近日上映予定
オリヴィア・デ・ハヴィランド追悼 女優姉妹の愛と相克
2021/01/30 ~ 2021/02/19
オリヴィア・デ・ハヴィランド(1916-2020)
妹のジョーン・フォンテインと同じく日本で生まれたイギリス人。その後、母子でカリフォルニアに移住した。『風と共に去りぬ Gone with the Wind』のメラニーやエロール・フリンの相手役など、キャリア初期には清純な娘役が多かったが、キャリア後期には秀でた演技力で様々な役を演じた。『遥かなる我が子 To Each His Own』と『女相続人 The Heiress』で、アカデミー主演女優賞を2度受賞。2008年に芸術分野の米最高位の国家芸術メダルを、2017年には大英帝国勲章を受章した。2020年7月26日、104歳で亡くなった。
妹のジョーン・フォンテインとの確執は有名。母親がオリヴィアを溺愛したことが原因で、フォンテインが女優になってもデ・ハヴィランドという姓を使うことを許さなかったという。1942年、『国境の南 Hold Back the Dawn』と『断崖 Suspicion』でアカデミー主演女優賞を争った姉妹だが、フォンテインが受賞した。現時点でアカデミー主演賞を獲得した唯一の兄弟姉妹である。
上映予定作品一覧(全18本)
『国境の南』
『いちごブロンド 』
『追憶の女』
『謎の佳人レイチェル』
『暗い鏡』
『蛇の穴』
『女相続人』
『踊る騎士』
『女たち』
『レベッカ』
『断崖』
『ジェーン・エア』
『忘れじの面影』
『旅愁』
『生まれながらの悪女』
『オセロ』
『二重結婚者』
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『カンサス騎兵隊 Santa Fe Trail(110分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1940年
監督:マイケル・カーティス
出演:エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランド、レイモンド・マッセイ、ロナルド・レーガン、ヴァン・ヘフリン、アラン・ヘイル
1854年のアメリカで実際に起こった、過激な奴隷解放運動家ジョン・ブラウンとカンサス騎兵隊員の戦いを描く。ブラウンに共感しながらも、義務を遂行する隊員にエロール・フリン、ヒロイン役にオリヴィア・デ・ハヴィランド、ロナルド・レーガンも出演している。友情あり、ロマンスあり、事件ありの冒険活劇の傑作。
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『国境の南 Hold Back the Dawn(116分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1941年
監督:ミッチェル・ライゼン
出演:シャルル・ボワイエ、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ポーレット・ゴダード、ヴィクター・フランセン、ウォルター・エイベル
米入国を待つ人々がひしめくメキシコ国境の町。ジゴロのシャルル・ボワイエが米国人教師のデ・ハヴィランドに目をつけ…。米国の市民権を得るための結婚だったと知ったオリヴィアが捜査官に言い放つ「愛し合ってるから問題はない」の一言に女の覚悟と意地がにじむ。オスカー主演女優賞を妹と争った切ないメロドラマ。日本未公開。
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『いちごブロンド Strawberry Blonde(99分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1941年
監督:ラオール・ウォルシュ
出演:ジェームズ・キャグニー、オリヴィア・デ・ハヴィランド、リタ・ヘイワース、アラン・ヘイル、ジャック・カーソン、ジョージ・トビアス、ユーナ・オコナー
いちごブロンドの美女をとりあった友達に裏切られ、しがない歯科医になったビフは…。理想の女性リタ・ヘイワースと現実の女性オリヴィア・デ・ハヴィランド(超カワイイ!)の間で揺れるジェームズ・キャグニーの軽やかな演技が素晴らしいロマンティック・コメディの傑作。
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『追憶の女 In This Our Life(93分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1942年
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ベティ・デイヴィス、オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョージ・ブレント、デニス・モーガン、チャールズ・コバーン、フランク・クレイヴン、ビリー・バーク、ハティ・マクダニエル、リー・パトリック
金持ちの叔父や男たちからスポイルされまくって悪魔のように我儘になったベティ・デイヴィス。優しい姉(デ・ハヴィランド)の夫と駆け落ちしたあげくに自殺に追い込み…。悪女を演じきったデイヴィスが凄いが、20年後の『ふるえて眠れ』で立場が逆転するのも面白い。珍しいヒューストンの女映画。
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『謎の佳人レイチェル My Cousin Rachel(99分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1942年
