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ソヴィエト映画特集
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2021/02/20 ~ 2021/03/19
恒例になったソヴィエト映画特集。今回はアブラム・ロームも上映します!
特別上映▶『未来への迷宮』 『ベッドとソファ』 『アコーディオン』+『カメラマンの復讐』
協力:コミュニティシネマセンター
料金:1200円均一/ポイント鑑賞不可
『ベッドとソファ(71分/35mm/サイレント)』-
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公開:
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1927年
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監督:
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アブラム・ローム
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出演:
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ニコライ・バターロフ、リュドミーラ・セミョーノワ、ウラジーミル・フォーゲリ
若夫婦のアパートに夫の戦友がころがりこみ三角関係に陥るが、事態は思いもかけない方向へ…。列車から見える風景がモンタージュされ都会へ。夜明け前の街、寝ている猫、そして寝ている夫婦へ。映画的幸福に溢れたオープニングとルビッチ的ユーモア、そしてフェミニズム的テーマ。20年代とは思えない、この驚くべき傑作をご覧あれ。
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『未来への迷宮(102分/35mm)』-
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公開:
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1935年
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監督:
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アブラム・ローム
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出演:
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ユーリー・ユリエフ、オリガ・ジズネワ、ドミトリー・ドルリアク、マクシム・シュトラウフ、ワレンチナ・セローワ、イリーナ・ヴォロトコ
外科医夫婦の上流生活と、反撥しつつ夫人に惹かれていく若者の三角関係が描かれる。革命後の世代間葛藤を描き上映禁止となった作品だが、現実と幻想が交錯する奇妙さ、とんでもなく巨大なセット、縦移動撮影と画面奥のバレエ集団など見どころ満載。パイ投げシーンも必見!
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『アコーディオン+カメラマンの復讐(58分+10分/35mm)』-
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『アコーディオン』1934年/58分/
監督・脚本:イーゴリ・サフチェンコ/撮影:ユーリ・フォーゲルマン、エフゲニー・シュネイデル/音楽:セルゲイ・ポトスキー/
出演:ゾヤ・フョードロワ、イーゴリ・サフチェンコ、ピョートル・サヴィン/
村の議長になった若者が意識改革のため音楽などの娯楽を禁止するが…。歌や踊りといった民衆文化をたたえるソヴィエト・ミュージカル・コメディ最初期の代表作。農村の風景描写と心理描写と音楽とが響きあう。
『カメラマンの復讐』1912年/10分/サイレント/
監督・脚本:ヴワディスワフ・スタレーヴィチ/
ロシア初のアニメ作家による作品。昆虫採集が趣味の監督が作ったリアルな虫がリアルな不倫を繰り広げるという異様な世界が展開。カブトムシの夫がしょっちゅうキレて物を壊しまくり、バッタが階段から転げて店の窓をぶち破る。シュール過ぎて狂気さえ感じる傑作で、この10年後の初ディズニーをはるかに凌ぐ!
『スタフ王の野蛮な狩り(109分/35mm)』-
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公開:
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1979年
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監督:
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ワレーリー・ルビンチク
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出演:
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ボリス・プロートニコフ、エレン・ディミートロワ、ヴァレンチナ・シェンドリコワ、アリベルト・フィローゾフ
民俗学者・ベロレツキーは、領主のヤノフスキー家に伝わるスタフ王の呪いの伝承を調査するため、ベラルーシの村にやってきた。やがて、一族ゆかりの人びとが次々と…。霧の中の沼地、幻のような騎馬の群れ、小人やグロテスクな人形劇と、芸術的で幻想的な美しさに満ちたゴシック・ロマン。
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『人生案内(94分/デジタル)』-
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公開:
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1931年
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監督:
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ニコライ・エック
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出演:
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ニコライ・バターロフ、ミハイル・ジャーロフ、イワン・クィルラ、ミハイル・ジャーロフ、ワシーリー・カチャーロフ、ミハイル・ジャゴファロフ
ソ連初のトーキー映画。盗みを働いた浮浪児たちが共同工場で更生していく。自由と協調性を学び居場所を見つけ、働くことの素晴らしさを知った子どもたちの姿が生き生きと描かれた傑作で、この年のキネマ旬報ベストテンで2位となった。
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『陽気な連中(95分/35mm)』-
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公開:
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1934年
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監督:
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グリゴリー・アレクサンドロフ
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出演:
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レオニード・ウチョーソフ、リュボーフィ・オルローワ
令嬢エレーナが牧童のコースチャを名指揮者と間違えて館に招待。ところがコースチャの角笛で家畜たちが館になだれ込み…。グリゴリー・アレクサンドロフの処女作となるミュージカル・コメディ。大ヒットした本国は勿論、チャップリンら欧米の喜劇人達からも高い評価を受けヴェネチアで優秀参加国杯を受賞。
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『がんばれかめさん(86分/35mm)』-
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公開:
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1970年
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監督:
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ロラン・ブイコフ
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出演:
