近日上映予定
生誕100年記念 異端の天才 キム・ギヨン
2019/11/30 ~ 2019/12/13
キム・ギヨン 金綺泳 김기영
1919年、ソウル生まれ。高校卒業後に京都に留学経験あり。国立ソウル大学医学部卒業で医師の資格を持つ。1955年『屍の箱』でデビュー。以来、30本を超える作品を発表。初期の作品は戦時下や戦後の社会を描いたリアリズム調のものが多いが、1960年の『下女』以降、人間のエゴイズムに潜む魔性の美を追求する独自の作風を確立。近年、再評価が進み、1997年の釜山国際映画祭でレトロスペクティヴが組まれ、カンヌ、ベルリン、シネマテーク・フランセーズなどでも作品が上映されている。スコセッシやパク・チャヌクなど映画人からの熱烈な支持も多く、韓国映画史上の怪物と称される。
■料金(一本立て、入替制)
一般:1400円/シニア:1200円/学生:1200円/会員:1000円
5回券:5000円
※ポイント鑑賞はできません
11/30(土)13:05『下女』
トークショー付上映:1500円均一
特別上映『屍の箱』『私はトラックだ』
特別料金:800円均一
上映予定作品一覧(全13本)
『玄海灘は知っている』
『高麗葬』
『レンの哀歌』
『虫女』
『肉体の約束』
『異魚島』
『水女』
『火女’82』
『死んでもいい経験』
『屍の箱』
『誤発弾』
『ノダジ』
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『下女 하녀((111分/デジタル))』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジンギュ、チュ・ジュンニョ、イ・ウンシム、アン・ソンギ、オム・エンナン
妻が倒れたため、家政婦として若い娘・ウニを雇ったピアノ教師のトンシクは、彼女に誘惑され関係を持つが…。ブルジョア家庭を地獄の底に叩き込むウニの狂気が、階段と窓を使った効果的なショットで炙り出される。近年再評価が進み、世界を瞠目させたキム・ギヨンの最高傑作。熱狂的ファンであるマーティン・スコセッシを中心としてレストアされた版で上映します。
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『玄海灘は知っている 현해탄은 알고 있다(117分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ウンハ、コン・ミドリ、イ・イェチュン、イ・サンサ
太平洋戦争中、日本軍に徴用された朝鮮人青年ア・ロウンの体験を、実話に基づいて描く。凄まじい差別と軍隊イジメ、戦火の中の恋、そして戦争の不条理。息もつかせぬ怒涛の展開と伝説のラストシーンは、観る者すべての魂をわしづかみすること必至!キム・ギヨンの代表作にして『下女』と並ぶ傑作。(画像・音声の欠落部分が数か所あり字幕説明がついている)
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『高麗葬 고려장(110分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジンギュ、チュ・ジュンニョ、イ・イェチュン、ソヌ・ヨンヨ、キム・ボエ
母の再婚で山間の寒村にやってきたグリョンと十人の義理の兄弟との確執を軸に、貧困と飢餓、目をそむけたくなるような人間の本質を暴力的にさらけ出した禍々しい傑作。障害者になり差別されるグリョン、水場を独占する悪党兄弟、姥捨て山に向かうグリョンの母、そして村を支配する邪悪なムーダンとキャラが立った登場人物、素晴らしいセットも見もの。(復元版だが中間部二箇所欠落部に字幕説明あり)
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『レンの哀歌 렌의 애가(103分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1969年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジンギュ、キム・ジミ、サ・ミジャ、キム・ミョンジン
日本兵の拷問で描けなくなった画家、そんな夫に失望しながらも家庭を支える妻、子どものころ画家のモデルになった若い女レン。朝鮮戦争前後の激動のソウルを舞台に、三人の運命が交錯するメロドラマ。共産化の波が押し寄せ南に逃れる人々の群れから抜け出し、廃墟と化したソウルでレンを探して彷徨う画家。二人は果たしてめぐり合えるのか!?
