦』と続くフォード騎兵隊三部作の第一作。

  • 『静かなる男 The Quiet Man（130分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1952年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、モーリーン・オハラ、バリー・フィッツジェラルド、ワード・ボンド、ヴィクター・マクラグレン、ミルドレッド・ナットウィック、フランシス・フォード、アイリーン・クロウ
    アイルランドの村に帰郷したアメリカ人元ボクサーと村の女性が結ばれるまでの紆余曲折を、ユーモアと愛情を持って描いた作品。恋とケンカと歌と酒、そしてお祭り騒ぎの大団円。フォードの故国アイルランドへの愛が溢れだす。ジョン・ウェインが村に向かう途中、赤いスカートを翻して羊の群れを率いるモーリン・オハラと視線を交わす運命の出会いのシーンが素晴らしい。

  • 『太陽は光り輝く The Sun Shines Bright（101分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1953年
    監督：ジョン・フォード
    出演：チャールズ・ウィニンジャー、アーリーン・ウィラン、ジョン・ラッセル、ステピン・フェチット、ラッセル・シンプソン、ルドウィヒ・ストッセル
    『プリースト判事』のリメイク作品。判事選挙を控えた南軍派のプリーストはある事情で医者の養女になった娘を気にかけているが…。選挙当日、北部出身の対立候補が選挙活動に勤しむ中、大通りを娼館で死んだ女性の葬列がやってくる。その葬列に従うのはプリーストだけ。しかし一人また一人と列に加わり沈黙の大行進が教会まで続く。最後に控えた判事選後の戦勝パレードにも見られるように、パレードはフォードにおける重要な要素と言える。

  • 『モガンボ Mogambo（116分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1953年
    監督：ジョン・フォード
    出演：クラーク・ゲーブル、エヴァ・ガードナー、グレース・ケリー
    動物園の依頼で猛獣を手に入れる仕事をしているクラーク・ゲーブルのキャンプにエヴァ・ガードナーがやってくる。そして人妻のグレース・ケリーとゲーブルを争うというワイルドなメロドラマ。小象と戯れてひっくり返り、瓶を投げつけ、歌い、嫉妬しても懐の深さを見せるガードナーが魅力的。アフリカのサバナでもエレガントな洋服を着た女性たちと美しい猛獣たちが主役の作品。

  • 『鄙より都会へ Bucking Broadway（52分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1917年
    監督：ジャック・フォード（ジョン・フォード）
    出演：ハリー・ケリー、モリー・マローン、L・M・ウェルズ、ヴェスター・ペグ、ウィリアム・スティール、ガートルード・アスター、マーサ・マトックス
    婚約した娘が都会から来た男に誘惑され駆け落ちする。悪い男から婚約者を奪い返すカウボーイ（ハリー・ケリー）のシンプルな物語だが、大都会の街中をカウボーイ仲間が馬に乗って駆け付けホテルのでの大乱闘シーンのカットバックが最高。さあ喧嘩だと帽子を一斉に脱ぎ捨てる仲間たちの一致結束ぶり！修復された美しい映像でご覧ください。

  • 『野人の勇 Just Pals（50分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1920年
    監督：ジャック・フォード（ジョン・フォード）
    出演：バック・ジョーンズ、ヘレン・ファーガソン、ジョージィ・ストーン
    気はいいが怠け者のビムは、教師のメアリーに恋している。そんなある日、ビムの友達の少年が泥棒の濡れ衣を着せられ…。ユニバーサルからフォックスに移籍して初のジョン・フォード作品。テンポよく展開する、ハート・ウォーミングな短編。

  • 『誉れの一番乗 The Shamlock’s Handicap（67分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1926年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジャネット・ゲイナー、レスリー・フェントン、J・ファレル・マクドナルド、ウィラード・ルイス、クレア・マクドウェル
    食い詰めたアイルランドの領主が障害物レースで一旗揚げようと、家族と名馬を連れてアメリカに渡る。ところが娘の恋人である騎手がケガしてしまい…。帽子を掲げた腕を下ろして愛する男のもとへと小走りするジャネット・ゲイナーの可愛さ。馬だけでなく、犬、ガチョウ、羊など多くの動物たちが登場。そして馬の首を撫でながら重なりあう恋人たちの手。

  • 『三悪人 Three Bad Men（92分／サイレント）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1926年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョージ・オブライエン、オリーヴ・ボーデン、J・ファレル・マクドナルド、トム・サンチ
    1877年、土地解放時代のダコタ州を舞台に、三人のお尋ね者が父を殺された女の子を守るために戦う姿を描く。三悪人の友情、悪徳保安官一味との死闘、ロマンスと悲しい別れなど見どころたっぷり。馬車が疾走する迫力の土地獲得レース、斬新なカメラワークと、フォードの無声映画の最高傑作の呼び声も高い。