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アリョーシャ・エルショフ、アンドレイ・サモトルキン、ミーシャ・マルティロシャン、アレクセイ・バターロフ、リリヤ・マルキーナ、イリーナ・アゼル
中学校1年の生物係を引き受けた2人がカメの耐久力を調べるうちに実験がエスカレート、ついに戦車まで!? 児童映画を多く撮った監督の演出力はキアロスタミ級。子供たちの自由で自然な演技が素晴らしく、かつて子供だったすべての人の心を揺さぶる作品。オシャレなタイトルバックや巧みなカット割りも見もの。
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『ルカじいさんと苗木(93分/35mm)』-
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公開:
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1973年
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監督:
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レゾ・チヘイーゼ
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出演:
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ラマーズ・チヒクワーゼ、ミシコ・メスヒ
昔あった幻のナシの苗木を探して50年ぶりに村を出たルカじいさんと10歳の孫のロードムービー。人々との暖かい交流や珍しいグルジア文化だけでなく、変わりゆく暮らしと伝統に直面するルカじいさんの現実をも直視している。“失われていくもの”への哀悼と“本当に大事なもの”への気づきを観る者に突きつける名作。
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『翌日戦争が始まった(86分/35mm)』-
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公開:
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1987年
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監督:
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ユーリー・カラ
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出演:
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ユーリャ・タルホワ、イリーナ・チェルニチェンコ、ナターリア・ネコダ、セルゲイ・ニコネンコ、ヴェーラ・アレントワ、ウラジーミル・ザマンスキー
1940年の地方都市。スターリンの肖像が掲げられた教室。生徒たちのパーティで朗読されたエセーニンの詩が少女を死に追いやる。葬儀への出席も禁じられた若者たちも何とか抵抗を試みるが、翌年ドイツとの戦争が勃発し…。自由に憧れる若者たちの夢や希望が戦争によって打ち砕かれる無残が胸をうつ。
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『サーカス(94分/デジタル)』-
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公開:
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1936年
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監督:
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グリゴリー・アレクサンドロフ
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出演:
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リュボーフィ・オルローワ、セルゲイ・ストリャローフ
黒人の子どもを産んだ米国人のサーカス団員がソ連に逃れ、モスクワ・サーカスのスターになる話。メロドラマとコメディの融合と印象的な歌。華やかな曲芸シーンと舞台裏。団員の個性的なキャラ達も生きている。MGMにも引けをとらない娯楽ミュージカル大作プロパガンダ風味の一作。
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『ジャズメン(88分/35mm)』-
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公開:
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1983年
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監督:
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カレン・シャフナザーロフ
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出演:
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イーゴリ・スクリャール、アレクサンドル・パンクラトフ=チョールヌイ、ニコライ・アヴェリュシキン、ピョートル・シチェルバコフ
1920年代のオデッサ。「ジャズはブルジョワ音楽」だった時代にジャズバンドを結成する若者たち。“アドリブ”の意味がわからない仲間たちとのはじめての野外ライブの失敗。そしてオーディションへの挑戦。音楽と仲間の楽しさをほのぼのと描いた青春映画の佳作。
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『持参金のない娘(145分/35mm)』-
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公開:
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1984年
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監督:
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エリダル・リャザーノフ
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出演:
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ラリーサ・クゼーエフ、ニキータ・ミハルコフ、アリーサ・フレインドリフ
没落貴族の三女ラリーサを良家に嫁がせようとする母。しかし彼女には持参金がない。1870年代、美しいラリーサのまわりには男たちが群がるが、彼女は腹黒商人(ニキータ・ミハルコフ)にメロメロになる。美しい映像とロシア民謡、ジプシー音楽に乗せて娘が辿る残酷な運命が描かれるメロドラマ。
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『青春讃歌(92分/35mm)』-
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公開:
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1985年
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監督:
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ミハイル・ベリコフ
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出演:
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タラス・デニセンコ/エレナ・シュクルペロ/ニナ・シャロラポワ/アレクサンドル・パシュティン
大学に進んだ主人公と幼馴染みの恋を戦争の傷跡から立ち直っていく1950年代ソ連社会を背景に描いた作品で、冒頭の『ハロードーリ-』を始めジャズやロシア音楽も印象的。二人の“若さの輝き”が眩しい傑作青春映画だが、多幸感が溢れる作品だからこそラストの運命が心に響く。
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『死者からの手紙(88分/35mm)』-
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公開:
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1986年
