近日上映予定
女優 瑳峨三智子
2017/12/02 ~ 2017/12/22
瑳峨三智子 [1935 - 1992]
1935年、山田五十鈴と俳優・月田一郎の間の一人娘として京都で生まれる。1952年、東映に入社し嵯峨美智子名でデビュー(後に瑳峨三智子に改名)、瞬く間に年間15本もの作品に出演するスターとなった。自分を棄てた母を「山田さん」と呼んだというが、山田は娘を売り出そうと多くの作品で共演。山田五十鈴二世として周囲の期待も高まった。
しかし、その後は病気や怪我による降板、恋愛スキャンダルや金銭・薬物問題、度重なる失踪などトラブルが絶えず、徐々に仕事が減っていった。ついに芸能界を去った瑳峨は地方のホステスにまで落ちぶれ、1992年フィリピンでクモ膜下出血のため死亡した。享年57歳。
サラブレッドとして生まれ才能に恵まれながら、破滅的な人生を歩んだ瑳峨。とかく美貌や妖艶さ、そしてスキャンダラスな人生だけが取りざたされるが、150本を超える出演作でみせた演技力はまさに母譲り。純情可憐なお姫様から零落の女まで、その女優としての全貌に迫る。
※特別上映『おしどりの間』は入替制1本立て上映・料金1100円均一です。
■上映作品差し替えについて
『昨日は昨日今日は今日』に代わり『天下御免』、『姫夜叉行状記』に代わり『湖愁』を上映いたします。
タイムスケジュールに変更はございません。
ご了承の上ご覧いただきますようお願いいたします。
上映予定作品一覧(全21本)
『大岡政談妖棋傳 地獄谷の対決』
『江戸一寸の虫』
『いらっしゃいませ』
『女房族は訴える』
『伝七捕物帖 美女蝙蝠』
『天下御免』
『湖愁』
『お夏捕物帖 通り魔』
『こつまなんきん』
『浮気のすすめ 女の裏窓』
『甘い夜の果て』
『続こつまなんきん お香の巻』
『女の橋』
『ひとり寝』
『小さな花の物語』
『裸体』
『色ぼけ欲ぼけ物語』
『新遊侠伝』
『やくざ非情史 血の決着』
『おしどりの間』
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『大岡政談妖棋傳 白蝋の假面(デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:並木鏡太郎
出演:大谷友右衛、堀雄二、藤田進、山田五十鈴、瑳峨三智子、佐々木孝丸、清水将夫、殿山泰司
亭保元年、巷間を騒がせる白蝋鬼を追う南町奉行所の池上と青江は、殺された男が握っていた将棋の駒が家康公の秘宝と知り…。四枚揃えば権力と富を得るという駒をめぐって怪人物が蠢く伝奇時代劇。美貌と権力に憑りつかれた綱吉公の元側室・千住院を山田五十鈴、青江の可憐な妹・梢を瑳峨が演じる。
©国際放映
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『大岡政談妖棋傳 地獄谷の対決(デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1954年
監督:並木鏡太郎
出演:大谷友右衛、堀雄二、藤田進、山田五十鈴、瑳峨三智子、佐々木孝丸、清水将夫
遂に駒の秘密を突き止めた千住院と米商人・元亀は宝の隠し場所へ向かうが…。険しい山中で食料も尽き、豆餅一枚をめぐって争う二人の描写が凄まじい物語後篇。山彦をつけ狙う白蝋鬼の正体とは、そして梢と池上の恋の行方は!? 山田五十鈴の鬼気迫る演技を見逃すな!
