近日上映予定
オーシマ、モン・アムール
2021/04/03 ~ 2021/04/23
1959年『愛と希望の街』で長編映画監督デビュー。社会性に溢れ権力に対峙する作品が注目を集め、松竹ヌーヴェルヴァーグの旗手と呼ばれたが、1961年松竹を退社。小山明子、石堂淑朗、田村孟、渡辺文雄らと独立プロ・創造社を設立し、『絞死刑』『儀式』など多くの傑作を送り出した。
1973年、創造社を解散し国際的な映画製作に乗り出した。その第一弾が『愛のコリーダ』である。その後も『戦場のメリークリスマス』など国際的大作で高い評価を得るが、病気のため長い間製作中断を余儀なくされた。その後、不死鳥のように蘇り『御法度』を完成させたが、無念にもそれが遺作となった。享年80才。
海外での評価は高く、ベルナルド・ベルトルッチ、アレクサンドル・ソクーロフ、テオ・アンゲロプロス、マーティン・スコセッシなど、大島を敬愛する映画監督は多い。ゴダールは『映画史』において大島を取り上げ、本当のヌーヴェルヴァーグの最初の作品は『青春残酷物語』だと記している。
昨年から、PFFでは長年にわたり応募作品を審査し次世代を応援し続けた功績を称えるため、また世界に挑戦する若い監督を応援するため「大島渚賞」を設立した。
特別上映作品▼ 料金:1200円均一/ポイント鑑賞不可
『小さな冒険旅行』(協力:国立映画アーカイブ)
『マックス、モン・アムール』
『レベル5』
『大東亜戦争』
『生きている人間旅行(「ごぜ 盲目の女旅芸人」+「裸の時代 ポルノ映画・愛のコリーダ」)』
上映予定作品一覧(全21本)
『悦楽』
『帰って来たヨッパライ』
『少年』
『新宿泥棒日記』
『夏の妹』
『飼育』
『絞死刑』
『儀式』
『KYOTO, MY MOTHER’S PLACE+私のベレット』
『愛の亡霊』
『愛と希望の街+明日の太陽』
『青春残酷物語』
『日本春歌考』
『東京戦争戦後秘話』
『御法度』
『マックス、モン・アムール』
『小さな冒険旅行』
『20世紀アワー 大東亜戦争』
『生きている人間旅行』
『レベル5』
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『太陽の墓場(85分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:大島渚
出演:炎加世子、津川雅彦、伴淳三郎、佐々木功、川津祐介、浜村純、吉野憲司、中原功二、戸浦六宏、小沢栄太郎、永井一郎、藤原釜足、北林谷栄、渡辺文雄、檜伸樹、富永ユキ、佐藤慶、小池朝雄、左卜全、田中邦衛、羅生門、清水元
1960年代日本の代表的なスラム街である釜ヶ崎を舞台に、社会の底辺で蠢いている群衆に焦点を当てた本作は『青春残酷物語』に並ぶ問題作。下層労働者たちの不満や残酷さと、そこから放たれるエネルギーは、当時の若い世代を大いに刺激した
©1960松竹株式会社
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『悦楽(91分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1965年
監督:大島渚
出演:中村賀津雄、加賀まりこ、野川由美子、清水宏子、樋口年子、八木昌子、小林昭二、小沢昭一、成瀬昌彦、氏家慎子、戸浦六宏、浜田晃、江守徹、渡辺文雄、小松方正、草野大悟、佐藤慶
昔の暴行をネタに恐喝された匠子。かつての家庭教師で匠子を愛する篤は、家族から依頼され恐喝犯を殺害するが…。恋心から罪を犯すが報われず、絶望から“女”そのものに復讐しようと彷徨う男の物語。大島が設立した創造社による第一作で、原作は山田風太郎の『棺の中の悦楽』
©1965松竹株式会社
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『帰って来たヨッパライ(80分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1968年
監督:大島渚
出演:加藤和彦、北山修、端田宣彦、緑魔子、佐藤慶、車大善、渡辺文雄、殿山泰司、小松方正、戸浦六宏、足立正生、上野堯
日本海へ遊びに来たお気楽な大学生三人組。泳いでいる隙に密航してきた朝鮮人に服を盗まれ、おまけに見知らぬ青年にピストルで脅されて…。フォーク・クルセダーズの大ヒット曲がモチーフで、自らのアイデンティティに何ら疑いを持たない日本人を鋭く糾弾する異色アイドル映画。
©1968松竹株式会社
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『少年(97分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1969年
監督:大島渚
出演:渡辺文雄、小山明子、阿部哲夫、木下剛志
生活のため10才の少年に"当たり屋"をさせながら、日本を縦断する一家の姿を描いたロードムービーの傑作。実際の当たり屋一家事件をモデルに、全国ロケを敢行した。学校も行かず友人もいない少年の孤独と、やがて嫌な「仕事」を自ら引き受けるようになる哀しさが、観る者の心を締め付ける。
©大島渚プロダクション
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『新宿泥棒日記(96分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1969年
