シネマヴェーラ渋谷

近日上映予定

愛の力学　“彼と彼女と彼” あるいは “彼女と彼と彼女”
2018/08/18 ～ 2018/08/31

ひとりの男をめぐる女たちの奇妙な共犯関係を描いたフィリップ・ガレルの最新作『つかのまの愛人』公開を記念する特集。ガレル“新たな愛の三部作”の第一作『ジェラシー』と第二作『パリ、恋人たちの影』を始め、複雑な愛の機微を描いた作品を上映。愛、友情、欲望、嫉妬、かけひき…。複雑な恋愛の方程式を学ぶ2週間。
また本特集では、ガレルの監督作を始め、先日亡くなられた寺尾次郎さんが字幕翻訳を手掛けた作品が上映される。フランス映画を中心に、その素晴らしい字幕で多くの映画ファンを魅了した寺尾次郎さんに心より感謝を捧げます。

■料金（一本立て、入替制）
*『つかのまの愛人』『そして僕は恋をする』『感傷的な運命』
一般：1500円／シニア：1200円／会員：1200円／学生：1000円／※ポイント鑑賞はできません

*その他の作品
一般：1200円／シニア：1000円／会員：1000円／学生：800円

上映予定作品一覧（全15本）

『つかのまの愛人』

『ジェラシー』

『パリ、恋人たちの影』

『新しい遺言』

『高原の情熱』

『柔らかい肌』

『はなればなれに』

『幸福』

『家庭』

『恋のエチュード』

『そして僕は恋をする』

『感傷的な運命』

『まぼろし』

『サイの季節』

『さざなみ』

『つかのまの愛人 L'amant d'un jour（デジタル）』
上映スケジュール
公開：2017年
監督：フィリップ・ガレル
出演：エリック・カラヴァカ、エステール・ガレル、ルイーズ・シュヴィヨット
哲学教師ジルと教え子アリアーヌが同棲する家に、ジルの娘ジャンヌが転がり込んできて…。同い年の女性同士の間に生まれる共犯関係にも似た奇妙な絆、若い女たちの欲望がモノクロームの映像で描きだされる。共同脚本にジャン＝クロード・カリエール、撮影にレナート・ベルタが参加したフィリップ・ガレル最新作。
© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

『ジェラシー La jalousie（デジタル）』
上映スケジュール
公開：2013年
監督：フィリップ・ガレル
出演：ルイ・ガレル、アナ・ムグラリス、レベッカ・コンヴナン、オルガ・ミルシュタイン、エステール・ガレル
妻と娘と別れ、恋人の女優クローディアと暮らすルイ。しかし仕事がうまくいかないクローディアは…。日常の中で変わっていく愛情や関係を、ミニマムな登場人物の繊細な心理の機微で描く。男女の愛や嫉妬をよそに、生き生きとした娘の存在感が際立つ。
© 2013 Guy Ferrandis / SBS Productions

『パリ、恋人たちの影 L'ombre des femmes（デジタル）』
上映スケジュール
公開：2015年
監督：フィリップ・ガレル
出演：クロチルド・クロ、スタニスラス・メラール、レナ・ポーガム、ヴィマーラ・ポンス、アントワネット・モヤ、ジャン・ポミエ、テレーズ・カンタン、ムニール・マルグム
公私ともに良きパートナーのピエールとマノン。しかし夫には若い愛人がいて、妻もまた…。W不倫をめぐる男女のバトルを、洗練されたモノクローム画面の中でサラッと描くガレルの手腕が見事。愛、所有、嫉妬、欲望…、結婚と愛の真理を巧みにあぶり出した作品。
© 2014 SBS PRODUCTIONS - SBS FILMS - CLOSE UP FILMS - ARTE FRANCE CINEMA

『新しい遺言 Le nouveau testament（デジタル）』
上映スケジュール
公開：1936年
監督：サッシャ・ギトリ
出演：サッシャ・ギトリ、ジャクリーヌ・ドリュバック、クリスチャン・ジェラルド、シャルル・デシャン
医師のジャンが書き直した遺言をきっかけに、過去から現在に至る浮気が芋づる式に明らかになる展開に思わず苦笑。ジャンと妻、その親友夫妻と息子、そして新しい秘書。今にも崩壊しそうな人間関係を、「なにが起こってもハッピーということにしておく」とまとめる手際も鮮やかな、フランス式恋愛術をとくとご覧あれ。