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監督:
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コンスタンチン・ロプシャンスキー
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出演:
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ロラン・ブイコフ、イオシフ・ルィクリン、ヴィクトル・ミハイロフ
ミスの積み重ねから起きた核戦争後の世界を描く。監督はタルコフスキーの系譜を継ぐロプシャンスキー、脚本にSF作家のストルガツキーが参加している。荒廃した世界の美しさや、生き残った子供たちと老科学者がひっそりと暮らすシェルターの描写が詩的かつ感動的。ディストピア好きにはたまらない傑作。
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『アエリータ(90分/35mm/サイレント)』-
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公開:
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1924年
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監督:
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ヤコフ・プロタザーノフ
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出演:
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ユーリャ・ソンツェワ、ニコライ・ツェレテリ、ニコライ・バターロフ、ヴァレンチナ・クインジ
宇宙船を造っているローシは妻の浮気を疑って殺害。追跡を逃れ火星に着いた彼は美貌の女王アエリータに恋するが…。ソ連初のSF映画で、ソ連人が虐げられる火星人労働者(冷凍保存され積み上げられる等)を扇動して革命を起こすというトンデモ話。ロシア構成主義的な背景と衣装が素晴らしい。ラング『月世界の女』と見比べるのも一興。
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『ハムレット(150分/35mm)』-
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公開:
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1964年
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監督:
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グリゴリー・コージェンツェフ
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出演:
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インノケンティ・スモクトゥノフスキー、アナスタシア・ヴェルチンスカヤ、ミハイル・ナズワーノフ
流麗な長回しで映しだされる光と影、荒々しい自然を捉えたロケーションが素晴らしいソ連版ハムレット。月明りに浮かぶ父の亡霊、風に揺れるマント、霧がかった池など強度あるショットに満ちた傑作で、音楽はショスタコーヴィチが担当。上層部の反対を押して制作され、ヴェネチアで審査員特別賞を受賞した。
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『戦火を越えて(92分/35mm)』-
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公開:
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1965年
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監督:
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レゾ・チヘイーゼ
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出演:
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ゼルゴ・ザカリアーゼ、ケテワン・ボチョリシヴィリ、ウラジミール・プリワツェフ、アレクサンドル・レベデフ
従軍中の息子が怪我をしたと聞いた父親が戦場に見舞いに行ってしまうロードムービー。農夫の父親が気が付けばベルリンにいて鉄砲背負って走っているという展開は、コミカルながら手に汗握る面白さ。天然な父親のキャラも素晴らしく、家族愛が全編に溢れる傑作。
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『灰色の狼(96分/35mm)』-
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公開:
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1973年
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監督:
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トロムーシュ・オケーエフ
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出演:
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カムバル・ワリエフ、シュイメンクル・チョクモロフ、アリムジャン・ジヤンゴロ
両親と死に別れ伯父と暮らす遊牧民の少年。反対を押し切って育てた狼の子が逃げ出し少年もまた家を出るが…。カザフを代表する作家の短編小説をコンチャロフスキーらが脚色、キルギス出身の監督が映画化した作品。一人で山に入って“かつての親友”を捜し続ける少年の運命が哀しい。
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『ジプシーは空にきえる(100分/35mm)』-
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公開:
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1976年
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監督:
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エミーリ・ロチャヌー
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出演:
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スヴェトラーナ・トーマ、グリゴーリ・グリゴリウ、セルゲイ・フィニチ、ボリスラフ・ヴロンドゥコフ、フセヴォロド・ガヴリーロフ、ボリス・ムラエフ
軍馬を盗む腕前で名を馳せるゾバールは、怪我をした彼を助けてくれた謎の美女に偶然再会し…。自然と人が混じり合い生まれる音楽の強さ。旅に生きる人々の自由と気高さ。そして魅力的な男と美しい女。馬、風、旅、音楽が一体化して観る者を別世界に連れ去る傑作。
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『全線(古きものと新しきもの)(90分/35mm/サイレント)』-
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公開:
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1929年
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監督:
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セルゲイ・ミハイロヴィチ・エイゼンシュテイン、グリゴリー・アレクサンドロフ
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出演:
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マルファ・ラプキナ、M・イワーニン、ワーシヤ・ブゼンコフ、ネジーコフ、チュフマリョフ
貧困にあえぐ農民が結束し組合を作り、コルホーズで大規模作業と機械化を実現して大勝利というプロパガンダ映画だが、農民、動物、醜い資本家の顔をドアップでとらえた映像と、モンタージュの編集のキレには度肝を抜かれること必至。可愛い子豚からの丸焼き、牛、神、レーニンへの流れも凄い!