  • 『肉体 Flesh（96分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1932年
    監督：ジョン・フォード（ノン・クレジット）
    出演：ウォーレス・ビアリー、カレン・モーリー、 リカルド・コルテス
    ドイツのレスラーのポラカイとアメリカ人ローラの出会いから結婚、二人が真に結ばれるまでを描く。店内にリングが設置されたレストランで毎夜レスリングをする給仕のポラカイ。彼の逞しくも粗野な肉体とローラのヒモ男の洗練された装いが対照的。黄金の心を持つポラカイが犯す罪と、刑務所の金網越しに見つめ合い手を絡める二人の姿が感動を呼ぶ堂々たるメロドラマ。何故か監督表示がないが、フォードが自らのプロダクションで製作した監督作である。

  • 『ドクター・ブル Doctor Bull（78分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1933年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ウィル・ロジャース、マリオン・ニクスン、バートン・チャーチル、ルイズ・ドレッサー
    ウィル・ロジャース三部作の1本。小さな町の駅で列車から郵便物が投げ出され教会の鐘が鳴り響く。町医師ブルは寝る間も惜しんで働くも、町の人々は未亡人との中を疑って陰口を言う。彼を辞めさせようとする人々は行動に移すが…。列車の到着とポーンと投げられる郵便物はラストで反復され、彼の名誉が回復される。ビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』に影響を与えたと言われるオープニング・ショットが美しい。

  • 『肉弾鬼中隊 The Lost Patrol（72分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1934年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヴィクター・マクラグレン、ボリス・カーロフ、ウォーレス・フォード、レジナルド・デニー、アラン・ヘイル、Ｊ・Ｍ・ケリガン、ビリー・ビーヴァン、フランシス・フォード
    第一次大戦下のメソポタミアの砂漠戦線。中尉が冒頭で殺され、軍曹率いる10名ほどの小隊が砂漠で孤立。オアシスを発見しそこで見えないアラブ兵との籠城戦が始まる。ジリジリと照り付ける太陽と不条理な状況。一人また一人と殺害されていく恐怖で精神が崩壊していく。あまりにもやり切ない幕切れも忘れられない作品。ミハイル・ロンムがリメイクしている。

  • 『男の敵 The Informer（92分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1935年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヴィクター・マクラグレン、ヘザー・エンジェル、プレストン・フォスター
    アイルランド独立戦争の最中。IRAから外され食い詰めた男が女と渡米するため仲間を警察に売る。ヴィクター・マクラグレンが、腕っぷしは強いが欲に逆らえない無知な男を真っ直ぐありのままに演じる。ダブリンの霧の濃い夜、マクラグレンの蹲った背中の影がブロック塀に映るショットが不吉な未来を予言する。弱い男を主人公にした社会派ドラマでフォードが初のアカデミー監督賞を受賞した。

  • 『周遊する蒸気船 Steamboat Round the Bend（82分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1935年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ウィル・ロジャース、アン・シャーリー、ユージン・パレット、ジョン・マクガイア、アーヴィン・Ｓ・コッブ
    ミシシッピー河をおんぼろ蒸気船で周遊するドクとその甥デューク。ある日でデュークはフリーティという娘を救うため殺人を犯し、その裁判で死刑を宣告される。彼の窮地を救うべくドクとフリーティの奔走が始まる！フォードによる、古き良きアメリカへの郷愁に満ちた軽やかな人情喜劇。ラストにデュークとライバルが蒸気船レースに挑むスラップスティックな魅力は筆舌に尽くしがたい。

  • 『メアリー・オブ・スコットランド Mary of Scotland（124分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1936年
    監督：ジョン・フォード
    出演：キャサリン・ヘプバーン、フレドリック・マーチ、フローレンス・エルドリッジ、ダグラス・ウォルトン、ジョン・キャラダイン
    権謀術数に長けた女王エリザベスとフランスで幸せに育った従姪メアリーの運命的相克を描く。フォードとケイトが組んだ唯一の作品。スコットランドに帰国した女王を迎えて歌う民衆たちの高揚と彼らを見つめるケイトのアップが最高に美しい。風やバグパイプによって届けられる愛、ケイトの黒い衣装、画面を照らす光が美しい。物凄い風が吹き雷も落ちる。