監督:大島渚
出演:横尾忠則、横山リエ、田辺茂一、高橋鐡、佐藤慶、渡辺文雄、戸浦六宏、唐十郎、麿赤兒、大久保鷹、四谷シモン、不破万作、九頭登、藤原マキ、山中広介、若林美宏、李礼仙
紀伊國屋書店で万引きを繰り返す鳥男と女店員・ウメ子の恋の行方と、1960年代末の新宿文化が交錯して描かれる。唐十郎と状況劇場、田辺茂一と紀伊國屋書店、花園神社のフーテン集会、そして新宿騒乱のきっかけとなった交番投石事件へ。歴史が動く一瞬をすくいとった前衛作品。
©大島渚プロダクション
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『夏の妹(96分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1972年
監督:大島渚
出演:栗田ひろみ、小松方正、りりィ、小山明子、石橋正次、佐藤慶、殿山泰司、戸浦六宏
生き別れた兄・鶴男を探すため、本土復帰にわく沖縄を訪れた少女・素直子の一夏の経験を描く。父とその恋人、母、鶴男の複雑に絡まり合う関係から、戦中戦後を貫く沖縄と本土の愛と憎しみと怨念の歴史が浮き彫りになる。本作品後、大島渚は創造社を解散し国際的な映画製作へと向かうことになる。
©大島渚プロダクション
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『飼育(105分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1961年
監督:大島渚
出演:三國連太郎、ヒュー・ハード、小山明子、三原葉子、中村雅子、沢村貞子、大島瑛子、浜村純、山茶花究、戸浦六宏、小松方正
太平洋戦争末期、墜落した米軍機に搭乗していた黒人兵を村人たちが飼育する。大江健三郎の同名小説では黒人兵と少年の交流が主題だが、映画では黒人兵を狂言回しに、戦争末期の山村の混乱と、権威にへつらい弱者を虐げる村人たちの醜悪さが描かれる。松竹を退社したばかりの大島渚による傑作。
©大島渚プロダクション
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『絞死刑(117分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1968年
監督:大島渚
出演:尹隆道、佐藤慶、渡辺文雄、石堂淑朗、足立正生、戸浦六宏、小松方正、松田政男、小山明子
在日朝鮮人Rの絞首刑が失敗し記憶喪失に。所長や検事、看守たちは、刑の再執行のためRの罪を思い出させようと躍起になるが…。権力側とRのやり取りが、不気味なユーモアを含んで展開する。死刑とは?国家とは?民族とは?現実の小松川事件を題材に、死刑制度と在日朝鮮人問題に真正面から挑んだ傑作。
©大島渚プロダクション
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『儀式(123分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1971年
監督:大島渚
出演:河原崎健三、賀来敦子、佐藤慶、乙羽信子、小山明子、小松方正、渡辺文雄、三戸部スエ、戸浦六宏、小沢栄太郎、原知佐子、殿山泰司、中村敦夫
満州から引き揚げてきた名家の息子が、親族関係に翻弄され苦悩する。花嫁不在の結婚式から一族の葬式まで、永遠に続く空虚な儀式の中に、家父長とそれを強いる日本の「イエ」、そして「イエ」に埋没していく個人の問題点を浮き彫りにする。国内外で高い評価を受け、アンゲロプロスの『旅芸人の記録』に多大な影響を与えた大島の代表作。
©大島渚プロダクション
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『KYOTO, MY MOTHER’S PLACE+私のベレット(50分+27分)』
- 上映スケジュール
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監督:大島渚
『KYOTO, MY MOTHER’S PLACE キョート・マイ・マザーズ・プレイス』1991年/50分/16mm/
監督・ナレーション:大島渚/
出演:島田とみ、舟槻いな、山本彦八/
BBCの依頼を受けた大島が、故郷・京都の歴史と自らの青春、亡き母の人生を重ね合わせて描いたドキュメンタリー。因習が人々を縛り苦しめる古都・京都の姿と、故郷への複雑な思いが浮き彫りになる。マーティン・スコセッシが「埋もれた宝石のような作品」という賛辞を呈した傑作。
『私のベレット』1964年/27分/デジタル/
監督:大島渚/監修:小津安二郎/企画監修委員:山本嘉次郎、千葉泰樹、小石栄一、五所平之助、牛原虚彦、田中重雄、松林宗恵、中平康、野村芳太郎、関川秀雄、滝沢英輔/企画:いすヾ自動車/
出演:【第一話】佐東朝生、加藤澄江、坊屋三郎、【第二話】小山明子、柳生博、【第三話】斎藤頼子、菅原謙二、家田佳子/
いすゞ自動車株式会社から発売された「ベレット」の宣伝映画。小山明子・柳生博・菅原謙二など豪華出演陣に加え、脚本監修の小津安二郎を筆頭にモノ凄いスタッフが勢ぞろいしてビックリ。最も驚くべきことは3本の短編が全て辛辣なドラマでありアンハッピーに終わること。高度消費社会と格差の始まりを予感させる怪作と観ることもできる。必見!