『高原の情熱 Lumière d'été（デジタル）』
上映スケジュール
公開：1943年
監督：ジャン・グレミヨン
出演：マドレーヌ・ルノー、マドレーヌ・ロバンソン、ジャヌ・マルカン、レイモン・エイムス、ポール・ベルナール、シャルル・ブラヴェット、ピエール・ブラッスール
高原にポツンと経つホテルを舞台に、客の女とアル中の恋人、変人の富豪、ガテン系青年、ホテルの女主人が繰り広げる奇妙な恋愛ドラマ。『ゲームの規則』を思わせる仮装舞踏会の狂乱からダム建設現場へと続くクライマックス、そして凄惨なラストへと。呪われた作家ジャン・グレミヨンによる予想不能の傑作。

『柔らかい肌 La peau douce（35mm）』
上映スケジュール
公開：1964年
監督：フランソワ・トリュフォー
出演：ジャン・ドサイ、フランソワーズ・ドルレアック、ネリー・ベネデッティ、ダニエル・セカルディ、ジャン・ラニエ、ポール・エマニュエル
若く美しいスチュワーデスと恋に落ちた中年男が、妻子も地位も何不自由ない生活も捨てて“柔らかい肌”にのめり込んだ末の悲喜劇…。白い指の戯れで幕をあける不倫劇の緊張感は、さながらヒッチコックのサスペンス映画。トリュフォーの足フェチぶりを垣間見つつ、ベネデッティのコートの下に隠された巨大な猟銃におののくべし。
© LES FILMS DU CARROSSE

『はなればなれに Bande à part（デジタル）』
上映スケジュール
公開：1964年
監督：ジャン＝リュック・ゴダール
出演：アンナ・カリーナ、サミー・フレイ、クロード・ブラッスール、ルイーザ・コルペイン
偶然出会った二人組の男と女で結成されたアマチュア強盗団による犯罪顛末記。散りばめられる詩的なナレーション、ミシェル・ルグランの音楽、マディソン・ダンス、1分間の沈黙…、はぐれ者たちが恋と犯罪と青春を駆け抜けていく。アメリカの犯罪小説をもとにゴダールが描いた永遠の青春映画。
© 1964 Gaumont–Orsay Films

『幸福 Le Bonheur（デジタル）』
上映スケジュール
公開：1965年
監督：アニエス・ヴァルダ
出演：ジャン＝クロード・ドルオ、クレール・ドルオ、マリー＝フランス・ボワイエ
美しく従順な妻と子供たちを心から愛しながら、他の夫と恋に落ちた夫。脆く儚い「幸福」を優しく繊細な感性で描いたヴァルダの傑作。大輪のひまわり、枯葉、ピクニックに興ずる親子、草の上での愛撫…。ジャン・ルノワールの『ピクニック』『草の上の昼食』への美しいオマージュ。
© agnes varda et enfants 1994

『家庭 Domicile conjugal（35mm）』
上映スケジュール
公開：1970年
監督：フランソワ・トリュフォー
出演：ジャン＝ピエール・レオー、クロード・ジャド、ダニエル・セカルディ、クレール・デュアメル、松本弘子、バルバラ・ラージュ、ダニエル・ブーランジェ
ついに結婚したドワネルだったが、いまだ定職にも就かず、どこか孤独で、やっぱり大人になりきれない。子供が生まれて妻には冷たくあしらわれ、浮気相手の日本人女性にも愛想を尽かされて…。アントワーヌ・ドワネルよどこへゆく!? ユロ氏もひょっこり顔を出します。
© LES FILMS DU CARROSSE

『恋のエチュード Les Deux anglaises et le continent（35mm）』
上映スケジュール
公開：1971年
監督：フランソワ・トリュフォー
出演：ジャン＝ピエール・レオー、キカ・マーカム、ステーシー・テンデター、シルヴィア・マリオット、マリー・マンサール、フィリップ・レオタール
「レモンをしぼるように恋をしぼる」とトリュフォー自ら言うように、どこか悲愴で鮮烈な恋のイメージが印象的な、姉妹を同時に好きになってしまった男の物語。20世紀初頭、彫刻好きの姉と眼を患う妹の二人の英国美人姉妹がパリの青年に出会ってからの胸の疼き、心の乱れ、すれ違いが15年に渡って描かれる。愛って何？
© LES FILMS DU CARROSSE

