近日上映予定
ヴァル・リュートンから始まるⅠ ロバート・ワイズ
2026/06/27 ~ 2026/07/10
▼ヴァル・リュートン Val Lewton(1904-1951)
本名:ウラジーミル・イワノヴィチ・レヴェントン。ロシア帝国で生まれ、家族とともにアメリカへ渡った。コロンビア大学でジャーナリズムを学び、様々な小説、記事などを執筆。
その後、MGMに入社し『二都物語』や『風と共に去りぬ』などに関わり(後者ではクレジットなし)、1942年RKOのホラー部門の責任者となる。初製作の『キャット・ピープル』はRKO最大のヒット作となり、ジャック・ターナーの地位を確立させた。また、ロバート・ワイズやマーク・ロブソンに初めて監督の機会を与えた。1945~46年にはボリス・カーロフ主演で3作品を製作。カーロフは自身のキャリアが救われたと語っている。『キャット・ピープル』で用いられた突然大きな音で驚かせる手法は、後に「ジャンプ・スケア」として広く知られるようになった。通常脚本の最終稿を書いたが、クレジットはないか偽名を使った。
その人生は多くの書籍やドキュメンタリーの題材となり、映画化企画も進行している。
▼ロバート・ワイズ Robert Wise(1914 - 2005)
インディアナ州出身。RKOの音響効果技師としてキャリアをスタートさせ、『市民ケーン』でアカデミー編集賞にノミネート。『キャット・ピープルの呪い』で監督デビューし、劇中時間と実際の時間を同時進行させる構成の『罠』など多くの傑作を撮った。1950年代以降、様々なジャンルに挑戦し『私は死にたくない』でアカデミー監督賞にノミネート、『ウエスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』で2度の監督賞を獲得した。
SF、ホラーなどのB級ジャンル映画からスタートし、大作へと範囲を広げて巨匠へとのぼりつめた先駆だが、晩年もなおSF映画へはこだわりを見せていた。
※全作品デジタル上映
上映予定作品一覧(全13本)
『死体を売る男』
『生まれながらの殺し屋』
『月下の銃声』
『罠』
『三人の秘密』
『テレグラフ・ヒルの家』
『地球の静止する日』
『捕らわれの町』
『重役室』
『恋に踊る』
『市民ケーン』
『悪魔の金』
-
『キャット・ピープルの呪い The Curse of the Cat People(71分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1944年
監督:ロバート・ワイズ、G・V・フリッチ
出演:シモーヌ・シモン、トム・コンウェイ、ケント・スミス、ジェーン・ランドルフ
オリヴァーとアリスの娘・エミーは、空想好きで内向的な少女。ある日、魔女が住むと噂される屋敷で美しい女性と知り合い…。ゴシック・ロマン的舞台設定と巧みな構成が素晴らしい『キャット・ピープル』の後日譚。『市民ケーン』などの編集で培われたロバート・ワイズの才能が発揮された、切ないダーク・ファンタジー。
-
『死体を売る男 The Body Snatcher(79分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1945年
監督:ロバート・ワイズ
出演:ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシ、ヘンリー・ダニエル
1831年エジンバラ。医学校の経営者のため解剖に使う死体を調達しているグレイは、墓場から盗むだけでなく殺人まで犯しており…。医師を強請り苦しめることが生きがいの歪んだグレイの心理を、ボリス・カーロフが見事に表現した怪奇映画の傑作。カーロフ&ルゴシの二大怪奇俳優、最後の共演作。
-
『生まれながらの殺し屋 Born to Kill(92分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1947年
監督:ロバート・ワイズ
出演:ローレンス・ティアニー、クレア・トレヴァー、ウォルター・スレザック
モテモテのサイコパス男ローレンス・ティアニー。彼が殺した死体を目撃したクレア・トレヴァーは…。似た者同士が惹かれ合い堕ちていく話というより、ティアニーへの執着がトレヴァーの"本性"を目覚めさせるオムファタールものと言える。酒飲みで陽気な中年女性、一癖ある探偵、ティアニーに尽くす相棒など人物造詣も面白い。デル・トロがオススメのノワールとしてあげた1本。
-
『月下の銃声 Blood on the Moon(87分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1948年
監督:ロバート・ワイズ
出演:ロバート・ミッチャム、バーバラ・ベル・ゲデス、ロバート・プレストン、ウォルター・ブレナン、フィリス・サクスター
流れ者のロバート・ミッチャムは、昔馴染のプレストンから牛飼いを騙す汚い仕事を依頼される。ミッチャムは牛飼いの味方になるが…。雨夜、仄暗い酒場、暗闇での撃ちあい。夜と陰影が異常にかっこいいノワール西部劇。ロバート・ミッチャムほど、月の光と影が似合うスターがいるだろうか。リアルで淡々とした演出も渋い。
-
『罠 The Set-Up(73分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1949年
監督:ロバート・ワイズ
出演:ロバート・ライアン、オードリー・トッター、ジョージ・トビアス、アラン・バクスター
八百長に巻き込まれたボクサーの悲劇を描いた作品で、映画内時間が上映時間と一致している作品としても有名。冒頭の長回し、元ボクサーのロバート・ライアンによる迫真のファイトシーン、夜の街の路地裏をとらえた映像が素晴らしい。長いリング生活も終わりに近づく35才のボクサーの熱く孤独な闘いに泣く!