©BBC SCOTLAND 1991 協力:大島渚プロダクション
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『愛の亡霊(106分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1978年
監督:大島渚
出演:田村高廣、吉行和子、藤竜也、杉浦孝昭、小山明子、河原崎建三、川谷拓三、長谷川真砂美、伊佐山ひろ子、佐藤慶、殿山泰司、佐々木すみ江、小林加奈枝、北村英三、山本麟一、三星東美、伊波一夫
明治中期。兵隊帰りの豊次は、人力車夫・儀三郎の妻・せきと関係を持つ。情交を重ねる二人は、邪魔になった儀三郎を殺害するが…。寡婦と愛人と殺した夫の亡霊との三角関係を、幽玄かつ静謐に描いた傑作。『愛のコリーダ』騒動の中で撮られたこの作品で、大島渚はカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した。
©大島渚プロダクション
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『愛と希望の街+明日の太陽(62分+6分/35mm)』
- 上映スケジュール
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監督:大島渚
『愛と希望の街』1959年/62分/35mm/
監督:大島渚/
出演:藤川弘志、望月優子、富永ユキ、千之赫子、渡辺文雄、伊藤道子、須賀不二夫、坂下登/
鳩を売る少年に同情して鳩を買った重役の娘は、それが詐欺だと知り…。極貧な母子家庭の少年と裕福な少女の交流を描きながら、社会の"壁"の存在を冷徹に提示し、当時の映画界に衝撃を与えた。原タイトル『鳩を売る少年』が松竹側の意向で勝手に変更され、大島が慨嘆したのは有名な話。
『明日の太陽』1959年/6分/35mm/
監督:大島渚/
出演:津川雅彦、桑野みゆき、山本豊三、十朱幸代、杉浦直樹、九条映子、千乃赫子、川津祐介、花ノ本寿 、條喜子、朝海圭子、松本錦四郎/
それまで大庭秀雄や野村芳太郎の助監督を務めていた大島の初監督作で、内容は十朱幸代、桑野みゆき、杉浦直樹、川津裕介、津川雅彦など当時の松竹新人スタア十数人を紹介する宣伝映画。超短編ながら、すでにスタッフ陣には後の大島作品を支えるメンバーが集っている。
©1959松竹株式会社
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『青春残酷物語(96分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1960年
監督:大島渚
出演:桑野みゆき、川津祐介、久我美子、渡辺文雄、田中晋二、浜村純、森島亜紀、田中晋二、富永ユキ、氏家慎子、佐藤慶、林洋介、松崎慎二郎、水島信哉、小林トシ子、二本柳寛、 山茶花究、森川信
若さを謳歌する女子高生の真琴は、ある日中年男に襲われ大学生に助けられる。鮮烈で残酷な青春を描いた大島渚の初期の代表作。川津祐介が林檎を齧る名シーンと共に、この作品から「松竹ヌーヴェルヴァーグ」という言葉が生まれた。当時の渋谷やデモ隊の若者たちの映像も貴重。
©1960松竹株式会社
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『日本春歌考(103分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1967年
監督:大島渚
出演:荒木一郎、岩淵孝次、串田和美、佐藤博、益田ひろ子、吉田日出子、田島和子、小山明子、伊丹一三、宮本信子
大学受験で上京した高校生たちが元教師の大竹と恋人の姿を街で見かけ…。政治と性を巡る世代間の差異をモチーフに、大島の即興演出が冴える異色作。日本の底辺の民衆のエレジーである春歌を、つぶやくように歌う荒木一郎がカッコいい。
©1967松竹株式会社
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『東京戦争戦後秘話(94分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1970年
監督:大島渚
出演:後藤和夫、岩崎恵美子、福岡杉夫、大島ともよ、福田健一、磯貝浩、橋本和夫、堀越一哉
69年の羽田闘争の敗北を機に左翼運動が活力を失っていった時期、映画製作グループの高校生たちが「遺書としての映画を残し死んだ仲間」を追い、虚実の狭間を彷徨う物語。大島が原正孝(のちの将人)ら高校生の自主映画グループと組んで製作した異色作であり、大島の作品中で最も難解なもののひとつ。
©大島渚プロダクション
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『御法度(100分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1999年
監督:大島渚
出演:松田龍平、ビートたけし、武田真治、浅野忠信、崔洋一、的場浩司、トミーズ雅、伊武雅刀、神田うの、吉行和子、田口トモロヲ、桂ざこば、坂上二郎