『そして僕は恋をする Comment je me suis disputé… (ma vie sexuelle)（35mm）』
上映スケジュール
公開：1996年
監督：アルノー・デプレシャン
出演：マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、マリアンヌ・ドニクール、エマニュエル・サランジェ、ジャンヌ・バリバール、ティボール・ド・モンタレンベール、キアラ・マストロヤンニ、ドゥニ・ポダリデス、ファブリス・デブレシャン、マリオン・コティヤール
何年も博士論文を出せずにライバルに差をつけられるばかりの冴えない哲学講師・ポール。長い付き合いのエステル、親友の恋人・シルヴィア、兄と同棲中のヴァレリーという3人の女性に翻弄される優柔不断なポールの運命は…。エスプリ溢れる会話と、練りこまれた脚本で一躍トリュフォーの再来と評されたデプレシャンの恋愛映画の傑作。カイエ誌では90年代ベスト1に選ばれた。

『感傷的な運命 Les Destinées Sentimentales（35mm）』
上映スケジュール
公開：2000年
監督：オリヴィエ・アサイヤス
出演：シャルル・ベルリング、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール、オリヴィエ・ペリエ、ドミニク・レイモン、ジュリー・ドパルデュル
20世紀初頭、20歳のポリーヌと運命的な恋に落ちたジャンは妻子と別れ…。時代に翻弄され続けるジャンとポリーヌの一生を通じて「人生には愛しかない」ことを高らかに謳いあげたアサイヤスの最高傑作。“愛と憎しみは同じ”を体現したような前妻役のイザベル・ユペールが凄い！
© DR

『まぼろし Sous le sable（デジタル）』
上映スケジュール
公開：2001年
監督：フランソワ・オゾン
出演：シャーロット・ランプリング、ブリュノ・クレメール、ジャック・ノロ、レクサンドラ・スチュワルト、ピエール・ヴェルニエ、アンドレ・タンジー
仲睦ましかった50代の夫婦。しかし突然夫が姿を消し…。妻の心身に刻み込まれた夫の存在が、新たな男との関係に忍び込む。慣れ親しんだ存在を失った妻の喪失観を、シャーロット・ランプリングが成熟した演技で表現。静謐で美しい映像で描いた愛の物語。
© Fidélité Productions

『サイの季節 Fasle kargadan（デジタル）』
上映スケジュール
公開：2012年
監督：バフマン・ゴバディ
出演：ベヘルーズ・ヴォスギー、モニカ・ベルッチ、イルマズ・アルドアン、カネル・シンドルク、ベレン・サート
イラン革命の最中、ある男の企みによって投獄された詩人は、30年後に釈放され妻を探すが…。詩人とその妻と運転手、ヒエラルキーが崩壊する革命を背景に、時を超えて続く愛憎の三角関係を実話に基づいて描く。寂寥感溢れる色彩、空から降る亀や馬の目などの動物のショットが幻想的かつ悲壮な世界観を構築し、心を静かに揺さぶる。スコセッシとゴバディとモニカ・ベルッチがタッグを組んだ作品。

『さざなみ 45 years（デジタル）』
上映スケジュール
公開：2015年
監督：アンドリュー・ヘイ
出演：シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ、デヴィッド・シブリー、サム・アレクサンダーリチャード・カニンガム、ミスター・ワトキンス、ハンナ・チャーマーズ、ルーファス・ライト
結婚生活45周年を間近に控えたある日、夫の過去の恋人の遺体が氷河で発見されたとの手紙が届き…。永遠に若いままの元恋人に心奪われる夫と、静かに冷めていく妻。たった1通の手紙が妻の心に立てたさざ波が大きな波になり、45年間の関係をバラバラにしていく心理劇。妻の心理を表情ひとつで表現するシャーロット・ランプリングが凄い！
© The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2014

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『つかのまの愛人 L'amant d'un jour（デジタル）』

『ジェラシー La jalousie（デジタル）』

『パリ、恋人たちの影 L'ombre des femmes（デジタル）』

『新しい遺言 Le nouveau testament（デジタル）』

『高原の情熱 Lumière d'été（デジタル）』

『柔らかい肌 La peau douce（35mm）』

『はなればなれに Bande à part（デジタル）』

『幸福 Le Bonheur（デジタル）』

『家庭 Domicile conjugal（35mm）』

『恋のエチュード Les Deux anglaises et le continent（35mm）』

『そして僕は恋をする Comment je me suis disputé… (ma vie sexuelle)（35mm）』

『感傷的な運命 Les Destinées Sentimentales（35mm）』

『まぼろし Sous le sable（デジタル）』

『サイの季節 Fasle kargadan（デジタル）』

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