©国際放映
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『江戸一寸の虫(デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1955年
監督:滝沢英輔
出演:三国連太郎、滝沢修、新珠三千代、瑳峨三智子、山形勲、辰巳柳太郎、河野秋武、清水一郎、瀬川路三郎、汐見洋
外国人の乱暴狼藉に目をつぶる幕府に怒った旗本の三國連太郎は…。権力状況が激変する幕末の世を、流されることを拒む捻くれ武士の視点から描いた人間ドラマの傑作。夫を一途に愛する妻・新珠三千代がいながら三國が一目惚れしてしまう美女に瑳峨三智子。助監督には神代辰巳。
©日活
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『いらっしゃいませ(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1955年
監督:瑞穂春海
出演:森繁久彌、香川京子、瑳峨三智子、中北千枝子、小掘誠、東野英治郎、浪花千栄子
売れない画家の森繁が41歳でデパートに初就職したところ、何故か同僚の香川京子、専務の二号さん・瑳峨三智子、下宿の未亡人・中北千枝子から言い寄られる羽目になり…。当時の最先端であったキラキラしたデパートがナレーター役のロマンチック・コメディ。
©1955東宝
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『女房族は訴える(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1956年
監督:筧正典
出演:佐野周二、三宅邦子、岡田茉莉子、小泉博、雪村いづみ、江原達怡、瑳峨三智子
捕鯨会社の部長・佐野周二は上司から浮気の後始末を頼まれる。しぶしぶ浮気相手の瑳峨が勤めるクラブに通う佐野は家族から疑われ…。中流家庭で巻き起こるどたばたを描いた明るいホームドラマ。日劇のトップレス・ダンサーを普通に眺める観客たち、英語まじりの会話など当時の風俗も興味深い。
©1956東宝
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『伝七捕物帖 美女蝙蝠(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1957年
監督:福田晴一
出演:高田浩吉、草笛光子、伴淳三郎、瑳峨三智子、寺島貢、北龍二、石黒達也、戸上城太郎、水戸光子、伊藤智子、林幸平、大谷友右衛門、干典子
謎の老人に続き伝七の愛妻の父が殺され、その遺体には礫の痕があった。事件を追う伝七は、お駒とお咲という二人の娘がカギを握ることを付きとめ…。瑳峨三智子がふたつの顔を演じ分ける。高田浩吉が「みんな御用のときがきた~♪」と歌いながら大団円となる楽しいシリーズ第七作。
©1957松竹株式会社
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『天下御免(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:渡辺邦男
出演:松本幸四郎、山田五十鈴、瑳峨三智子、森美樹、北上弥太朗、永田光男、山路義人、雲井三
幕府のっとりを狙う策士・山内伊賀亮が仕掛けた天一坊事件を大岡越前守が裁く! 山田五十鈴と瑳峨三智子が越前の妻と娘役で共演しているのに加え、瑳峨の恋人であった森美樹が伊賀亮役で出演している。
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『湖愁(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1962年
監督:田畠恒男
出演:瑳峨三智子、鰐淵晴子、松島アキラ、川津祐介、田村高広、沢村貞子、浦辺粂子、峯京子、信欣三
出征前の田村高廣と結ばれ娘を生んだ瑳峨だったが田村は戦死。しかも田村の母・沢村貞子に娘を奪われ…。ヤケになって金の亡者となった瑳峨とバイオリニストになった娘・鰐淵晴子は再会できるのか!?