  • 『サブマリン爆撃隊 Submarine Patrol（91分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1938年
    監督：ジョン・フォード
    出演：リチャード・グリーン、ナンシー・ケリー、プレストン・フォスター、ジョージ・バンクロフト、スリム・サマーヴィル
    名家の御曹司ペリーが海軍に入隊すると、小さなオンボロ駆潜挺に配属される。そこへベテラン中尉が船長として着任、ペリーを含めた素人乗組員を鍛え上げる。地雷が浮かぶ夜の海で敵潜水艦との戦闘がクライマックス。ユーモラスな仲間、補給船の船長の娘との恋も絡んだ海軍新兵物語。ラストの仲間たちとの恋の応答にグッとくる。

  • 『駅馬車 Stagecoach（96分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1939年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル、クレア・トレヴァー、ルイーズ・プラット、ジョン・キャラダイン、ドナルド・ミーク、ジョージ・バンクロフト、アンディ・ディヴァイン、バートン・チャーチル、フランシス・フォード
    駅馬車に乗り合わせた人々が織りなす人間ドラマを情感豊かに描きつつ、アパッチとの襲撃戦、クライマックスの決闘と、息もつかせぬ怒涛の展開をみせる本作は、西部劇のバイブルであり、アメリカ映画史に燦然と今も輝く金字塔である。1940年アカデミー賞2冠に輝いた、ジョン・フォード＆ジョン・ウェイン・コンビによる不滅のウエスタン。

  • 『わが谷は緑なりき How Green Was My Valley（119分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1941年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ウォルター・ピジョン、モーリーン・オハラ、ドナルド・クリスプ、アンナ・リー 、ロディ・マクドウォール、ジョン・ローダー、サラ・オールグッド、バリー・フィッツジェラルド、パトリック・ノウルズ
    19世紀末、ウェールズの炭坑夫一家。賃金カット、組合組織をめぐる父と息子の対立、家族の死、姉の不本意な結婚といった出来事に見舞われる。登場人物のモデルはフォードの両親と兄妹をだという。過酷な運命に見舞われる一家だが、それでも「人生は素晴らしい」というメッセージを、観るものの心に刻む人間賛歌。

  • 『コレヒドール戦記 They Were Expendable（135分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1945年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ロバート・モンゴメリー、ジョン・ウェイン、ドナ・リード、ジャック・ホルト、ワード・ボンド
    真珠湾攻撃直後、日本軍の進撃が続くフィリピンに取り残された米軍魚雷艇部隊の水兵達。酔っ払ってクダをまいたり、野戦病院の看護婦に恋をしたりと水兵達の生活が描かれる。しかし死ぬも生きるも命令次第、使い捨てにされる事を自覚した彼らは非日常の中に日常を見出そうとする。戦闘描写は少ないが臨場感が凄い。姿を出さないことで日本軍の得体の知れない怖さを演出している。

  • 『逃亡者 The Fugitive（99分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1947年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリー・フォンダ、ウォード・ボンド、ドロレス・デル・リオ、ペドロ・アルメンダリス、レオ・キャリロ、J・キャロル・ネイシュ
    カトリックが弾圧された1930年代のメキシコ。身を隠しつつ布教を続ける司祭も、ついに国外脱出を決意するが…。苦悩する宣教師をヘンリー・フォンダが演じたシリアスドラマ。メキシコの名キャメラマン、ガブリエル・フィゲロアによる芸術的なモノクロの映像が素晴らしい。

  • 『三人の名付親 Three Godfathers（107分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1948年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、ペドロ・アルメンダリス、ハリー・ケリー・ジュニア、ワード・ボンド、メエ・マーシュ
    三人のワルが出産間近の妊婦と出会い赤ん坊の名付け親になる。赤ちゃんにメロメロになり子育てに奮闘する男たちは、聖書に導かれるように砂漠を渡って町（ニュー・エルサレム）へ向かうが…。ハリー・ケリー主演『恵みの光』(1919)のセルフリメイクで、本作には息子ハリー・ケリーJrが出演している。ラスト、汽車が引く荷台に立ったまま立ち去るジョン・ウェインの姿に感動しない人がいるはずがない。

  • 『黄色いリボン She Wore a Yellow Ribbon（104分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1949年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、ジョーン・ドルー、ジョン・エイガー、ベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・Ｊｒ、ヴィクター・マクラグレン、ミルドレッド・ナトウィック、フランシス・フォード
    退職間近の騎兵隊大尉ネイサンは、少佐夫人とその姪を護衛する任にあたるが…。姪を巡る恋のさやあても描かれるが、主眼は男同士の連帯であり、西部の広大な風景の中を砂塵を舞い上げながら進む騎兵隊である。西部を描き続けたジョン・フォードと、西部の男そのものを体現するジョン・ウェインによる、細やかな心情描写が冴え渡る魂の西部劇。