監督:ヘンリー・コスター
出演:オリヴィア・デ・ハヴィランド、リチャード・バートン、オードリー・ダルトン、ロナルド・スクワイア、ジョージ・ドレンツ、ジョン・サットン
原作はダフネ・デュ・モーリアの小説。従兄が海外で結婚後に急死し、妻のデ・ハヴィランドを疑うリチャード・バートン。実際に彼女に会ってその美しさに一目ぼれするが、心の底では疑いが消えず…。男性版レベッカとでもいうべき一作。脚本に難色を示したキューカーが降板しているが、オスカー4部門でノミネートされた。劇場未公開。
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『暗い鏡 The Dark Mirror(86分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1946年
監督:ロバート・シオドマク
出演:リュー・エアーズ、トーマス・ミッチェル、オリヴィア・デ・ハヴィランド、リチャード・ロング
目撃者が複数いる中で医師が殺されるが、容疑者ルースのアリバイも鉄壁で…。ルースとテリーの双子をオリヴィア・デ・ハヴィランドが演じる傑作心理サスペンス。まるで鏡に写る姿が左右反転するように正反対の人物を演じ分けるデ・ハヴィランドが圧巻、かつ同じシーンで二人を撮影した技術はさすがのシオドマク! クローネンバーグの『戦慄の絆』の元ネタ。
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『蛇の穴 The Snake Pit(108分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:アナトール・リトヴァク
出演:オリヴィア・デ・ハヴィランド、マーク・スティーヴンス、レオ・ゲン、セレステ・ホルム、グレン・ランガン、メエ・マーシュ、リーフ・エリクソン
精神を病んだ女性が、医師と共に自らの過去を探っていくドラマ。神経衰弱になり、ときおり正気を失うデ・ハヴィランドの壮絶な演技が見もの。さらに見ものなのが、残酷な看護婦、狂ったダンスパーティーや重症患者を入れる“蛇の穴”など、今ではとてもムリな恐ろしい精神病院の描写。
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『女相続人 The Heiress(116分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1949年
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:オリヴィア・デ・ハヴィランド、モンゴメリー・クリフト、ラルフ・リチャードソン、モナ・フリーマン、ミリアム・ホプキンス
資産家の父親から見下されるオールドミスのキャサリンが初めて恋に落ちるが…。前半の内向的な娘から一転、男を憎み軽蔑する氷の女に変貌するキャサリンを、オリヴィア・デ・ハヴィランドが魂の名演。人間の暗黒面を描くウィリアム・ワイラーのドロドロ作品群の中でも抜きんでた恐ろしさ! 主演女優賞をはじめアカデミー4部門受賞。
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『踊る騎士 A Damsel in Distress(101分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1937年
監督:ジョージ・スティーヴンス
出演:フレッド・アステア、ジョージ・バーンズ、グレイシー・アレン、ジョーン・フォンテイン
アメリカ人ダンサーのアステアと英国の名門令嬢ジョーン・フォンテインの恋物語。遊園地での鏡を使ったダンスやロケーション撮影など新たな試みにより、アカデミー振付賞を受賞した。ガーシュウィンの音楽、グレイシー・アレン&ジョージ・バーンズのギャグなど魅了に溢れた一作。
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『女たち The Women(133分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1939年
監督:ジョージ・キューカー
出演:ノーマ・シアラー、ジョーン・クロフォード、ロザリンド・ラッセル、ジョーン・フォンテイン、ポーレット・ゴダード、メアリー・ボランド、マージョリー・メイン、ヴァージニア・ウィードラー、ルース・ハッセイ
高級エステサロンのネイリストが流した噂がもとで巻き起こるドタバタを描く大傑作コメディ。出演者から出演犬(?)まで女性のみ、劇中フィルムにすら男性が出てこないことで有名。キラ星のようなスター女優たちが、嫉妬とゴシップで溢れる社交界の女たちを生き生きと演じる。
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『レベッカ Rebecca(130分/デジタル)』
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公開:1940年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテイン、ジョージ・サンダース、ジュディス・アンダーソン、グラディス・クーパー、レオ・G・キャロル、ナイジェル・ブルース
大富豪に求愛され嫁いだ内気な娘。しかし夫が住む屋敷には死んだ先妻レベッカの気配が満ちていた。気が付くと幽霊のように側に立っていてジョーン・フォンテインを怯えさせる家政婦のジュディス・アンダーソンが恐ろしすぎるニューロ・サスペンス。ヒッチコックのアメリカ初進出作にしてアカデミー作品賞授賞の傑作!