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『野獣たちのバラード(129分/35mm)』-
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公開:
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1965年
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監督:
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ミハイル・ロンム
膨大なニュースフィルムや記録映画からナチスの残虐性を炙り出したドキュメンタリー。人間が思考を放棄した時に起こる「ありふれたファシズム(原題でもある)」を告発したミハイル・ロンム監督の遺作。チャップリンの『独裁者』とも比肩される傑作であり、ファシズムの芽は誰の心の中にもあることを明らかにした。
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『赤いカリーナ(110分/35mm)』-
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公開:
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1973年
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監督:
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ワシーリー・シュクシン
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出演:
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ワシーリー・シュクシン、リディア・フェドセーエフ・シュクシナ
刑務所から出所したエゴールは農村に住み過去と訣別する決心をするが、昔の仲間たちに追われ…。映画大学でタルコフスキーやコンチャロフスキーと学び小説家としても知られた監督の早すぎた遺作。国中で大ヒットし国際的にも高く評価された。精神的な破綻、人の死を描いたスケールの大きい傑作。
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『白い汽船(100分/35mm)』-
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公開:
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1976年
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監督:
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ボロトベク・シャムシエフ
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出演:
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ヌルガズィ・スィディガリエフ、サビーラ・クムシャリエヴァ
祖先は鹿に育てられた人間だと言う祖父とそれを信じる7歳の孫。山で平和に暮らす一家も、婿の暴虐や祖母の企みによって崩壊していき…。湖の白い汽船に船乗りのお父さんが乗っていると空想する少年のファンタジーが可愛くも切ないキルギス映画の佳作。
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『秋のマラソン(94分/35mm)』-
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公開:
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1979年
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監督:
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ゲオルギー・ダネリヤ
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出演:
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オレーク・バシラシヴィーリ、ナターリヤ・グンダレヴァ、マリーナ・ネヨーロヴァ、エフゲニー・レオーノフ
翻訳家で大学講師のアンドレイはタイピストと不倫中。やむなくついた嘘が事態を悪化させ、妻、娘、愛人、仕事がどんどん破綻するも、デンマーク人の友達とのマラソンは続く、というゆるゆるおじさんコメディ。朝からウォッカを飲んでキノコ狩りに誘う困った隣人を演じるエフゲニー・レオーノフはさすがの存在感。
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上映予定作品一覧(全24本)
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2021/02/20 ~ 2021/03/19
『ベッドとソファ(71分/35mm/サイレント)』
『未来への迷宮(102分/35mm)』
『アコーディオン+カメラマンの復讐(58分+10分/35mm)』
『スタフ王の野蛮な狩り(109分/35mm)』
『人生案内(94分/デジタル)』
『陽気な連中(95分/35mm)』
『がんばれかめさん(86分/35mm)』
『ルカじいさんと苗木(93分/35mm)』
『翌日戦争が始まった(86分/35mm)』
『サーカス(94分/デジタル)』
『ジャズメン(88分/35mm)』
『持参金のない娘(145分/35mm)』
『青春讃歌(92分/35mm)』
『死者からの手紙(88分/35mm)』
『アエリータ(90分/35mm/サイレント)』
『ハムレット(150分/35mm)』
『戦火を越えて(92分/35mm)』
『灰色の狼(96分/35mm)』
『ジプシーは空にきえる(100分/35mm)』
『全線(古きものと新しきもの)(90分/35mm/サイレント)』
『野獣たちのバラード(129分/35mm)』
『赤いカリーナ(110分/35mm)』
『白い汽船(100分/35mm)』
『秋のマラソン(94分/35mm)』
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2021/02/19
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2021/02/18
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2021/01/19
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2021/01/19
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2021/01/08
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2021/01/06
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2021/01/02
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2020/11/25
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2020/10/14
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2020/09/18
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