©1962松竹株式会社
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『お夏捕物帖 通り魔(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:萩原遼
出演:瑳峨三智子、花菱アチャコ、田村高廣、山田五十鈴、宇治みさ子、河津清三郎、ザ・ピーナッツ
若い娘の黒髪を切る通り魔事件が頻発。犯人を追うお夏は水芸師のお蝶に行きつくが…。瑳峨が演じる浅草の岡っ引きの娘・お夏が江戸の怪事件を追う“お夏捕物帖シリーズ”第二弾。山田五十鈴の水芸やザ・ピーナッツの歌も楽しめる娯楽時代劇であり、小国英雄の脚本が冴えるミステリー。
©1960松竹株式会社
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『こつまなんきん(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:酒井辰雄
出演:瑳峨三智子、藤山寛美、安井昌二、花菱アチャコ、乙羽信子、河津清三郎、曽我廼家明蝶、高野真二、浪花千栄子、佐乃美子、浅茅しのぶ、千之赫子、菅井一郎、山路義人、永田光男、乃木年雄
女工から新興宗教の教祖、女相場師、寄席芸人、社長の愛人と、男が変わるたび激変する女の人生を描く。寛美&アチャコ親子、狂乱演技必見の浪花千栄子、可愛い女・乙羽信子と脇役陣も素晴らしい。なにより、小粒で美味しい南瓜“こつまなんきん”のような河内女を演じる瑳峨のはち切れんばかりの若さと美しさをご覧あれ。
©1960松竹株式会社
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『浮気のすすめ 女の裏窓(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:番匠義彰
出演:伴淳三郎、山下洵一郎、岩下志麻、高峰三枝子、杉田弘子、大泉滉
事務員を社長の魔の手から救って首になり、売春斡旋をするはめになった伴淳は…。女性たちから言い寄られ、目を白黒させる純情で気が良い伴淳の魅力が溢れる一本。瑳峨はブルーフィルム撮影目当てで伴淳を誘惑する喪服の女を演じる。
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『甘い夜の果て(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:吉田喜重
出演:津川雅彦、山上輝世、瑳峨三智子、滝沢修、杉田弘子
女を利用して上流社会に近づこうとする美貌の青年を津川雅彦が演じる日本版『赤と黒』。金と肉体と憎しみによって津川と運命的に結びつくバーのマダム・瑳峨の悪女ぶりが素晴らしい。階層社会の光と陰、一人の青年の野心と挫折をカッコいい音楽に乗せて描いた松竹ヌーヴェルヴァーグの傑作。
©1961松竹株式会社
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『続こつまなんきん お香の巻(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:酒井辰雄
出演:瑳峨三智子、三上真一郎、藤山寛美、曽我廼家明蝶、杉田弘子
父の死後、継母に憎まれて尼寺にあずけられたお香は…。美貌目当てで近づく男たちに翻弄されて純朴な村娘から尼僧、アルサロのホステス、銀座のマダムへと転身していく瑳峨。ダメ男たちに尽くしても尽くしても幸せはやってこない。そんな河内生まれの女の一生を描いた“こつまなんきんシリーズ”第二弾。
©1961松竹株式会社
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『女の橋(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:中村登
出演:瑳峨三智子、田村高廣、藤山寛美、山本豊三、柳永二郎、佐藤慶、北条喜久、葵京子、佐乃美子、浅茅しのぶ、沢村貞子
医者と結婚した瑳峨は夫の裏切りで新橋に舞い戻るが…。妻子が疎開中に看護婦と関係を持つ夫・佐藤慶、女好き社長・田村高廣、生活能力ゼロ男・藤山寛美と、だめんず道をひた走る瑳峨の行きつく先は!? 花柳界に生きる女を見事に演じた瑳峨に加え、田中澄江の脚本と中村登の演出が素晴らしい傑作。
©1961松竹株式会社
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『ひとり寝(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:酒井辰雄
出演:瑳峨三智子、三上真一郎、渡辺文雄、山田五十鈴、西村晃、益田喜頓、河津清三郎
出張先で専務に処女を奪われた秘書の瑳峨は、会社に嫌気がさして銀座のバーのホステスになるが…。専務・西村晃、売れない画家の恋人・渡辺文雄、バーの客・益田喜頓、妻子を失った鉱山技師・河津清三郎と、瑳峨をめぐる男たちを名優が演じる哀しい女の人生もの。
©1961 松竹株式会社
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『小さな花の物語(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:川頭義郎
出演:瑳峨三智子、兼松恵、桑野みゆき、清川虹子、川津祐介、朝丘雪路、細川ちか子
娘と物置小屋暮らしをする未亡人の瑳峨は、娘の将来のため金持ち隠居と結婚しようとするが…。夫は戦死、結婚するはずの隠居は脳卒中で急死、さらにその子供を妊娠…と不幸続きの瑳峨の人生に、成長した娘・桑野みゆきのその後を重ねて描いた一作。 「小さくとも自分の力で花を咲かせるように」という瑳峨の願いは通じるのか!?