  • 『リオ・グランデの砦 Rio Grande（105分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1950年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ベン・ジョンソン、クロード・ジャーマン・Ｊｒ、チル・ウィルス、ハリー・ケリー・Ｊｒ、Ｊ・キャロル・ネイシュ、ヴィクター・マクラグレン、グラント・ウィザース、スティーヴ・ペンドルトン、アルベルト・モリン
    アパッチ族の撃退に追われるスターク砦のヨーク中佐の元に、疎遠だった息子が新兵として入隊してくる。息子を取り戻そうとする別居中の妻との間に対立が起こるが、二人は次第に昔の愛を取り戻していく。そんな中、囚われた仲間を取り戻そうとアパッチ族が襲撃を仕掛けてきて･･･。「アパッチ砦」の続編ともいえる大ヒット作。

  • 『捜索者 The Searchers（119分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1956年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、ジェフリー・ハンター、ヴェラ・マイルズ、ナタリー・ウッド、ワード・ボンド
    ジョン・ウェインの兄一家がコマンチ族に襲撃され、唯一生き残った幼い姪が攫われる。ウェインは復讐と姪の奪還の旅に出る。史上最高との呼び声高い西部劇。冒頭とラスト、家の中から外に向いたカメラによって切り取られた荒野が素晴らしく美しい。最後に姪を家へと送り届け皆が家の中へと入っていくがウェインは背を向けて荒野へと歩き出す。そして家の扉が閉まり映画は終わる。フォードは"家族の一員になることの出来なかった一匹狼の悲劇"と本作について語っている。美しく残酷で歪な傑作。
    ©Park circus/Warner

  • 『リバティ・バランスを射った男 The Man Who Shot Liberty Valance（123分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1962年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュアート、ヴェラ・マイルズ、リー・マーヴィン、エドモンド・オブライエン、アンディ・ディヴァイン
    ある男の葬儀のため小さな町にやってきた上院議員(ジェームズ・スチュアート)が、記者たちにその訳を回想形式で語る、かつて存在した西部の物語。西部に法をもたらそうと町にやってきた弁護士スチュアートはリバティ・バランス一味に襲われ無一文に。それを揶揄する早撃ちの名手ジョン・ウェイン。法と銃、秩序と暴力を二人の名優が体現する。アメリカと言う国が愛した西部劇の終焉。かつて英雄だった男が世界の変化を受け入れる諦念と無常。哀しさをウェインが全身全霊で演じる。その魂は最後に記者が放つ「ここは西部。伝説と事実なら伝説をとります」という言葉の中に生きている。
    ©Park circus/Paramount

  • 『荒野の女たち 7 Women（87分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1965年
    監督：ジョン・フォード
    出演：アン・バンクロフト、マーガレット・レイトン、フローラ・ロブソン、スー・リオン、ミルドレッド・ダンノック
    女たちと腑抜けた牧師見習いとが暮らす中国辺境のキリスト教布教所。そこに医師のアン・バンクロフトがやってくる。無神論者でヘビースモーカーの医師と狂信的リーダーはすぐに対立するが、コレラ騒ぎに続き蛮族がやってくる。女たちと赤ん坊を助けるためのバンクロフトの自己犠牲の理由をフォードは語らない。ひとり門の中に消えていくショット、暗闇の中で意を決して立ち尽くすショット、終盤のクローズアップはどれも素晴らしい。そしてフォードらしく茶碗を叩き割って「あばよ　クソッたれ」と言い放つ鮮烈なラストで、本作とバンクロフトは映画史に残る伝説となったのだ。＊素材は昨年の特集と同じものです。状態は良くありませんが、スタジオにもトリミング版しか存在しないことを鑑み、再度上映することといたしました。
    ©Park circus/Warner

  • 『香も高きケンタッキー Kentucky Pride（72分）』

  • 上映スケジュール
  • 公開：1925年
    監督：ジョン・フォード
    出演：ヘンリー・B・ウォルソール、J・ファレル・マクドナルド、ガートルード・アスター、ピーチス・ジャクソン、マルコム・ウェイト、ベル・ストッダード、ウィンストン・ミラー
    牝馬“ヴァージニアの将来”によって語られる彼女と娘の運命、そして彼女が見た人間達のドラマ。賭博好きの主人たちの浮き沈みによって馬の運命も翻弄される。荷車を引かされる彼女が雨に濡れた舗道でかつての主人と再会し、蹄を鳴らして注意を引こうとするシーンがこれほど心を揺さぶるのは、自分をなでる主人の手や、生まれたときの主人の喜びのカットの印象的な挿入があってのこと。そして破産して全てを失った主人が娘と再会するなら、“ヴァージニアの将来”の苦労も報われることが道理なのだ。一度観たら忘れられない傑作であり、記憶の中のジョン・フォードの馬は健気にも愛おしく足を動かしてくれるだろう。
    ©Park circus/Disney

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