-
『三人の秘密 Three Secrets(99分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1950年
監督:ロバート・ワイズ
出演:エリノア・パーカー、パトリシア・ニール、ルース・ローマン、フランク・ラヴジョイ、リーフ・エリクソン
飛行機事故で生き残った男の子の救出作戦が進む中、彼が養子だと報道される。自分の子ではと思う三人の女性が現場に駆け付け…。前年の『三人の妻への手紙』に構成は似ており、愛した男の子供を養子に出した三人の過去が追想される。仕事を優先する女への忌避、水商売への蔑視、そして戦争の犠牲などの不正義を描いた先駆的作品。女性たちの連帯により関係が再構築されるラストが感動的な傑作!
-
『テレグラフ・ヒルの家 The House on Telegraph Hill(93分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1951年
監督:ロバート・ワイズ
出演:リチャード・ベースハート、ヴァレンティナ・コルテーゼ、ウィリアム・ランディガン
ポーランドの強制収容所で死んだカリンは、アメリカの親戚に息子を預けていた。カリンになりすました女性は、渡米して息子の後見人と結婚するが…。丘の上の大邸宅、唯一の遺産相続人である息子、彼を長年育てた家政婦、執拗に彼女を見張る夫…。死者に成り代わった女の恐怖の体験を描く、ヒッチコックを彷彿とさせるサスペンス。
-
『地球の静止する日 The Day the Earth Stood Still(92分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1951年
監督:ロバート・ワイズ
出演:マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ、ビリー・グレイ
冷戦時代に非核というテーマで撮られた古典的SF。宇宙人が地球人と同じ体を持っているという設定によって、彼の眼から見た米国社会が描かれる。ホラー的な恐怖演出、宇宙船とロボットのスタイリッシュなデザイン、バーナード・ハーマンのテルミンを使った音楽など、後のSF映画への影響の大きさがうかがえる。
-
『捕らわれの町 The Captive City(91分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1952年
監督:ロバート・ワイズ
出演:ジョン・フォーサイス、ジョーン・カムデン、ハロルド・J・ケネディ
町の警察署に命からがら逃げ込んできた夫婦。夫は地方都市ケニントンの新聞記者で…。変死した探偵、無関心な警察、隠れた賭博…平和なケニントンは犯罪に蝕まれていたのだ!広角レンズを使ってドキュメンタリー・タッチで生々しく描く恐怖。組織犯罪撲滅委員会のメッセージがラストに流れるが、一番恐ろしいのは善人に見える人々が犯罪の撲滅など望んでいないという事実なのだ。
-
『重役室 Executive Suite(104分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1954年
監督:ロバート・ワイズ
出演:ウィリアム・ホールデン、ジューン・アリソン、バーバラ・スタンウィック、フレデリック・マーチ
一人称視点のクールな映像から始まる群像劇。大手家具メーカーの社長の急死後、重役たちは新社長の座を巡って争う。各人のドラマが新社長を決める重役室に集約していく展開は見事。会社、物作り、労働の意味を問う作品で、株主至上主義を批判するウィリアム・ホールデンは、かつての“グレイト・アメリカ”の姿そのもの。俳優の演技合戦も素晴らしく、男性陣の中で圧倒的存在を示すスタンウィックにも脱帽。
-
『恋に踊る Dance, Girl, Dance(90分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1940年
監督:ドロシー・アーズナー
出演:モーリン・オハラ、ルイス・ヘイワード、ルシール・ボール
パッとしない女性舞踏団から出て、お色気を武器にバーレスクのスターになったルシール・ボールは、バレリーナを夢見るモーリン・オハラを前座に推薦するが…。常に露出を求める観客にオハラが放つ怒りの啖呵が素晴らしい!芸能で身を立てたい女性への性搾取は現代の問題でもある。演出もモダンな佳作だが、公開当時不興だったのはその真実を描いた故か。
-
『市民ケーン Citizen Kane(119分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1941年
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン、ドロシー・カミンゴア、エヴェレット・スローン
新聞王ケーンの死に際の言葉「薔薇の蕾」の謎をさぐるうち、人々に忌み嫌われ恐れられた男の孤独な生涯が浮かび上がる。オーソン・ウェルズが製作、監督、脚本、主演を手がけたデビュー作で、撮影・構成・音響などあらゆる面で技術革新をもたらした。現在では映画史上屈指の傑作とされる本作だが、公開時にはケーンのモデルである新聞王ハーストの妨害に遭い、興行的には大失敗であった。
-
『悪魔の金 All That Money Can Buy(106分/デジタル)』
-
上映スケジュール
-
公開:1941年
監督:ウィリアム・ディターレ
出演:ウォルター・ヒューストン、エドワード・アーノルド、シモーヌ・シモン
貧困と不運で絶望した農夫が悪魔に魂を売るファンタジーだが、悪魔祓いをするのが宗教者ではなく庶民派政治家というのがミソ。悪魔に対するはアメリカの自由の精神!ウォルター・ヒューストンとシモーヌ・シモンの悪魔側が魅力的で、亡霊たちのパーティー、死人たちの裁判など特殊効果も素晴らしい。
新着情報
一覧を見る- 2026/04/27
- 羽田澄子 生誕百年記念 トークショーのお知らせ
- 2026/04/04
- 特集「生誕100年 安藤昇伝説Ⅱ」スタンプラリー景品について
- 2026/03/19
- 3/20(金)特別企画 当日券販売のお知らせ
- 2026/02/22
- 「生誕100年 安藤昇伝説Ⅱ」スタンプラリー開催決定!
- 2026/02/19
- 特集「生き続ける清水宏」の上映素材について
- 2026/01/31
- 前売り券販売のお知らせ
- 2026/01/24
- 上映素材について
- 2026/01/08
- 【満席御礼】蓮實重彦さんトーク決定
- 2025/12/30
- チラシ情報訂正のお詫び
アクセス
東京都渋谷区円山町1‐5
KINOHAUS(キノハウス) 4F
03-3461-7703