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『断崖 Suspicion(99分/デジタル)』
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公開:1941年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョーン・フォンテイン、ケイリー・グラント、ナイジェル・ブルース、セドリック・ハードウィック、レオ・G・キャロル
口先だけの遊び人とかけ落ち結婚した富豪の娘。しかし、急速に夫の化けの皮が剥がれ…。夫に怯える新妻の心理を執拗に追うカメラ、有名なミルクのくだりに見られる巧みな小道具の使い方は、ヒッチコックの面目躍如。「だめんず地獄にようこそ」的ラストも凄い!
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『ジェーン・エア Jane Eyre(96分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1943年
監督:ロバート・スティーヴンソン
出演:ジョーン・フォンテイン、オーソン・ウェルズ、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラー、アグネス・ムーアヘッド
家庭教師として雇われた孤児院育ちのジェーンは、邸の主人・ロチェスターと運命の出逢いをするが…。『ジェーン・エア』の三度目の映画化。表面的な偏屈さの下に繊細な心を隠したロチェスター役のウェルズは、まさに適役。エリザベス・テイラー演じるジェーンの親友・ヘレンの哀しいエピソードも忘れ難い。
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『忘れじの面影 Letter from an Unknown Woman(87分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1948年
監督:マックス・オフュルス
出演:ジョーン・フォンテイン、ルイ・ジュールダン、マディ・クリスチャンス、マルセル・ジュルネ、アート・スミス
19世紀末ウィーン。かつて天才ピアニストと呼ばれながら今は零落したステファンの元に、見知らぬ女性からの手紙が届き…。初恋の男を生涯思い続ける女性のひたむきな想いを描いたビターなメロドラマ。“女性映画”の巨匠マックス・オフュルスによる巧みな語り口と流麗なカメラ、そして薄幸の美女を演じるジョーン・フォンテインが忘れ難い。
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『旅愁 September Affair(104分/16mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ウィリアム・ディターレ
出演:ジョセフ・コットン、ジョーン・フォンテイン、ジェシカ・タンディ、フランソワーズ・ロゼー、ロバート・アーサー、ジミー・ライドン
ローマからフランスへ向かう機内で出逢った、妻子ある建築技師・デヴィッドとピアニストのマニナ。修理のため立ち寄ったナポリで観光するうち、飛行機に乗り遅れた二人は…。ロマンチックなイタリアの風景と“セプテンバー・ソング”の美しいメロディが全編を彩る。
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『生まれながらの悪女 Born to Be Bad(90分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1950年
監督:ニコラス・レイ
出演:ジョーン・フォンテイン、ロバート・ライアン、ジョーン・レスリー、メル・ファーラー、ザカリー・スコット
巧妙な手口と美しさで男たちを手玉に取るジョーン・フォンテイン。富豪を婚約者から奪っただけでなく、肉体関係のある作家もキープしようと…。翻弄される男にザカリー・スコットとロバート・ライアン。ニコラス・レイによる、ユーモアとノワールとメロドラマが渾然一体となった不思議な魅力の一作。
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『オセロ The Tragedy of Othello(93分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1952年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、マイケル・マクラマー、ロバート・クート、シュザンヌ・クルーティエ、フェイ・コンプトン、ドリス・ダウリング、マイケル・ローレンス、ジョーン・フォンテイン(ノンクレジット)
オーソン・ウェルズ、マイケル・マクラマー、ロバート・クート、シュザンヌ・クルーティエ、フェイ・コンプトン、ドリス・ダウリング、マイケル・ローレンス、ジョーン・フォンテイン(ノンクレジット)
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『二重結婚者 The Bigamist(79分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1953年
監督:アイダ・ルピノ
出演:ジョーン・フォンテイン、エドモンド・オブライエン、アイダ・ルピノ、エドマンド・グウェン、ケネス・トビー、ジェーン・ダーウェル
妻(ジョーン・フォンテイン)がいながら別の女性(アイダ・ルピノ)を愛した男。しかも彼女に子どもができて…。真面目な男が二重結婚者になったいきさつを回想形式で綴るノワール・メロドラマ。女性の存在を問い続けたアイダ・ルピノが監督・出演した初の作品。
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