新選組に美少年剣士・惣三郎が入隊する。隊士たちは彼の美貌に惹かれるが、組織を揺るがす男色は御法度。しかし、惣三郎を巡って組中では奇怪な事件が起こり…。司馬遼太郎の短編をもとに、新選組を男色の視点から描いた異色時代劇。長い闘病生活からの復帰第一作であり、最後の作品となった。
©1999松竹株式会社
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『マックス、モン・アムール(97分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1987年
監督:大島渚
出演:シャーロット・ランプリング、アンソニー・ヒギンズ、ダイアナ・クック、ピエール・エテックス、ベルナール=ピエール・ドナデュー、ビクトリア・アウリル、ニコール・カルファン、ミレーナ・ヴコティチ
パリ駐在の英国大使館員ピーターは、妻マーガレットと愛人が密会するアパルトマンに踏み込む。ところがそこで見たのは…。鍵、銃、エッフェル塔など、随所に埋め込まれた性愛のメタファーや、艶笑コメディ風の軽妙洒脱な語り口が笑いを誘う。ゴダール作品のカメラマンであるラウール・クタール、そして主演のシャーロット・ランプリングを始め、世界的スタッフによる哲学的コメディの傑作。先日亡くなった脚本家カリエールの追悼としても是非ご覧ください。
©TAMARA Distribusion
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『小さな冒険旅行(57分/35mm)』
- 上映スケジュール
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公開:1963年
監督:大島渚
出演:中川春樹、佐藤慶、木村俊恵、浜村純、加藤嘉、左卜全、小松方正、日下武史、戸浦六宏 、小山明子、渡辺文雄
『愛と希望の街』と『少年』の間に位置する愛らしい佳作。軽妙なアニメーションで始まり、両親が出かけたすきに子どもが都電に乗って冒険にでかける。科白は一切ないサイレント的な作りなだけに、大島の描写力の確かさと軽やかさがより際立つ。大島組の面々が意外な役で1シーンずつ登場するのも見もの。
協力:日生劇場
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『20世紀アワー 大東亜戦争(98分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1968年
監督:大島渚
大島が牛山純一のプロデュースで手がけたアーカイブ・ドキュメンタリー。新聞、大本営発表、ニュース映画を当時の声のまま再構成することで、戦時下の報道の嘘が浮き彫りになる。「英霊」「玉砕」「神風」等の言葉で作られた侵略戦争の物語が何をもたらしたか。これは今の時代を討つ作品である。
協力:日本映像記録センター
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『生きている人間旅行(計50分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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『生きている人間旅行 ごぜ 盲目の女旅芸人』/1972年/25分/デジタル/
制作:牛山純一/演出:大島渚/ナレーター:戸浦六宏/
新潟長岡の「最後のごぜさん」たちの旅を描いているが、フェイク・ドキュメンタリーであることは冒頭で述べられている。三人のごぜさんは新潟の奥深い農村に徒歩で廻って行く。家の玄関先で「門付け」もしてもらい、一節歌う代わりの米を貰う。村の庄屋の家に行き、多くの村人たちも集まって自分たちの唄を歌う。今は失われた唄の饗宴である。
「生きている人間旅行 裸の時代 ポルノ映画・愛のコリーダ」1976年/25分/デジタル/
制作:牛山純一/監督・演出:野田真吉/撮影:金井勝/ナレーター:森山周一郎
京都の大映撮影所で『愛のコリーダ』を撮影していたときのメイキング映像。セットや衣装の豪華さが素晴らしいが、セックス・シーンは出てこない。仏製作の『愛のコリーダ』はフィルムもフランスから持ち込んで日本で撮影、それをハードコア解禁だったフランスで編集・公開することで日本の法律をくぐった。フランスの撮影隊が「日本ロケ」した外国映画の形態を取っていたのだ。
協力:日本映像記録センター
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『レベル5(110分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:1996年
監督:クリス・マルケル
出演:カトリーヌ・ベルコジャ、大島渚
ローラは亡き夫が遺したゲーム「レベル5」を完成させようとするが…。ゲームの世界で繰り広げられる沖縄戦の再考。クリス・マルケルはジョン・ヒューストン『Let There Be Light(そこに光を)』、アラン・ドワン『硫黄島の砂』を引用し、大島渚の映像と声を導入する。激戦地・沖縄の集団的忘却と無関心、歴史の改竄を仮想空間の中で弾劾する、紛れもないオキナワモナムール。
©1996Argos Films
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