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『虫女 충녀(116分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1972年
監督:キム・ギヨン
出演:ナムグン・ウォン、ユン・ヨジョン、チョン・ゲヒョン
やり手社長の妻へのコンプレックスから不能に陥ったキムは、若いミョンジャによって男性を快復する。やがて、ミョンジャはキムの妻の管理下で愛人生活を始めるが…。床下で増殖する白ネズミと消えた赤ん坊が不気味さを増幅させる。お約束の階段落ちと去勢される男も登場する“女シリーズ”の傑作であり、韓国の若手映画人たちに大きな影響を与えた一本。
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『肉体の約束 육체의 약속(105分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1975年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジミ、イ・ジョンギル、パク・チョンジャ、パク・アム
外出許可を得た模範囚のスギョンは、母の墓参りに向かう列車でフンという男と出会い恋に落ちる。スギョンが刑期を終える二年後に再会する約束をした二人だが…。男にだまされ続けた不幸な経験ゆえに殺人犯となった女を通して現代人の魂の救済を描き、文学性に優れた作品として評価された一本。
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『異魚島 이어도(111分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1977年
監督:キム・ギヨン
出演:イ・ファシ、パク・チョンジャ、キム・ジョンチョル、チェ・ユンチョル
海で死んだものが向かうという伝説の島・異魚島を宣伝に利用しようとした観光会社のソヌ・ヒョンだったが…。漁師たちが死に絶え女だけが住む島を舞台に繰り広げられる、現実と幻想を交錯させたミステリー。女たちの生殖をめぐる苦悩を徹底的に掘り下げた問題作であり、離島のオカルト的因習や溺死体との死姦などショッキングなシーン続出の田舎ホラーでもある。
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『水女 수녀(97分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1979年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジョンチョル、イ・ジャオク、イ・イルウン
ベトナム帰りの傷痍軍人チンソクは吃音の妻と結婚、彼女の実家の竹を使った事業で成功する。しかし生まれた息子もまた吃音で…。障害、不倫、虐待など人間の業を描いた“女シリーズ”の一作。パク・チョンヒ大統領によるセマウル(故郷改革運動)映画のためか、ラストで息子が突然「児童憲章」を流暢に読み上げ、それが母親の吃音をも治癒させてしまうという強引な展開に。呆然自失の異形の物語。
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『火女’82 화녀'82(122分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1982年
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジミ、ナ・ヨンヒ、チョン・ムソン
『下女』の二度目のセルフリメイク作品。ストーリーやセットの作りも第一作とほぼ同じだが、現代的な女性映画として再構築されている。甲斐性のない夫に代わって養鶏場経営に成功した妻と粗野な家政婦が親しくなっていく前半から一転、男と家庭をめぐる女同士の闘いへ。ガラスと時計を使った画面構成も印象的な一作でブラックな笑い満載。お約束のネズミも登場します。
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『死んでもいい経験 천사여 악녀가 되라-죽어도 좋은 경험(95分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1990年
監督:キム・ギヨン
出演:ユン・ヨジョン、ヒョン・ギルス、キム・ビョンハク
子供が産めないことから夫とその両親から無理やり離婚された若妻と、事故で一人息子を失って以来、夫を憎みながら夜な夜な若い男を買う妻が偶然出会い…。女の狂った情念の暴走が引き起こす、常識を超越した異様な展開から目が離せない! キム・ギヨンの遺作にふさわしいサスペンスの怪作。
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『屍の箱 주검의 상자(デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1955年
監督:キム・ギヨン
出演:チェ・ムリョン、カン・ヒョシル
キム・ギヨン監督初の長編劇映画で、民心を動揺させるために韓国で活動するパルチザン隊員と警官の息詰まる対決を描いた反共映画。公開後に遺失したと思われていたがアメリカで発見された。初のミッチェルカメラで同時録音した作品として話題を集めたが、音が失われた状態であるため、無音での上映となります。また『屍の箱』と共に発見されたキム・ギヨンの実験的短編映画『私はトラックだ』(18分・白黒・デジタル・英語字幕)を併映します。(あらすじ配布)
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『誤発弾 오발탄(108分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:ユ・ヒョンモク
出演:キム・ジンギュ、チェ・ムリョン、ムン・ジョンスク、ソ・エジェ
朝鮮戦争後の解放村で暮らすチョルホの悲壮な生活を描く。戦争で気が狂った母、新聞売りをする幼い息子、娼婦になった妹。追い打ちをかけるように弟が強盗を働き、妻は出産で死ぬ…。痛む歯を抱えて荒廃した街を彷徨うチョルホの姿に「カジャ、カジャ(行こう、行こう)」と叫ぶ母の声が通奏低音のように重なる。キム・ギヨンと共に60年代を代表するユ・ヒョンモクの傑作で、「わが国の貧困をリアルに描いた」という理由で軍事政権によって公開禁止となった一本。
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『ノダジ 노다지(128分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:チョン・チャンファ
出演:ファン・ヘ、キム・スンホ、オム・エンナン、チョ・ミリョン
妻子を捨てて金鉱を探しつづけて20年、ついに金脈を見つけたウンチル。リュックに砂金を詰めて釜山に帰るが…。金に憑りつかれた男とあの手この手で擦り寄る人々、そして棄てられた息子の運命は!? 主演のキム・スンホは韓国の父親像を体現する俳優で、当代最高の名優と讃えられている。
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