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『裸体(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1962年
監督:成沢昌茂
出演:瑳峨三智子、川津祐介、進藤英太郎、山田五十鈴、千秋実、杉浦直樹、菅井一郎、浦辺粂子、飯田蝶子、坊屋三郎、松尾和子、菅井きん、稲川善一
次々に男たちの愛人になる瑳峨は、「あたいみたいに芸術的な身体をしていると、沢山お金が入ってくる」とうそぶき…。秘密クラブの女将役の山田五十鈴を始めとする豪華な出演陣と、カッコいい映像による風俗映画の佳作。タイトル通り瑳峨が存分に下着姿を披露し、銭湯シーンでは下宿屋のおばちゃん・浪花千栄子の裸体も一瞬登場!
©1962松竹株式会社
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『色ぼけ欲ぼけ物語(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:堀内真直
出演:伴淳三郎、有島一郎、伊藤雄之助、三木のり平、柳沢真一、藤原釜足、瑳峨三智子、鰐淵晴子、菅原文太
戦後、冴えない暮らしをしている戦友たちの前に現れた元副隊長は、中国から持ち込まれた三億円のダイヤの話を持ち掛け…。伴淳三郎、伊藤雄之助、有島一郎らの名優に加え、菅原文太、鰐淵晴子など意外な役者が揃った人情譚。瑳峨は伴淳をたらし込んで一儲けしようとする女掏摸を演じる。
©1963 松竹株式会社
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『新遊侠伝(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1966年
監督:斎藤武市
出演:小林旭、高橋英樹、瑳峨三智子、神田隆、初井言栄、弓恵子、高品格、河上喜史郎、近藤宏、富田仲次郎、伊藤寿章、土方弘、野呂圭介、玉村駿太郎、河野弘、青木富夫
北九州若松の岡源一家の暴れん坊、加助(小林旭)と留吉(高橋英樹)は、同じ女・お仙に惚れている。二人が邪魔な橋伝一家はお仙を利用しようとするが…。新東宝、東宝に続く火野葦平原作の映画化作品。野球の部分をスパッと切って、仁侠に焦点を当てたコミカルな一作。瑳峨は男二人に惚れられるお仙を演じる。
©日活
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『やくざ非情史 血の決着(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1970年
監督:萩原遼
出演:安藤昇、瑳峨三智子、内田良平、大友柳太朗、二本柳寛
国道工事の入札をめぐる抗争が激化する東北の地方都市。吉井一家に草鞋を脱いだ常吉は、渡世の義理で対立する金沢組長を殺す。それから三年、出所した常吉は金沢の娘・鈴代に偶然出会い…。一匹狼・常吉を安藤昇が演じるシリーズ第三弾。安藤と付き合っていたという瑳峨が鈴与役で登場。
©日活
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『おしどりの間(35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1956年
監督:木村恵吾
出演:瑳峨三智子、山田五十鈴、上原謙、仲代達矢、千秋実、淡路恵子、中田康子
不倫相手の子どもを妊娠した母・山田五十鈴を嫌って家を出た瑳峨は、女中からホステス、男から男へと遍歴を続け…。娘のために山田が企画した舟橋聖一原作の文芸作品であり、親子共演を軸に豪華な脇役陣で固めた人間ドラマ。「男に依存し頼っているからお母さんは駄目なんだ!」瑳峨の言葉が本人の人生を思わせて複雑。
©1956東宝
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東京都渋谷区円山町1‐5
KINOHAUS(キノハウス) 4F
03-3461-7703
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